「新日本プロレスワールド」で、7.5大阪大会「DOMINION」を見た。
昼間の用事で疲れて寝ていたためライブではなかったが、ライブ終了後すぐタイムシフト視聴ができるので非常に便利である。
新日本プロレスワールド加入以来、実際のところ1ヶ月に1回くらいしか見てはいないのだが――
(当たり前ながら、プロレスだけ見て暮らせるわけではない。)
月額999円で1ヶ月に一度でもこういう大会を見られるなら、それはそれで元を取っているようにも思う。 さて、大阪城ホールでの大会は新日本として21年ぶり、
今大会は観客数11,400人の超満員を達成したそうである。
ちなみに大阪城ホールの最大収容人数は、wikipediaによると16,000人。
超満員じゃねーじゃねーかとも感じるが、チケットは大会4日前に完売したと言うから、営業的には大成功と言える。
試合の展開・詳細は、ネットや雑誌でいくらでも書かれるので省略する。
ここでは全体的な感想のみ書く。
毎年この時期、新日本が大阪で行うビッグマッチは
「DOMINION」と名付けられている。「支配権」の意味である。
たぶん「新日本での支配権を争う闘い」という意味で名付けられたのだろうが、
今回の大会は、
「新日本の日本プロレス界での支配権」をはっきり印象づけたと感じる。
いったい今、1万人以上の観客を集められるプロレス団体が、他にいくつ日本にあるだろう。
なるほど両国国技館(最大収容人数11,000人)などは、今でも各団体が使っている。
しかし観客数(実数)が1万人を超えたことは、ここ数年はないはずである。
NOAHは日本武道館(同13,000人)から撤退し、代わって使う団体はない。
(ただし2012年8月18日には、DDTが「武道館ピーターパン」を単発開催した。
その時の観客数は10,124人で超満員。)
一方で新日本は、横浜アリーナ(同17,000人)での大会開催を定期的なものにしていきたいらしい。
(新日本が日本武道館での開催を狙わないのは、もしかするとNOAHの体面への配慮なのかもしれない。
それは確かに、「新日本がNOAHのかつての聖地を乗っ取った/占領した」というような印象をプロレスファンに与えるだろう。) 今大会は、日本プロレス界における新日本の勢力が突出したものであることを改めて印象づけた。
これに対抗できるのはDDTくらいであるが、そのDDTも飯伏幸太の2団体ダブル所属やケニー・オメガの移籍でわかるように、
基本的には新日本と友好関係にあるようである。
プロレス界を戦国時代になぞらえるよくあるやり方で言えば、
新日本は織田政権・豊臣政権のようなもので、
DDTが徳川家康なのかもしれない。
本ブログの過去記事では、
「新日本幕府ノア藩の成立」というのも書いた。
しかし織田政権にはその傾向があったとしても、豊臣政権も徳川幕府も、土着・既存の大名を全て取り潰したわけではなかった。
今や幕府的勢力となった新日本も、他の団体を潰して「日本のWWE」になろうとはしていないだろう。 今大会では実況アナもオカダ・カズチカも、「世界」という言葉を多用していた。 日本の他の団体は勝手にやっておいてよいから、新日本は北米・アジア・ヨーロッパに出て行く。 それは、織田政権が日本全国の統一を待たず――島津や伊達の勢力を残したままで、世界に打って出るのにも似ている。 もはや新日本の組下大名となった観があるNOAH、
新日本の同盟国かつ第二勢力でもあるDDT、
島津、伊達、毛利、長宗我部などにたとえられるかもしれない大日本、WRESTLE-1、全日本、ZERO1、そしてIGF…… 何が起こるかわからない、一寸先は闇と呼ばれるプロレス界。
こうした状況に、
まるで本能寺の変的な、何か劇的な変化が起きることはあるのだろうか?
私は常々、歴史ファンはプロレスファンと親和性がある――
歴史好きはプロレス好きになる可能性が高いと思っているのだが、
今のプロレス界は、そうした見方をしてもかなり興味深い状況にあると思う。
- 関連記事
-
スポンサーサイト
猪木 vs マサ斎藤 の海賊ガスパー乱入による暴動事件や、全日本プロレスの、鶴田 vs 長州の、60分フルタイム引き分けの試合などが思い出に残っています。
その大阪城ホールで、21年振りに大会を開催して、前売り券を完売してしまう現在の新日本の勢いには、改めて凄いと感じました。
今年のG1 では、AブロックとBブロックの公式戦を、交互に開催するとか。
事実上の2リーグ制興行で、将来の本格的な2リーグ制興行への試金石になるのでしょうか?