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塚本拓海のデスマッチ論は正しい、そしてデスマッチは危機に陥る、と思う

 週刊プロレスNo.2104号(2021年2月3日号)に、デスマッチファイター・塚本拓海のデスマッチ論が掲載された。

 塚本は1月2日に大日本のBJWデスマッチヘビー級王座を初戴冠し、

 さらにBASARAのユニオンMAX王座も保持している二冠王。

 その彼が提唱しているのは、要約すれば「脱・蛍光灯デスマッチ」である。

 同じことを唱えている人に、宮本裕向がいるのは周知のとおり。


 さて、私はかねがね塚本拓海はなかなかの「理知的ファイター」だと思ってきた。

 その彼の展開するデスマッチ論は、期待に違わぬ出来映えだと思う。

 その内容はもちろん週プロを読めばいいとして――

 ここでは私なりに、「デスマッチの危機」をミクロとマクロに分けて書いてみよう。


 まずミクロな面は、「蛍光灯の粉塵被害」である。

 蛍光灯が割れにくくなったから危険だ、破片がより危険化している、というのは(やっている本人たちが言うのだから)そうなのだろうが……

 しかし従来から、誰が見ても危険だと直感するのは、あの蛍光灯の粉塵だろう。

 これほどさんざん「アスベストの粉塵を吸い込んで中皮腫になる」なんて言われているのに、

 あんな蛍光灯の粉塵を年がら年中吸い込み続けて、デスマッチファイターは呼吸器疾患にならないのだろうか。

 いや、粉塵による健康被害は、時に数十年を経て発言する、というのも人口に膾炙した知識である。

 私は嫌な予感がして仕方ないが、あと二十年くらいすれば、かつてのデスマッチファイターらの間に呼吸器疾患が続出するのではないかと思う。

 それを防ぐため、脱・蛍光灯は良いことだと思うのである。

(もっともこれ、医師の意見を聞いてみたいところではある。)


 次に、マクロな面。

 これはもう、一般人がデスマッチを見たとき誰もが感じることだろう。

 それは、「こんなこと自分でやっといて、怪我して病院の世話になるのは許せない」という感覚である。

 いわば、「わざわざ雪山登山して、遭難してレスキューの世話になる人」に対する感覚、とでも言おうか。


 しかも今この現在は、コロナのせいで「医療崩壊」が云々されてもいる。

 そんなとき「こんなことして」病院に行く、医療リソースを消費する、なんてことは、許されざる大罪と世間から見なされても全然おかしくない。 

 (そしてデスマッチファンの人は、これにどう反論するだろうか。できないのではないか。)


 今デスマッチがそういう世間からの批判に晒されていないのは、

 幸か不幸かプロレス、ましてやデスマッチが、世間の目から遠いところにあるからである。

 あるいは一般世間からはマイナーすぎて、ネット世界の「叩き屋」みたいな人たちからは、叩き甲斐がないと見なされているのかもしれない。

 しかしそれこそ明日にでも、そういう「叩き」は始まるかもしれないのだ。


 変な言い方だが、デスマッチがこれからの世を生き残るには、「安全化」するしかないのではないか。

 塚本拓海は「僕には行く末が見えている。ケガ人続出」と言っている。

 私には見えるわけではないが、しかし本当にそう思う。

 そうなったとき、いつ世間の「叩き」の目がデスマッチに向けられるか、わかったもんじゃないのである。 



 さてそうなると、かの大仁田厚の始めた「電流爆破」は、安全性と派手さを兼ね備えた最良のデスマッチと見ることもできる。

 有刺鉄線でケガすることはあっても、電流爆破そのもので大ケガをすることはないのではないか。

 それでいて視覚効果と音響効果は抜群なのだから、もしかすると電流爆破という過去の産物こそ、デスマッチの未来なのかもしれない。

 ただ問題は、(通常は)電流爆破というのはデスマッチの一種とされておらず、別のジャンルと思われている。

 それどころか現代のデスマッチは、電流爆破に対抗するために生まれてきた面さえある。

 だからデスマッチファイターとしては、単純に電流爆破に先祖返り・軍門下りするわけにはいかないのだ。

 そこに、塚本拓海や宮本裕向、藤田ミノルらがどんな回答を出していくか……

 ものすごく難しい問題ではあるが、期待させてはもらいたいのである。

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[C90] 憲法改正を急ぐ理由を知って下さい

突然の書込み失礼致します。
この度は皆様に知って頂きたい事があり、誠に恐縮ですが書込ませて頂きました。

マスコミが大きく報じぬ中、連日中国の日本領海侵犯が増大し、尖閣侵略を狙っている現状を、中国に侵略虐殺を受けるチベット等と重ねて今多くの方にどうか知って頂きたいです。

戦後日本を弱体化させる為、アメリカが作成した日本国憲法施行後、韓国が竹島を不法占拠し、その際日本の漁船を機関銃で襲撃し、多くの船員が死傷しました。

北朝鮮は国民を拉致し、日本全土を射程に入れるミサイルを数百発配備しており、尖閣には中国艦艇が侵犯する現状でも、憲法の縛りで日本は国を守る為の手出しが何一つ出来ません。

現在まで自衛隊と米軍の前に中国や北朝鮮の侵攻は抑えられて来ましたが、米軍がいつまでも守ってくれる保証は無く、時の政権により米軍が撤退してしまえば、
攻撃されても憲法により敵基地攻撃能力が無い自衛隊のみでは、日本はチベットと同じ道を辿りかねません。

9条の様に非武装中立を宣言しても、平和的で軍事力の弱かったウイグル等を武力で侵略し、現在進行形で覇権拡大を行い「日本の領海を力で取る」と明言している中国や

核ミサイルで日本を狙う北朝鮮、内部工作を行う韓国が尖閣等から侵略の触手を進めているからこそ、GHQの画策により戦う手足をもがれた現憲法を改正し、

自立した戦力と抑止力を持たなければ国民の命と領土は守れないという事を、
中韓側に立ち、印象操作で国民を煽動する野党やメディアの姿と共に
一人でも多くの方に知り目覚めて頂きたいと切に思い貼らせて頂きます。
https://pachitou.com
長文、大変申し訳ありません。
  • 2021-01-25 18:40
  • aki
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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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