6月27日、全日本からDDTへ「レンタル移籍」すると発表された秋山準だが……
実は全日本のフロントから、社長・取締役・コーチ役(GM職)を解任されていたのだ、と本人が明かした。
福田社長によると、後任コーチはTAJIRIであるらしい。
(⇒ 東スポweb 2020年6月27日記事:【DDT】レンタル移籍の秋山準 全日本プロレスの取締役とコーチから解任された事実を明かす) この「真相」について、プロレスファンのほとんどは否定的反応だと思う。
次のコーチ役がTAJIRIだというのに文句を付ける気はないが、
最後の四天王であり王道継承者(とされている)秋山が、
よりにもよって経営陣としてだけでなくコーチ役として「解任」されるなんて……
と、ほぼ100%のプロレスファンが思うのではなかろうか。
もちろん私は全日本の内幕なんて知るわけないが、察するに――
秋山準のギャラは、今の全日本の経済力からすれば、やや高すぎたのではあるまいか。
それも秋山の解任はコロナショック前のことなので、コロナショックがあろうとなかろうと、全日本の台所事情は予断を許さないものがあったと思われる。
当然ながら福田社長も、秋山の「商品価値」は充分にわかっているはずである。
少なくともプロレス界では、「秋山の存在=ジャイアント馬場の王道継承」というイメージがある。
そのブランド力は、少しばかりのカネには替えがたいものがある。
一方の秋山もまた、『巨星を継ぐもの』という本を自分の名前で出している(巨星とはむろん、馬場のことである)くらいなので――
自分が全日本にいる「メリット」は、よくわかっているはずである。
しかしやはり、若手を教える役まで外されるという「居場所がなくなる感」というのは、そんなメリットを上回って消化しがたい、ということなのだろう。
そしてまた、よく「ベルトの価値は、ベルトを巻くレスラーによって決まる」と言うが……
「王道継承」というイメージもまた、団体ではなく個人に付いてくるものなのかもしれない。
すなわち王道というイメージは、可搬的である。
この点で全日本のフロント陣と秋山個人とでは、どうしても秋山の方に分がある。 またこれは、秋山の移籍により、「ジャイアント馬場の王道は、なんとまあDDTに移行した」ということにもなる。
(もちろん全日本には、不動の最後の砦である渕正信がいるのだが……)
いったいこんなことを、誰がDDT旗揚げのとき予想したか。
どうやら今回の移籍劇、
私がつい先日の記事で書いた「DDT・NOAH・全日本の対新日本大連合」というわけではなく、
「DDTが王道エッセンスをも取り込んだ」と整理した方がいいようである。
またその裏にはもしかしたら、サイバーエージェントの豊富な資金力(秋山に相当のギャラを用意できる)があるのかもしれない。
おそらく新日本は、その親会社のブシロード(の格闘部門)は、
DDTと高木三四郎及びその親会社サイバーエージェントの動向を、
やや不気味な思いを持って眺めているのではなかろうか……
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