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「NOAH、日本武道館へ帰還」と「ここで武藤敬司を起用」の意外

 12月6日、NOAHの年末ビッグマッチ、国立代々木競技場第2体育館大会があった。

 そこでかねてから予告のあった「重大発表」とは、大方の予想どおり――

 来年2月12日、日本武道館で(10年ぶりに)大会を開催する、ということであった。

 これについては何年も前から拳王が、「オマエらをあそこに連れて帰ってやる」と何度も言っていたものである。

 しかしそれもファンの間では、まだまだ当分難しいと思われていたはずである。

 いや、NOAHが武道館で大会を開くなんて、もう二度となさそうだと思っていた人も少なくないはずである。


 だが、こう言っては何だが、このコロナ禍が状況を変えた。

 一時期のドン底期に比べれば、復活著しい今のNOAHにとっても、やっぱり普通なら日本武道館を観客で埋めることは無理だったはずだ。

 しかしソーシャルディスタンス仕様となれば、たとえ客がそんなに入らなくてもよい。

 そしてまた、(私はよく知らないが)会場使用料だってずいぶん安くなっているはずである。



 どうやらNOAHはまたしても、コロナ禍という逆境をチャンスに変えることができたようだ。

 そりゃこのコロナ禍だから日本武道館に再進出できるだろう、と冷めた見方をされるのは仕方ないとしても……

 それでもNOAHが「聖地奪還」「聖地に帰還」する、というイメージは、ファンとレスラーの士気を上げるに違いない。

 さらに拳王について言えば、確かに「公約」を果たしたことにもなる。

 もしこのコロナ禍がなかったら、拳王は40歳を過ぎても「できもしない公約」を言い続けている、などと悪口を言われていたかもしれないのだ。 


 さて、そこで――

 今大会で杉浦貴を下してGHCヘビー級王座を防衛した潮崎豪への次なる挑戦者、

 すなわち日本武道館大会でのメインイベントに出場する者が、あの武藤敬司になったことについてである。

 ハッキリ言って多くの人が、「なぜここで武藤敬司?」と思ったのではなかろうか。

 武藤敬司は、むろんビッグネームである。

 しかも今でも、試合で負けることはただの一回もない。

 それどころかタッグマッチで彼が入っていれば、フォールを奪うのは彼だとほとんど決まっているようなものである。

 そういう意味では、挑戦者にふさわしいと言えば言えるが……

 しかし残念ながら、「NOAHの未来を感じさせる」ような王座挑戦者であるかと言われれば、誰もが内心首を振りそうではないか?

 なるほど武藤には「新日本のIWGPヘビー級も全日本の三冠ヘビー級も獲ったが、GHCヘビー級だけはまだ獲ってない」という挑戦の理由付けもあるが、

 じゃあもしGHCヘビー級王座を獲ったら、その後はどうなるのか・どうするのか?という疑問に答えるには至らないのではなかろうか。 

 そういうことで、誰もが予想しているだろう――

 日本武道館での潮崎vs武藤戦は、潮崎が勝つだろう。

 たとえ武藤が勝っても、それは短期政権に終わるだろう、と。


 武藤敬司が(唐突ながら)次の挑戦者になるというのは、NOAHが日本武道館に帰還するために支払う代償のようなものかもしれない。

 abemaTVは、やっぱりこんな「冒険」ないし「打ち上げ花火」をするからには、世間にネームバリューのあるビッグネームの投入が必要だ、と判断したということかもしれない。

 はたして“プロレスリングマスター”武藤敬司は、そういうファンの先入観をひっくり返すような試合を見せてくれるだろうか。

 対する潮崎豪については、そういう試合をしてくれるという予想ができるようになっている。

 なんとなれば潮崎豪はこの1年間、コロナ騒動のプロレス界の中で、最も株を上げた一人だからである。 


 コロナという状況下で聖地奪還を決め、上げ潮に乗るNOAHと潮崎豪。

 それに“花を添える”と言っては語弊があるが、いったいもし勝ったら今後どうなると言うんだろう……と疑問を抱かせる、プロレスリングマスター武藤敬司。

 こここそ武藤がプロレスリングマスターの真髄を見せるときである、と言っても過言ではないだろう。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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