新日本プロレス50周年記念の一環として、2023年1月9日(月)深夜から、『THE スピリット~闘魂レスラー発掘プロジェクト~』という番組が始まる。
(なぜかテレ朝系でなく、フジテレビ系である。)
そこでは、オカダ・カズチカが14歳から47歳(!)の練習生を直接指導する有様が映されるそうで――
出演者の一人みちょぱ(池田美優)からすると、
「内容がガチンコすぎて、引くレベルのすごいことをやっている」として、あまりの厳しさにドン引きしたという。
(⇒ オリコンニュース 2022年12月24日記事:オカダ・カズチカ、14~47歳のプロレス練習生をガチ指導 あまりの厳しさにみちょぱ&長谷川忍ドン引き) プロレスファンは、プロレスラーになるための練習がとんでもなく厳しいものだということについては、おおむねコンセンサスができている。
そうあるべきだと思っているし、何なら「練習の超常的な厳しさ」こそ、プロレスが最強の格闘技でなくなったのが常識化した現代において「プロレスラーの強さ」を示す最後の砦となっている感もある。 ところが、だ。
上記引用記事の数日前のオリコンニュースの記事、
上記引用記事をヤフーで読むとき表示される関連記事には、
その同じオカダ・カズチカが俳優の西島秀俊(51歳)に対し、
「すごい運動神経の持ち主!
今からでも二刀流で、プロレスラーという選択肢もアリなんじゃないかなと思いました」
と「プロレスデビューに太鼓判を押して」いるのである。(⇒ オリコンニュース 2022年12月20日記事:西島秀俊、主演ドラマでプロレスに挑戦 オカダ・カズチカも太鼓判「二刀流でプロレスラーの選択肢もアリ」)
https://www.oricon.co.jp/news/2261422/full/
うーむ、いったいどっちなのか。
プロレスラーになるにはドン引きするほど厳しい練習を続けなければならないはずなのに、
いくら運動神経がいいとしても、51歳の俳優が今からでも(それも俳優業との二刀流で)プロレスラーになれる、と……
練習生にドン引き練習を課している、当のオカダ本人が言っているのだ(笑)
もちろんこれには簡単な解釈があり、それはオカダの西島秀俊への太鼓判は単なるリップサービスであり社交辞令、営業言語だというものである。
しかし、もしそうでないとすれば――
辻褄を合わせるには、こう解釈するしかないだろう。
すなわち、
世の中には2種類のプロレスラーがいる。
「真のプロレスラー」と「即席プロレスラー」の2つが。
そしてオカダが「今からでもなれる」と太鼓判を押したのは、後者のプロレスラーの方であると。 もっとも、こういう言い方はどうしても悪口に聞こえてしまう。
よって言い換えてみると、
世の中には2種類のプロレスラーがいる、「出自が正統的なプロレスラー」と「非正統的なプロレスラー」の2つが……
とでもなるだろうか。
(これも、ニュアンスを正確に伝えているとは言い難いのだが。)
そして世の中のリング上では、ここで言う「出自が非正統的なプロレスラー」が実際に普通にプロレスラーとして活躍しているように見えるのも、また事実ではあるまいか。
それにしても俳優や芸能人が「プロレスに挑戦」した際、「今からでもプロレスラーになれる」と当のプロレスラーから絶賛される例は、本当に多い。
これは少なくともボクシングなど他のスポーツでは、まず言われないことである。 そしてまた、芸能人が本当にそのスポーツの選手としてデビューする例も、プロレスに比べればはるかに数が少ない。
これは良く言えば、プロレス界と芸能界の垣根は低い、ボーダーレスに近い、ということになるだろう。
ギリギリ中立的に言うならば、ここにもプロレスと他のスポーツを分かつ違いが見られる、ということになるだろうか。
何にせよ、確かにここにも、スポーツ界におけるプロレスの特殊性は現れていると言っていいだろう。
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