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なぜイジメ自殺は…その11 現代日本の七不思議の一つ――まだ、教師になりたがる人がいる!

 私は、学校の先生になりたがる人がまだ存在することは、現代日本の七不思議の一つだと思っている。

 それは驚異的なこととも言える。

 これだけイジメのニュースが連日報道され、その全てのケースで教師と学校がボロクソ非難されるというのに、どうしてそんな地雷原にわざわざ職を得ようとするのか。

 なるほど、どんな職に就こうともどこかに地雷は埋まっていよう。クレームを付けられる種はどこにでもあるだろう。

 しかし学校教師という職は、他のどの職よりもその可能性が高いと思える。

 少しでもネットでニュースを見る人なら、ほんのちょっとの想像力があるのなら、そんなことは簡単にわかりそうに思える。

 わざわざ望んでカンボジアの郊外を散歩しようとする人、イスラム国の支配地域へ旅行に行こうとする人に見える。


 もしかしたら教師志望者とは、情報弱者なのだろうか。リスク管理意識がないのだろうか。

 たとえ他人には起こっても自分の身には起こらないと思う人、そういう目に遭う実感を覚えられない人なのだろうか――

 そんなことさえ感じてしまう。



 資料編の事例(4)で、教師はイジメ防止のためにクラスの生徒全員の指紋を採った。

 私はこれが、実効性のある措置だったとは思わない。

 どうせ自分で指紋照合はできないのだし、それをするなら警察に持っていくしかない。しかし警察はそんな分析を断るだろう。

 だったら指紋を集めたって何にもならない。

 しかしこの教師は、ともかくもイジメ防止のために何らかの行動を起こした。

 そして指紋集めは実効性はないだろうが、確かに抑止効果はあると思う。

 自分に足が付くかもしれない、そう思うだけで物理的なイジメを止める子どもはいると思う。


(手袋を嵌めてやればいいのだが、たったそれだけのことでも「そこまでしてなぁ……」と気が引けるところが人間にはあるのだ。)


 
 ただし、指紋を採るというのはやはり下策と言わねばならない。

 人間は(日本人は、と言うべきかもしれない)、指紋を採るということに無条件に反感を掻き立てられるのである。

 それは、人を犯罪者扱いする人権侵害と容易に受け止められる。

 かつて在日外国人の「指紋押捺」がそういう風に問題にされたことを、覚えている人も多いだろう。

(だから私は、仕事で文書を出す時も「捺印をお願いします」と書かず「押印をお願いします」と書く。

 「捺」という漢字と読みには、どこか日本人の心に悪くセンシティブに響く――という雰囲気があると思うからだ。)



 だが、これが下策と言うのなら、他にどんな方法が考えられるか。

 おそらく大多数の人が挙げるのは、端的に言って「精神訓話で生徒たちを改心させよ」ということである。

 人はそれが教師の使命であり仕事だと言うだろう。

 それができなきゃ教師じゃない、教師の資格と能力がないとか言うだろう。

 しかしそう言っている人は、普段は「精神訓話」なんてバカにしている人たちである。

 「精神論」という言葉を、他人に対する批判・悪口にしか使わない人――「精神論=悪」と思っている人たちである。


 そしてまた、学校教師を教会牧師などと同じに見なしている人たちとも言える。


 言うまでもなく、教師とは学問・勉強を教える人である。その専業者であるべきである。

 魂を善導するなどということは、決して彼らの専業でもなければ得意分野でもない。

 そりゃできるに越したことはないだろうが、苦手だからといって別に苦にする/非難するようなことでもない。

 しかしなぜかこの日本では、教師とはそういうことをすべき職業と見なされている。

 「学校の先生は、勉強を教えるだけの存在であってはならない」とするのがスタンダードな意見(雰囲気)でさえある。

 これは学校教師に限った話ではないが、どうも日本人は

「何でもやって当然、何でもやれなければならない。何でもやることこそが『仕事』」

とする観念が、非常に(異様に)強いようである。

(ただし、ここでも「自分だけは例外」原則は働いている。)


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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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