『巌流島』は「押し出しルール」と「寝技の完全削除」を採用した。
これはもちろん総合格闘技を目指さないということであり、実際「立ち技格闘技」を標榜している。
だから巌流島がPRIDEの復活でないことに反発するのは的外れである。
では、なぜ、(そういう需要は強いのに)総合格闘技を選択しなかったのか?
それは結局、
「総合格闘技は(寝技があるから)面白くない」「テレビ受けしない」「俗受けしない」からである。 『ニッポン格闘技復興委員会』でもこの点はかなり強調されていた。
寝技格闘技の実践者や総合格闘技ファンには腹の立つことだろうが、しかしやはりこれは事実を言っているだろう。
普通の人は、よほどの動機がない限り(戦っている選手のファンだとか、その選手に何らかの理由で関心があるとか、自分が格闘技をやっているとか)、寝技の攻防をじっくり見ようとかまして楽しもうとはしない。
そんなのが延々と続けば普通はチャンネルを変える。
私はサムライTVで格闘技の大会中継を見ることもあるが、とても全部を関心と集中力を持って見ることはできない。
選手には非常に申し訳なく思うが、寝技に限らず膠着した展開になると、しばしばよそ見して他のことをする。あるいは録画なら早送りする。
まして格闘技に興味があるわけでもない一般人なら、ああいうのを通して全部見ろというのは忍耐の限度を超えているだろう。
また、まだこういうことを言うのは気が早いのだが、寝技の削除は今後の海外展開にも有利に展開するかもしれない。
はっきり言って寝技というのは、あまりにもたやすくホモセックスを連想させる体勢になりやすいからである。
格闘技自体が野蛮だから禁止する(こういう国・地域はかなり多い)というのはさておき、この点は特にイスラム圏において問題とされそうである。
もちろん私はプロレスの道場でどんな教えがされているか全く知らないが、ああいう体勢にならないようにとは言われているものと想像する。
また、世界中の格闘技でも、ああいう体勢になることは意図的に排除されていると思う。
世界には無数の格闘技があるのだが、考えてみればそのほとんどが立ち技オンリーだというのは示唆的である。
どちらがグローバルスタンダードかと言えば、明らかに立ち技のみの方なのである。 実行委員の誰かも言っていたが、寝技をなしにすることで、世界中のあまたのジャンルの選手たちを呼び集めるのが容易になる効果は確かにあるだろう。
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