9月25日の超RIZINで、朝倉未来(30歳)はフロイド・メイウェザー(45歳)に2ラウンドTKO負けを喫した。
試合は準ボクシングルールのスタンディングバウトで、攻撃手段は拳のみである。
そりゃこういうルールであれば、メイウェザーが勝つだろう。
おそらくこの試合を見ようと思った人の9割くらいは、この結果が初めから見えていたはずだ。
もっともその人たちも私も、1割くらいは朝倉未来が勝つ可能性もあると思っていただろう。
なにせメイウェザーは45歳。
格闘家としては絶頂期にあるはずの30歳の朝倉ならば、多少は勝つ確率もある……
とは思ったのだが、現実は甘くはなかった。
ところでメイウェザーは朝倉のことを知りもしないし研究もしなかったそうだが(しかしユーチューバーであることは知っていた)、またまたイージーファイトで大金を稼ぐことになった。
それにしても思うのは――
猪木VSアリ戦はその試合だけの特別ルール、
その後のプロレスラーVS元ボクシング世界王者の試合はおおむねプロレスルール、
であったのに比べ、この
現代では「メイウェザーを総合格闘技ルールでリングに上げる」というのを誰も試みないし、それを受けないメイウェザーを「逃げている」と非難するのも誰もしない、ということについてである。
考えてみれば、「高田延彦からの敵前逃亡」で著名なトレバー・バービックだって、メイウェザーと似たような立場・肩書であった。
しかしその頃と現在では、ボクシングの地位には天と地の差がある。
かつてはボクシングの元世界王者は(そんなに高くないはずのギャラで)日本のプロレスの一団体に概ねプロレスルールで参戦していたが、
今はものすごい額のギャラを受けてなお、ボクシングルールで総合のリングに上がればよい。
もうこの時点でメイウェザーの勝利だというのは、アントニオ猪木の異種格闘技戦を見てきた世代にははなはだ痛感されるだろう。
世界の格闘技界全体において、ボクシングは21世紀に入りはなはだしく威権を高めた。
対して日本の総合格闘技は、かつてのプロレスの地位にいまだ達していない。
元ボクシング世界王者を、ボクシングルール以外で自分たちのリングに上げる――
これができたとき初めて、日本の総合格闘技はかつてのプロレスを完全に超えたことになるだろう。
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