12月8日、全日本プロレスはジェイク・リー、イザナギ、TAJIRIの3選手が12月31日付で退団することを発表した。
(⇒ 東スポweb 2022年12月8日記事:【全日本】退団のジェイクが理由明かす「一度しかない人生だから、挑戦したい」) このうちイザナギは「中の人」の本籍が大阪プロレスなのだから、いずれゼウスの立ち上げた新生大阪プロレスに「戻る」ことは、多くの人が思っていたろう。
またTAJIRIは、もともとが風来坊というか、渡り歩くのが基本の旅レスラーというイメージを多くの人が持っているはずだ。
よってこの退団にも驚きはないし、次に移る団体もまたいずれ退団するだろうと、多くの人が思っているだろう。
しかしジェイク・リーはそれとは違い、全日本ファンにとっても痛恨の「損失」ではなかろうか。
私は勝手なイメージだが、
宮原健斗とジェイク・リーは、かつての新日本での棚橋弘至と中邑真輔ときわめてよく似たポジションにあったと思う――いや、そうあって然るべきだとも思ってきた。
だが確かに最近は、ジェイク・リーの存在は精彩を欠いていた、別の表現をすれば「煮詰まってきた」とも感じられてはいた。
今回の退団会見でジェイクは、
「(全日本の)50周年までは絶対に会社のためにやっていこうと思っていて、どんな条件でも反対しなかったというか、それに従う形で動いていました」
と述べているが、それは
(たとえ晴れやかな表情であったとしても)やはり不満の残る条件で働かされてきた、扱われてきた、という控えめなアピールである。そうとしか取りようがない。
おそらく今後は、参戦をラブコールされていた新日本のリングに上がるのだろうと思われる。
とはいっても、選手過剰の新日本――
同じく全日本からやってきたSANADAでも(試合のたびに解説陣に褒められながら)トップに食い込むには何年もかかったのだから、その前途は必ずしも明るく開けてはいない。
それにしても去年のちょうど今頃、全日本ではゼウス・野村直矢・岩本煌史の3名が退団している。
そのとき青柳優馬は、公然たるフロント批判も行なっている。
(⇒ 2021年12月28日記事:プロレス界の暗い年末-ジェイク欠場・奈七永退団・アイス大量離脱) そして今年も「中邑真輔」に匹敵すべきジェイク・リーが(WWEに行くのでもなく)退団するのだが、いったい
全日本には“将来を嘱望される有力選手”を引き留められない構造的な問題でもあるのだろうか。 まさかとは思うが、これで青柳兄弟や宮原健斗が退団したら、どうなるのか。
全日本がメジャー団体からインディー団体になって、もう何年も経つ。
大昔の「天龍退団」のときとは違い、有力選手が抜けたから下にいた選手が殻を破って抜群に伸びる、という(地上波テレビ時代の)公式は、そろそろ通用しないのではないか。
まるで別冊宝島や原田久仁彦氏のプロレス漫画のタイトルに付けられるような、「王道漂流」という事態にならなければ良いのだが……
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