私は全然知らなかったが、プロレス業界では今年2月末に「アントニオ猪木死亡説」というのがやや広まっていたらしい。
猪木が自身のYouTubeで自身のリハビリ姿を公開したのは、そういうウワサを取り消す意味もあったとのこと。
(⇒ Wedge 2021年3月9日記事:世の中に「燃える闘魂・アントニオ猪木」が必要な理由) 全く言うまでもないことだが、アントニオ猪木もいつかは死ぬ。
そして今は78歳なのだから、その日が来るのが近いとしても何の不思議も意外もない。
だが、もしその日が来たら――
このブログでも何度か書いてきたことだが、
本当に「昭和が終わった」と実感する人は、他の人が死んだときよりずっと多いだろう。
長嶋茂雄も王貞治も、この点では猪木に及ばないのではないかと思われる。(⇒ 2018年7月2日記事:桂歌丸ついに死去-終わりゆく昭和の日々) もちろん猪木が現役引退したのは、1998年(平成10年)ではあるが――
しかし猪木が「昭和のプロレス」のスーパースターであったことは、誰も否定はしない。
そして猪木はまた明らかに、芸能・サブカル界の「80年代体制」の中にいる。
80年代体制とは、1980年代という「みんなが地上波テレビを見ていた」時代に地上波スターだった人は、今でも知名度と影響力を持ち続けるスターであり続けている、という体制のことだ。
(⇒ 2020年4月2日記事:お笑い「80年代体制」と志村けんの古典芸能) もしかしたら猪木は、この80年代体制の最大の受益者だと言えるかもしれない。
もし今の時代に猪木がプロレスデビューしていたら、それでも国民誰もが知るスターになっていただろうとは、いくら猪木の天才を賛美するファンといえどもちょっと思えないはずだ。
しかしだからと言って、猪木の株が下がるわけではない。
実際、
人の――主に男性の――人生を変えた・影響を与えたという点で、猪木に勝る80年代体制のスターはいないのではなかろうか。
その猪木が本当に死去したとき、本当に昭和は終わる。
そう感じる男性人口は、他の誰が死んだときより多いと思うのである。
- 関連記事
-
スポンサーサイト
- http://tairanaritoshi.blog.fc2.com/tb.php/664-2cbfa704
トラックバック
コメントの投稿