今この瞬間、業界で最も注目されているプロレス団体と言えば、スターダムとアイスリボンである。
もちろんそれはつい先日、日本史風に言えば「ジュリア騒動」が起こったからだ。 スターダムに至ってはそのわずか4日後、新日本プロレスを傘下に収める(株)ブシロードの傘下に入ることを発表した。
(つまり、新日本とスターダムは兄妹団体となった。)
スターダムとアイスリボンは、大袈裟に言えば激震・激動の只中にある。
それに比べれば、プロレス界もプロレスファンも全然騒いでおらず、ほとんど話題にもされていないかのような出来事がある。
それは何かと言えば、NOAHに対する長州力と田村潔司の関わりが公然と目立ってきた件である。 いまやNOAHの拳王と言えば、日本プロレス界における「反体制派」の代表だろう。
そのキメゼリフ化した「親会社のリデットエンターテインメント」の取締役会長は、長州力である。
加えてこの11月1日からは、あの田村潔司が社外取締役及び「エグゼクティブディレクター」に就任する。 長州力と田村潔司が同じ団体(会社)にいる、しかも両方がその役員である――
まずこれからして、昔からのプロレスファンにとっては異様な組み合わせだろう。 「交わることがないと思われていた」とはプロレス界で実に頻繁に聞くフレーズだが、その代表例は何かと言われれば、「長州力と田村潔司」というのも充分にその候補の一つである。
最新の週刊プロレス11月6日号(No.2036)では、それについての田村潔司のインタビューを掲載しているが――
なんとなんと、
NOAHでUWFスタイルの試合を行うことさえも視野に入れているようだ。
かつて中邑真輔はその著書のオビで「史上最も難解なレスラー」と書かれていたが、
田村潔司もまた、歴代の難解レスラーの一人であるのは大方の同意が得られるだろう。
(しかし本当に最高に難解なレスラーは、前田日明ではないかと思う。)
田村はこのインタビューの中で(NOAHの試合について自身のYouTube番組で)、「優勝した選手にレフェリーがトロフィーを渡す、それはないだろう」と言ったことを語っている。
正直なところ私は、優勝した選手に「レフェリーが」トロフィーを渡すことに違和感を全く感じない人間である。
そしてたぶん大多数のプロレスファンは、私と同じく、別におかしなことだとは思わないのではなかろうか。 そういう点の感性が違うから難解なのだ、とは言わないが――
確かに田村潔司という男がフツーの人とは違う感性ないし信条を持っているのだろうということは、わかる気がする。
それにしても長州力と田村潔司が交わる、それもNOAHで交わる、というのは――
プロレス界的・プロレスファン的に、とても大きなインパクトを持つ出来事のはずである。
にもかかわらず、(少なくとも私には)特に騒がれている様子が感じられない。
これは、なぜなのだろうか。
NOAHは静かにスゴいことになっている、なりかけている、と思うのだが、皆さんの感想はどうなのだろうか。
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