6月19日、日本格闘技界「世紀の一戦」――那須川天心vs武尊をメインイベントとしたRIZINの「THE MATCH 2022」が東京ドームで行われた。
メインイベントでは天心が武尊を大差の判定勝ち(5-0)で下し、キックボクシング無敗のまま今後はボクシングの世界へ移行することとなった。
さてしかし、その勝敗よりもある意味注目だったのが、このイベントが「成功」と言えるものになるかどうか、であった。
何と言ってもイベント直前と言える時期になって、急遽フジテレビが地上波放送を行わないことを決定していたからである。
(⇒ 2022年6月1日記事:天心vs武尊、フジテレビ地上波消滅ー格闘技の反社会度) 結果として、このイベントは大成功であった。
来場観客は56,399人でチケット売上20億円、PPVは50万件以上で売上25億円、スポンサーからは5億円の収入があったという。
これはもう、プロレスはおろかボクシングさえ上回る成績であり、大成功のメガイベントだったとしか言いようがない。
しかしおそらく
最大の勝者は、このイベントを全戦生中継したabemaTVだろう。
フジテレビという地上波が抜けたおかげで、abemaTV(つまりサイバーエージェント社)は商業的な大勝を得た。
そして格闘技は、地上波テレビが付かなくても充分にやっていける、ということが現時点では証明された。(
まるで昔のUWFの再現だ、と思ったのは私だけではないだろう。)
とはいえ問題は、今後である。
今大会がこれほどの大成功メガイベントになったのは、那須川天心が地上波テレビで顔を売っていたからである。
しかし天心は今後はボクシングに行く。
となると次の「タマ」は、朝倉海・未来の朝倉兄弟になるだろう。
では、その次のタマは? と言えば、今のところそんなにいない。
格闘家のユーチューバー活動を低く評価するつもりはないが、やはり次代の「世間に顔の利く選手」を作るには、地上波テレビは何としてもほしいところだ。
もはや商業規模として、格闘技(日本ではキックボクシングと総合格闘技のこと)はプロレスを圧倒的に引き離した。
少なくとも、このメガイベントを見ればそうとしか思えない。
だがこの成功をどうやって継続するかは、全く予断を許さない問題である。
とはいえ
プロレスのしぶとさは有名だが、格闘技のしぶとさももはやなかなか年季の入ったものになっている。
(あのPRIDE-1の1996年からもう4半世紀を超えた。)
いずれまた格闘技は、そんなに遠くないうちに地上波復帰を果たすのではないか、というのが感想である。
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