
米TNA・ノックアウト(女子部門)選手陣 女をブスと罵ることは、それが容姿への悪口であるにもかかわらず、最大級の人格否定となる。 男をブサイクと罵ることより、女をブスと呼ぶ方が与えるダメージは数十倍である。
(そもそも、男をブサイクと罵ることってあまりない。)
そういえば
KENTA(現イタミ・ヒデオ)の得意技の一つに、「ブサイクへの膝蹴り」というのがあった。
だが、女子プロレス界で
「ブスへの膝蹴り」が得意技になることはないだろう。
女子プロレスで相手を罵ることは男子プロレスでよりも頻繁なくらいだが、しかしそこに「ブス」の語はあまり使われない。
むろんこれは、意外とするには当たらない。
それはまさに、「プロレスの範疇を超えた」口撃だからである。
もし使われることがあるとすれば、それはそこそこ美形のレスラーに対してだということに、ファンもきっと気づいている。

KENTA(現 イタミ・ヒデオ)の技「ブサイクへの膝蹴り」 WWEでもTNAでも、外国にももちろん女子プロレスラーはいる。
そういうのを一目見れば、女子プロレス界にも美人資本主義は浸透していると感じないではいられない。
怪物系レスラーを除き、そのほぼ全員が美人なのである。
(あれを美人だとは思わない、という人もいようが、おそらく白人・黒人にとっては美人なのである。)
プロレスの世界でさえも、美人でなくては生き残れない。
と言うか美人でなくては女子プロレスラーになることもできない(採用されない)―― これもまた、意外とするには当たらないことなのだろう。
美人資本主義の現代では、スポーツ選手はおろか声優・科学者・作家でさえも美人であることが要求される。
「美人すぎる市議」に代表される、新人女性政治家もそうである。
そうでなくては売り出しにくく、売り出そうという気にもならず、実際人民に受け入れられないのである。 私は外国の女子プロレスラーが、純粋なお色気担当だとは言わない。
しかしその役割を担い、求められ、果たしているのは、疑いのない事実だと思う。
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ではここで、日本の女子プロレス界を見てみよう。
まず「女子プロレス界」というもの自体、日本にしか存在しない世界である。
外国に女子プロレスラーはいるが、女子選手だけで構成される「女子プロレス団体」はない。(あるのかもしれないが、日本ほど普通の存在ではないだろう。日本ほど数はないだろう。)
日本は昔から女性を抑圧してきたし、今も女性の社会進出が足らない社会だとよく言われる。
そんな日本でのみ女子プロレス界などという世界が成立したことは、文化人類学的にとても興味深い現象である。
だいたい「女性を抑圧してきた社会」は、世界中にいくらでもある。
広大なイスラム圏など、今でもそう言えるはずである。
なのになぜ日本において、よりにもよって「女子のプロレス」というものが社会に根付いたのだろうか? 女子プロレスはマイナーでマニアックな存在に縮小したと言われるが、それでもそういうものが存在することを知らない日本人はいない。
これがなぜなのか私には解明することはできないが、とにかく日本はそういう社会なのである。
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