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ブシロードがスターダムを買収-プロレス界21世紀最大?の事件発生

 オドロキの電撃発表である。

 10月17日に(株)スターダムの会見が開かれ、新日本プロレスの親会社である(株)ブシロードがスターダムを買収し傘下に入れることが発表された。

 もちろん、スターダムのロッシー小川社長とブシロードの木谷高明オーナーが同席の上である。

(⇒ バトルニュース 2019年10月17日記事:【会見全文】スターダムがブシロード傘下へ!大田区総合体育館大会や海外イベントでの試合が決定!ロッシー小川はエグゼクティブプロデューサーへ)


 さて、こんなことが起こると予想していた人は手を挙げて。

 もちろん私は、こんなこと予想もしていなかった。

 それも例の大事件、アイスリボンのジュリアが(円満退団せずに)スターダムへ電撃移籍(準移籍だ)するという事件の直後に、である。

 もっとも後知恵で振り返って見れば、予兆らしきものはあった。

 今年、新日本プロレスが初めてアメリカのマディソン・スクエア・ガーデンで主催興行を行った際、日本の女子選手として唯一スターダムの岩谷麻優が参戦していたのは記憶に新しい。

 今から思えばあれは予兆だったのだが、だからといってあの時点で今回のことを予測できた人というのは、まずウソツキと見て間違いない。

 
 そして木谷オーナーだが――

 女子プロレスを「会場で見たら平均年齢40歳超えてるんじゃないですか? それぐらい若い人いない」

 と、相変わらずハッキリものを言う人である。(笑)


 これは本当にそのとおりで、スターダムにせよ他の女子団体にせよ、サムライTVの中継に映る観客席には中年以降の男性がほとんどだということには、視聴者の誰もが気づいているだろう。

 あんまりこういうことは言いたくないが、そういう光景自体が、若い男女が女子プロレスを見ることを妨げている――

 ばかりか、もう女子プロレスを見るということ自体をバカにしたり薄ら笑いを浮かべたりする一因になっているということを、否定することは難しい。

 
 そしてもう一つ気になった木谷オーナーの発言は、

「会見では言わなかったですけど、やっぱり2年間が勝負だと思います。

 2年で一気に上げなきゃだめ。売上2億程度ですが2年で3倍の6億にしたい。

 2億を10億にしたら5倍じゃないですか。新日本も10億ちょっとから前期54億まで行って5倍になってるんですね。」


 というものである。

 私が読み間違えていたら申し訳ないのだが、これって「今のスターダムの売上が2億円程度」という意味なのだろうか。

 正直私には、今のスターダムが売上2億円あるというイメージは全くなかった。


 本日現在、スターダムの公式サイトに「選手紹介」で掲載されているのは24人。

 仮に1人平均で年間給与(報酬)400万円とすると、24人×400万円で9,600万円。 

 これに社会保険料などを加えて1.5倍すると、人件費は1億4,400万円。

 さらに会場使用料や何やかやの費用が加われば、なるほど2億円近くはなろう。

 おそらく赤字経営にはなっていないはずなので、確かに売上が2億円くらいあってもおかしくはない。

(もっとも、選手1人平均の年間給与が400万円というのは高く見積もりすぎかもしれないが。)


 たぶんブシロードの、木谷オーナーのスターダム発展作戦とは、新日本でやったのと同様の広告攻勢なのだろう。

 山手線の電車に今度はスターダムの選手写真をラッピングする、とかである。

 2匹目のドジョウはいないとよく言うが、しかしやっぱりこの攻勢は成功するのだろう。

 しかも2年間でそれをやるというのだから、それは「怒濤の」と言っていいくらいの攻勢になるはずである。


 ああ、かのメガネスーパーが「金権プロレス」と叩かれた時代は遠し……

 もはや時代は、完全なる「企業プロレス」のものである。

 新日本とスターダムは、日本における企業プロレスのトップランナーとして大躍進を遂げることになる。

 あのNOAHの拳王すら、キメゼリフの如く「親会社のリデットエンターテインメント!」と言い続けることで、プロレスの企業化の一翼を担っている。


 今回の「ブシロードがスターダムを買収、女子プロレスに進出」という事件は、疑いなく2019年プロレス界最大のニュースである。

 それどころか今のところ、21世紀最大のニュースとも思える。
 
 これに匹敵するのは、まさに同じブシロードが新日本プロレスを傘下にしたことくらいだろう。


 ところで今のところ木谷オーナーは、スターダムと新日本プロレスを日常的に絡ませることは考えていないようである。

 「別々のコンテンツ(つまり新日本の男子プロレスと、女子プロレス)のファンは、それらが混ざり合うことを嫌うから」というのがその理由らしいが……

 しかし、男女混合タッグマッチ(ミクスドマッチ)の実施や、そのトーナメントや王座新設には、大いに需要がありそうな気がする。

 少なくとも今のNEVER6人タッグ王座よりは、需要と「見てみたい感」があるのではなかろうか。


 またそうしなければ、端的に言えばテレ朝のワールドプロレスリングに映すようなことをしなければ、スターダムの選手の知名度を一助にならないだろう。

 いや、たぶん、そう遠くないうちに、新日本にはミクスド王座が新設されることになる――

 と、いちおう予測しておく。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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