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ジュリアの電撃退団&移籍-プロレス版「敵対的買収」の波紋

 10月14日には新日本・両国大会KINGofPRO-WRESTLINGがあったので、そのことを書こうと思っていたが――

 しかし、プロレス界にはそれをも上回る事件があった。

 アイスリボン所属選手であったジュリアが電撃退団し、すぐさま14日のスターダムのリングに上がって参戦表明したのである。

 
 このニュースを聞いて、混乱したプロレスファンは少なくなかっただろう。

 あれ、アイスリボンを退団するというのはテキーラ沙弥ではなかったか?

 いや、そうでなくジュリアだったのだ。

 整理すると、テキーラ沙弥が10月13日の大会をもってアイスリボンを退団するというのは、以前から決まってきたことである。

 しかし今回の台風19号の影響で、大会自体が中止になってしまった。

 結果、テキーラ沙弥の引退は先延ばしになった形である。

 そしてジュリアは、そのテキーラ沙弥の正パートナーとしてタッグを組んでいた。

 もちろん、彼女が退団するなどという話は一切出ていなかったし、本人も一切匂わせてはいなかった。


 ジュリアは10月14日の自らのツイートで、10月13日付でアイスリボンを退団したことを突如発表した。

 対するアイスリボン側(アイスリボンの運営会社社長の佐藤肇 氏)は――

 退団の申し入れがあったのはまさに10月13日で、今後のジュリアの大会出場予定も決まっているし、今後の調整をしようとしていた矢先にこんなツイートをされ混乱している、とツイートしている。

 団体の公式コメントとしては、ジュリアが退団の申し込みを初めてしたのは10月13日、そしてジュリアは10月13日付での退団を強硬に主張し話し合いは平行線のまま交わらず、その最中に本人が勝手に退団ツイートをした形らしい。

 さらにアイスリボンの顧問みたいな立場にある豊田真奈美は、


「炎上覚悟で言いますけど、今回のジュリアの行動には黙ってられません

 物事には順序って物があるだろ

 あなたが自分だけで成長して来た訳じゃない

 それだけはわかって下さい

 調子に乗るな

 アイスリボンはあの団体とは違ってきちんとしてる団体だから話し合えばきちんと送り出します」



 と怒りのツイートを放っている。

 要するに円満退団などでは全然なく、ハッキリとした敵対的退団かつ移籍である。

(正確にはジュリアはスターダムに移籍・入団してはいないが、しかしそうしたも同然である。)


 それにしても、豊田真奈美の怒りは強烈である。

 ジュリアへの怒りはともかくとして、「あの団体」としてスターダムをほとんど名指しし、きちんとしてない団体だとも言っている。

 これは間違いなく、現スターダムの赤いベルトの王者であるビー・プレストリーが豊田開発のジャパニーズ・オーシャン。サイクロン・スープレックスを「無断使用」し、

 今は「クイーンズ・ランディング」という技として完全に定着させてしまったことへの怒りがなせる業である。

(⇒ 2019年3月25日記事:豊田真奈美の怒る「技の無断使用」問題について)


 さて、ジュリアだが――

 彼女の中で、10月13日に突如として退団の衝動が湧き上がり、何が何でもその日のうちに退団したいというどうしようもない気持ちになった、ということがあり得るだろうか。

 もしその日にテキーラ沙弥の引退大会が中止にならなかったら、いったいどうなっていただろうか。

 もしかして、そのリングの上で完全に独断専行で「私も本日退団します!」とマイクアピールしたのだろうか。

 そしてスターダムのロッシー小川社長の方も、翌日10月14日に初めてジュリアからスターダムに上がりたいという話を聞き――

 その日の大会のラストに本当にリングに上げて挨拶させるなどということを、常識的にやるものだろうか。

 そのどちらの言い分も信じられない、というのが、プロレスファンのみならず普通の世間の感覚というものだ。


 おそらく、というより普通に考えて――

 ジュリアがかくも強硬に13日付退団(つまり即日退団)を主張したとすれば、それは「そういう約束があったから」である。

 前の職場との契約を解消し、少なくともそういう面では転職先に迷惑がかからないようにするためである。 

 それはわかるのだが、ではなぜそれが10月14日のスターダム大会に間に合わせる(というか、前日という超直前の)タイミングでなければならなかったのか、というのは全くわからない。

 ジュリアは確かに美形で人気があるが、しかし大物選手とは言えないだろう。

 そんなことまでしてスターダムに迎え入れるほどの理由は、正直言って無いように見える。

 しかも、その迎え入れるスターダムというのは――

 最近の週刊プロレス誌上でさえ「選手間に考えのすれ違いがある」などと、人間関係の軋みを公然と書かれるような状態にあるのだ。



 繰り返しになるが、はたして台風19号という偶然の出来事でテキーラ沙弥の引退大会が中止にならなかったら、ジュリアはどうしていたのか。

 なぜスターダムは、ロッシー小川社長は、そうまでしてジュリアを受け入れたのか。

 これは部外者にとって、全くの謎である。


 ただ言えるのは、自団体のみで他団体と交わらない方針のスターダムは、本当に他団体との関係が悪くなっても気にしないらしい、ということである。

 特にアイスリボンに対してはハッキリと敵対的で――

 ビー・プレストリーが豊田のジャパニーズオーシャンを無断でパクったのに続き、そしてそれよりはるかに重大な今回のようなことを、まるでわざと宣戦布告のようにしてやってのけるということである。


 そしてもう一つ言えるのは――

 当たり前のことだが、アイスリボンの人間関係にもやはり綻びはある、ということだ。

 プロレスでハッピーと言ったって、むろん人間集団である以上、本当に心底からハッピーばかりではないということである。

 少なくともジュリアは、ハッピーどころではなかったのである。


 あるいは、こうも考えられる――

 人間関係に我慢ならなくなったジュリアは、一刻も早くこの団体から抜けたかった。

 その緊急メッセージを受け取った(女子プロ界百戦錬磨の)ロッシー小川は、悪評を覚悟で彼女を匿う・引き取る覚悟をした、と。

 しかしそれでも、あまりの電光石火ぶりを説明するのは苦しいが。


 概して言うと、今回の件で、「人間関係に問題を抱える同士」のスターダムとアイスリボンは、完全なる敵対関係になってしまった。

 アイスリボンの藤本つかさとディアナのsareeeの「リアル対立」が女子プロレス界をやや賑わせた、これが今年の女子プロレス界の特筆すべきリアル対立であろう、などと思っていたら、今度はこれである。

 本当にプロレス界には何がいつどう起こるか、計り知れないものがある。

 そしてもう一つ、気になるのは……

 スターダム中継の解説者として明らかにスターダム側であるブル中野と、アイスリボン側の豊田真奈美の仲は、いったいどうなっているのだろうかということである。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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