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拳王のフットスタンプ論-「誰でもできる」フットスタンプは最凶技の一つ

 最新の週刊プロレスNo.2038(2019年11月20日号)の連載コラムで、拳王がフットスタンプについて語っている。

 10月22日のNOAH浜松大会で、拳王は「相手にタイガースープレックスホールド中の」清宮海斗にダイビングフットスタンプを決め――

 それで頸椎捻挫した清宮が1週間の安静加療を要したことにつき、拳王に対し「プロ失格」などと批判があったことを受けて、である。

 その中で拳王は、

「昔、武藤敬司が「フットスタンプなんて誰でもできる」と否定していた。 

 それを根拠に、プロレスファンが玄人臭を出すにはフットスタンプを否定すれば良いみたいな風潮がある。

 しかし違う。

 フットスタンプで内臓破裂させるなんて素人でもできる。

 しかしプロはそのサジ加減ができる。」


 と続けている。

 これには私も同感である。

 だがそれにしても、自分がプロのプロレスファンだと見られたいからフットスタンプを否定する、なんてプロレスファンが本当にいるのだろうか?


 何を隠そう、私が数あるプロレス技の中で最高度に危険だと感じる技の一つが、フットスタンプだ。

 あれ、プロレスファンの多くは、内心いつも思っているはずである……

 あんな上から飛んでこられて腹を足で踏まれてるのに、内臓破裂まではしないにしても、あまりの痛さで試合続行不可能になることがないのは不思議だと。

 そして私が中でも最も危険だと思うのは、(拳王には悪いが)伊藤薫のフットスタンプだ。

 あの伊藤薫のものすごい巨体でフットスタンプをやられて(しかもやられるのは女子)、吐瀉物を漏らしてしまうレスラーがいないのは不思議である。

 もっともどこかのインタビューで伊藤薫は、「あれにもコツがあるんです」と言っていた。

 そのコツを掴む練習をどうやってしているのかは、プロレス界の隠れた七不思議の一つではあるまいか。



 もし私がそれなりのガタイを持っていてプロレスラーになりたいと思っていたとしても、あの(特に伊藤薫の)フットスタンプを見ただけで、断念してもおかしくないと自分で思う。

 そしてまた。武藤敬司には悪いのだが――

 フットスタンプが誰でもできる技というのなら、シャイニングウィザードもまた誰でもできる技とは言えまいか。

(実際、とても多くのレスラーが使っている。)


 四の字固めさえも、他のたいていの技は全て、「練習すれば誰でもできる」技とは言えまいか。

(そういえば、プロボクサーの真似事だってそれこそ誰でもできる。)

 
 将棋だって囲碁だって、ルールさえわかれば確かに「誰でもできる」ことである。

 だかそれを、高度なテクニックでやれるのをプロという。

 はたして本当に、フットスタンプを「あんなの誰でもできる。プロの技じゃない」と否定しているプロレスファンは実在するのか。

 もしいたとしたら、それは非常に痛々しい光景ではないだろうか……






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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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