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中島勝彦の新必殺技「張り手」

 6月12日、NOAHとDDTなどサイバーエージェント傘下のプロレス団体が集結するサイバーファイトフェスティバルが行われる。

 その前夜祭記者会見が、6月2日に行われたのだが――

 NOAHの筆頭選手と言ってもよい丸藤正道が怪我で欠場した代わり、中嶋勝彦が出場することとなった。

 そして中嶋は小峠篤司(本番の試合ではパートナーになる男)の会見中に「乱入」し、小峠の覚悟を問うて強烈なビンタ(張り手)を見舞った。
 
 もちろん小峠もビンタで応戦したのだが、しかし途中でまた一撃を食らい、後方へぐらつき倒れた。

 これで会見の雰囲気は一変したと報じられているが、それはネットで会見を見た人も同じだったろう。

 まさに目の覚めるような一撃というか、小峠の倒れ方はリアル極まるものだったからである。


 これは近年のプロレス団体の会見において、出色の出来と言うべきものだったのではないか。

 そして続く6月5日のNOAHアオーレ長岡大会では、中嶋は「張り手の連打」で稲村愛輝をKOしてしまった。

 決まり手が「張り手の連打」……

 これにより、もう中嶋勝彦の新必殺技は「張り手」ということになった。

 ほぼ全てのプロレスファンが、そう認知したに違いない。



 それにしても「張り手」である。

 これはもう「プロレス技」とも言えない、シンプル極まる「技」(とすら言えない攻撃方法)だ。

 中嶋勝彦は言うまでもなく佐々木健介の弟子で、佐々木健介の「必殺技」(と言うか代表技)もまた「チョップ」というシンプル過ぎる技だった。

 そしてさらに遡れば、あの力道山の代表技も「空手チョップ」というプロレス技とも言えない技であった。

(しかし今となっては、力道山の使った技の中で空手チョップ以外の技を言える人がいるだろうか?)


 ハッキリ言えば張り手なんて、誰でも素人でもできる。

 それは武藤敬司が腐した(それに反発して拳王が改めて自分の必殺技にした)フットスタンプより、さらにカンタンである。

 しかしプロレス界では、それでも目の覚めるような――観客をどよめかせる必殺技にできる。

 しかしまた、その「必殺技にできる」というのが、誰にでもできるわけではないのは明らかだ。

 中嶋勝彦は、それができるレスラーであることを立証した。

 
 「シンプル・イズ・ベスト」というのは誰でも知っている、そして誰でも「正しい」「当たり前」「言うまでもないこと」と思っていることではあるが……

 それでも我々は再三再四、折に触れて、そのことを再認識させられているような気がする。

 大一番を前に急遽代打で出場するに当たり、インパクト大の「新必殺技を開発」した中嶋勝彦――
 
 やはり端倪すべからざるレスラーであり、サイバーファイトフェスが一段と楽しみになってくるというものだ。
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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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