6月12日、サイバーファイトフェス2022がさいたまスーパーアリーナで開催された。
そこで起こった3大事件と言えば、次の3つだろう。
(1) 武藤敬司(NOAH)が来年春までの引退を発表
(2) 小島聡(新日本)が潮崎豪(NOAH)を破りGHCヘビー級王者を戴冠
(3) 中嶋勝彦(NOAH)が遠藤哲哉(DDT)を掌打で失神KO まず(1)だが、武藤がかねて漏らしていた弱気と、この大会に向け“予告”していた重大発表とは、やはりストレートに引退の決意だったことがわかった。
しかし、NOAH移籍前どころかそれよりずっと前から「ふだん遠くへ行くときは車椅子を使っている」などとも言われていた武藤のこと、ここまでよくぞ持ったというのが正直な感想である。
それでも武藤も他のレスラーも彼は「生涯現役」と思っていたのだが、ついに来るべき時が来たということだろう。
ただ、
59歳という年齢は、むしろ「引退適齢期」だとも思う。
アスリートの引退適齢期が60歳前後だというのは異常なことではあるが――これに近いわずかな例外は、サッカー界におけるキング・カズぐらいのもの――、実際のレジェンドレスラーの引退年齢は、これよりさらに長い65歳前後にさえなっている。
そんな中、「予想外に」早かった武藤の引退は、惜しくはあるが動けるうちに現役を終われるという意味では、ファンにとっても良いことなのかもしれない。
次に、小島聡のGHC戴冠である。
これで小島はIWGPヘビー級(新日本)・三冠ヘビー級(全日本)と合わせ、メジャー3団体の最高タイトルを全て制覇した(経験のある)佐々木健介・髙山善廣・武藤敬司に続く史上4人目のグランドスラム達成者となった。
いやはや、所属の新日本では明らかにタイトル戦線に絡んでいないのに――
52歳になってGHCヘビー級挑戦者になるどころか、まさか奪取までしてしまうなんて、昔からの小島聡ファンにとってもビックリではなかろうか。
私の予想も、完全に大ハズレである(笑)(⇒ 2022年5月1日記事:2つのビックリ―門倉凛&北斗晶長男結婚と小島聡GHC挑戦) しかし、次の挑戦者となった拳王が言うように、まるで「NOAHは新日本プロレスの天下り先」みたいに見えてしまうのは避けようがない。
人によっては、有名な2000年代の新日本の「土下座外交」――外敵を招聘して、さらにその外敵に勝たせてしまう――を思い出しさえするのではないか。
なんとなくこれからの予想としては、次の拳王は(さすがに防衛回数ゼロでは格好がつかないから)小島が退け、
その次の清宮海斗、あるいは後に述べる中嶋勝彦が王座奪回を果たすような気がする。
だが普通、そういう展開はNOAHの中でやることである。
普通は、他団体しかも新日本の選手を噛まさないものである。
私にはあんまりそういうイメージはないのだが、やはり今のNOAHもまだ新日本の「助け」がいる状況なのだろうか……
そして最後が、(3)の中嶋勝彦である。
中嶋の新必殺技が(驚くほどの短期間で)「張り手=掌打」になったこと、それがサイバーフェスでも活用されるだろうことは、先日の記事で書いた。
(⇒ 2022年6月7日記事:中島勝彦の新必殺技「張り手」)
しかし、これほどまでに(アクシデント級であるほどに)鮮烈な形で本当に必殺技になってしまったのも、予想を超えることである。
もともとこのタッグマッチに中島勝彦が入ったこと自体、丸藤正道の欠場というアクシデントによるものだ。
それがもう、遠藤哲哉(現役のKO-D無差別級王者である)を失神KOまでさせてしまうことにより、一躍中嶋がNOAHの主役に躍り出た感がある。
小島聡からGHCヘビー級王座を奪回するのは、もう中嶋しかいない――と、NOAHファンのみならず大勢のプロレスファンが確信したことだろう。
今の状況では、それが一番説得力がある。
もしNOAHが団体として本当に苦境にあるにしても、中嶋一人が気を吐いているようにさえ見える。
ということで、「小島聡からGHCヘビー級王座を奪回するのは、中嶋勝彦である」と予想しておこう。
私の予想は、当たらないのではあるが……
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