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なぜイジメ自殺は…その8 未開部族の抱く観念――「先に生まれた」「先に入った」から「上」である?

 上司・上官・先輩とは何だろう。

 上司が上司であるのは、ただ便宜上の話である。

 上官の命令に服従するのは、やはり便宜のためである。

 彼らは決して全人格的に、根源的に「上」の人間であるのではない。

 これは誰にもわかりきっているのだが、なぜか人はこれに下克上的な――つまり反道徳的な匂いを嗅ぎ取る。


 上司・上官・先輩たちに大概の場合共通するのは、彼らが人より「早く生まれたこと」「早く入ったこと」である。

 ただそれだけで「上」に扱うべきだというのは、控えめに言っても奇妙な観念である。

 我々は実力主義を正しいとも思っているのだが、それとの折り合いの付け方もよくわからない。

 「先に生まれた/入った者が上である」という概念は、いかにも未開部族にありがちな観念・迷信にも似ている。

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 一方、職場とは生活費を稼ぐための場である。

 そこに集う人は、別に何かしらの理念に共鳴してそこに入ったのではない。

 そうでないと言う人は、「空想社会主義者」ならぬ「空想仕事主義者」だと思う。

 学校もまた同じ――それは理念で集うのではなく、たいていの場合は一定地域の子どもが集まっているだけである。

 たとえ受験で入る学校でも、「同志」だから同じ学校を受験しているのでないことは明白だろう。

 職場も学校も、決して「同志会」ではない。

 しかしなぜか同志会のようなものとみなされ、そうあるべきだともされている。


 我々はここで、そしてどこでも、「絆」や「繋がり」を捏造(ねつぞう)しているわけである。



 「生まれた順番が先なら上」、「入った順番が先なら上」、「同じ場所にいれば、とにかく繋がりがある」と言うことは、

 前世からの縁(えにし)や輪廻転生がある、と言うのとほとんど変わらない性質の話である。

 むろん、こういう話を信じる人は世界中に分布する。

 だからといってそれが正しいわけではない。(ただし圧倒的大多数が信じれば、それは人間界で「正しい」ことになるが)

 もし自分以外もそう思え、そう思わないのは非道徳的だとしたければ、それが宇宙の根源的な真実なのだと他人を納得させる必要があるだろう。

 しかし、そんなことはできはしない。

 人間はあくまで生物の一種である。

 そこらに生きる生物同士に前世からの絆などないのと同様、人間にも、元からの繋がりなどありはしないのである。


 (生態系という意味での繋がりはもちろんある。しかしそれは、ここで問題にしている繋がりとはまるで別種のものである。)

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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