大仁田厚に最も近しい選手としてプロレスファンには名高い、保坂秀樹が8月2日の朝に亡くなった。享年49歳。
2019年から治療していた大腸癌・肝臓癌によるものだった。
(⇒ 2021年8月2日記事:〝邪道の必殺技を最も食らった男〟プロレスラー保坂秀樹さん死去) それにしても、49歳である。あまりにも若い。
そして、毎年の週プロのプロレスラー名鑑を熟読している人にとってはともかくとして――
保坂秀樹が今まだ49歳であったというのは、多くの人にとって意外ではなかろうか。
私は何となく、とうに50代にはなっていると思っていた。
まだ40代であると思うのは難しいほど、長くインディー界で活躍してきた印象がとても強いのである。(皆さんも、非常に昔から活躍してきた印象を持っていると思う。)
保坂秀樹は、確かにエースとかスターとか言われる選手ではなかった。
大仁田厚のタッグパートナーと言うよりも、忠実な従者と言った方が最後まで的確に思えた選手だった。
しかし私はこれを、「エースになれずじまいだった」「スターの器ではなかった」などと腐すことはしない。
人にはそれぞれ適性があり、向き不向きがあり、性格がある。
将軍がいれば参謀がいて、小部隊長も兵卒もいるのが世の中である。
それは別に、将軍だから無条件にエラいというわけではないだろう。
そして
保坂秀樹が「バイプレーヤー中のエース」の一人であったのは、まぎれもない事実だと思う。
そういう人は(ご存じのとおり)プロレス界には何人もいるし、いてきたし――
そういう人がプロレス界以外の世界よりもずっとファンに評価されているのは、一つの救いでもある。
(バイプレーヤーはガン無視して、トップの行動や発言以外は報じる価値がないとする傾向は、最近の経済メディアなんかで特に顕著である。) プロレス界は、一人の名バイプレーヤーを失った。
しかも、こんなに若くして。
だがその戦歴は、60代で引退する平均的なレスラーよりずっと濃かったように思う。
本当に、残念でならない。
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