9月11日、スターダム横浜武道館大会のリングにフワちゃん(28歳)本人が上がり、10月23日のアリーナ立川立飛大会でプロレスデビューすることを発表した。
既に4か月間の練習を積んできたという。
(⇒ バトル・ニュース 2022年9月11日記事:フワちゃんがガチ練習を経て本格プロレスデビューを発表!「もう後戻りできないぞ!プロレスファンの皆が感動できるように頑張ります」 フワちゃんは芸能事務所に所属しない独立系お笑い芸人で、人気ユーチューバーでもある。
ついでに東洋大学の文学部・中国哲学文学科卒ということで、
いかにも東京女子プロレスの「チーム東洋大」(上福ゆき・桐生真弥)に加入できそうな学歴である。
(もっともスターダムからデビューするのだから、「東洋大対決」の方がずっと実現可能性が高い。)
さて、こういうことがあるとプロレスファンから必ず出てくるのが、「プロレスを舐めるな」という否定的意見である。
芸人が、つまりプロレスラーじゃなくスポーツ選手でもない人が、4か月とか半年の練習をした「だけ」でプロレスのリングに上がる。
これを「こんなことだからプロレスは舐められる」と、一部のファンは感じるのである。
なるほどこれは、普通の感覚とは言える。
およそプロスポーツの中で、そのスポーツをしたこともない人が半年の練習でプロ入りできたりプロの競技場で戦えるなんてことは、ほとんどなさそうなことだからだ。
だが、しかし――
これは別に悪口ではないが、
「素人」がプロレスのリングに上がると聞いて「プロレスを舐めてる」などと思う反応は、いったいいつまで続くのだろうか。
プロレスとは、昔からそんなことばかりやってきたジャンルのはずである。 芸能人・アイドル・グラドル・タレントがプロレスのリングに上がる、プロレスラーになる。
それは、昔から腐るほどよくあったことではないだろうか。
それでもまだそういうことを「プロレスを舐めるな」と否定的になるというのは、もはや狭量と言ってよいのではないだろうか。
それに考えてみれば、囲碁・将棋をやったこともない人が半年間練習したらプロを負かすようになるというのは、結構あり得ることである。
いや、およそ一人でやるスポーツであれば、テニスだって総合格闘技だってそれはあり得る。
なぜならそれらは、完全実力主義のはずだからだ。
そしてプロレスの実力とは、何だかんだ言っても集客力に帰結するのではないか。
少なくともそれは、プロレスラーの実力の非常に大きな一要素である。
何よりそんな「素人」を数か月の練習でデビューさせるのは、他ならぬプロレス団体自身なのだ。
いくら素人本人がデビューさせてくれと言ったって、団体がOKしなければ実現しないのはわかりきった話である。
さらに言えば、
特に女子プロレスの世界において、純粋プロレスラーと言ったってその内情は……
それこそ運動経験のない素人少女を数か月の練成でデビューさせるというのは、むしろありふれたことではないか? 少なくとも女子プロレスの世界とは、もともとそういうものである。
芸能人が数か月の練習でプロレスデビューするのを否定的に見るならば、女子プロレスの世界自体を否定しなければならなくなるのではないか――
と思うのだが、どうだろう。
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