9月22日、元女子プロレスラーの風間ルミが死去したことが判明した。享年55歳。
新型コロナによるものではない、あまりにも早すぎる死である。
風間ルミは1986年、ジャパン女子プロレスでプロレスデビュー。
正真正銘の美女レスラーの嚆矢とも言える存在だった。
そして、
そんな初期の人物でありながら出身はシュートボクシングという経歴は、ひときわ目を引くものだろう。
だが何といっても重要なのは、彼女がLLPWという女子プロレス団体の総大将、つまり本物の女社長であったことである。
女子プロレス団体といえども、会社としてのトップは男性であることが(今でも)ほとんどであるのに――
彼女のこの経歴は、時代を先取りしたと言っても言い足らない意義がある。
そしてこの女社長・風間ルミの率いるLLPWが(神取忍を擁して)全日本女子プロレスと抗争をしなければ、あの1990年代初期の女子プロレス対抗戦ブームはたぶんなかったか、あってもずっと小さい規模にとどまっていたと思われる。
そうなると、北斗晶を筆頭とするあの時代の女子レスラーはこれほどまでに世間に名を挙げることはなく、神取忍が参議院議員になることもなかったろう。
これを思うと、風間ルミの功績は偉大である。
いや偉大を越えて、日本の女子プロレス史における最重要人物と言っても過言ではないほどだ。
この人物がいなかったら、女子プロレス史はずいぶん変わっていた――それも間違いなく、史実よりもショボい方へ――はずである。 風間ルミはシュートボクサー(キックボクサー)からプロレスラーになり、社長になり、神取忍参院議員の秘書をやり、写真集を越えてAVにも出た。
これもまたマルチというか先鋭的というか、ここまで活躍の場の幅が広かったプロレスラーというのもそうそういない。
その思い出話は容易には尽きず、まだまだ聞けたはずである。
まだまだ聞けていなかったことが、夥しくあったはずである。
巨星墜つ、それも早すぎて墜つ――
本当に、残念でならない知らせだ。
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