6月19日に、格闘技ファン待望の那須川天心vs武尊(K-1)をメインイベントとする「THE MATCH 2022」が行われる。
当然これは地上波放送されるはずだったのだが――
5月31日、
フジテレビは急転直下「この大会は主催者側(RIZIN)との契約に至らず、地上波放送しません」と公式サイトで発表した。
原因は不明とはいえ、直前に週刊ポストで報道された「反社会勢力とRIZIN関係者の繋がり」が真因である可能性が濃厚である。
むろんRIZIN側は、自分たちは徹底した反社チェックを受けたのであって潔白だ、フジテレビには考え直してほしいと会見を開いている。
おそらく格闘技ファンの感想は、「残念だ」とともに「またか」というのが半々くらいだろう。
思えばかつて隆盛を誇ったPRIDEの消滅も、反社勢力と主催者側の黒い繋がりを原因とした。
そしてまたまた、この有様である。
天心vs武尊の一戦は、フジテレビとしても放送したかったに違いない。
それでも直前になって放送中止としたのは、RIZINと反社の繋がりに確証を持ったから――
では必ずしもなくても、
ちょっとでも可能性(リスク)があるならリスク回避に舵を切る、という現代テレビ局のコンプライアンス意識を如実に示すものである。
もう今のテレビ局は、清濁併せ呑むような懐の深いメディアではない。
昔のテレビの放送内容は、今にしてみればヒドかった点が多々あると思うが、もはやそういうのが許される時代ではなくなった。
今回の放送中止決定は、フジテレビのそういう意味での本気度を、確かに強く感じさせる。
ところで、私には以前から気になっていたことがある。
それは、格闘技選手たちの対戦相手へのディスり度の酷さである。
いわゆる煽りVや記者会見での、対戦相手への悪口雑言の酷さである。
あれはもはや、たとえ格闘技界に反社勢力との繋がりが一切ないとしても、それ自体が反社会的と思われても仕方ないレベルではなかろうか。 そりゃあれは、「盛り上げる」ための景気づけとか扇情リップサービスみたいなものなのかもしれない。
本気で言ってるのではないかもしれないし、むしろ主催者側から「煽ってくれ」と頼まれている出来レースなのかもしれない。
しかし、あれを見て「こんな悪口雑言を言う不良連中が戦う姿なんて、子どもには見せられない」とか「自分はそんなの見たくない」と思う人は、決して少なくないと思うのである。
もう格闘技界の悪口雑言・相手へのディスり具合は、プロレス界でのそれをはるかに超える水準にある。
実際、テレビ局に「あんなのは不快」との意見が寄せられていないのが不思議なくらいではないか?
(いや、本当は寄せられているのかもしれないが……)
今の格闘技は、いや世間的・実質的にはRIZINは、「相手への酷い罵倒と卑しめ」が公然と許されている唯一のコンテンツだろう。
しかしそれも、いつまでも公然と地上波で許されているとは思わない方がいい。 社会の漂白化の波に「我関せず」として悪口雑言を続けていれば、また格闘技は地上波から追い払われてアングライベントに戻るだろう。
反社とはヤクザや暴力団だけでなく、反社会的な態度のことも言うのである。
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