テレ朝チャンネル2で、新日本9月22日・DESTRUCTION in 神戸を生中継で見た。
まず、ヤングライオン杯の優勝者はLA道場のカール・フレドリックスであった。
年齢29歳と、「ヤング」という点では疑問符は付くものの、彼の優勝はほぼ万人が納得するのではなかろうか。
なんだかやっぱり試合を見ると、他のヤングライオンからは一頭地抜けている気がするのである。
しかし
今大会で一番のインパクトがあったのは、もちろん第5試合・新日本正規軍vs鈴木軍のタッグマッチでの、「鬼神ライガー」の出現である。
花道で「ライガーが鈴木みのるを」奇襲して始まり、わずか3分で終わったこの試合――
いや、あれは試合などではなく、徹頭徹尾ライガーのワンマンショーだったと言って過言ではない。
ライガーが自らマスクを脱ぎ、獣神コスチュームを引き裂いて現れた「白塗りの怨念坊主」姿は、まるでホラー映画であった。
鬼神ライガーというのは今までも出現してはいたのだが、そのオドロオドロしさでは今回がブッチギリのトップである。
しかも先の尖った杭を(リング外の選手から?)受け取り、鈴木みのるに対して走って振りかぶり、避けられてコーナーに立てかけられた机を完全に貫通する……
もちろんまともなプロレスファンであれば、本気で鈴木みのるを刺そうとしたとは思わないだろう。
普通に考えれば、こういうことこそ「事前の打ち合わせ」をしているはずである。
だがそれにしても「事故」ということはあるのだから、やる方もやられる方も命がけだ。(しかしこの「試合」に出ていた他の選手たち、もし歩合制だったらギャラは出るのだろうか、などと余計なことを考えずにいられない……)
さてそして、インパクトという点ではだいぶ劣るが――
セミファイナルではヘビー級転向第1戦目の鷹木信悟を、ファン満場一致で「落ち目」とされる後藤洋央紀が、激闘の末にシングルマッチで破った。
これは本当に激闘であって、いくらアンチ後藤洋央紀の人でも、認めないわけにはいかないだろう。
仮に後藤を石井智宏に置き換え、その動きが今回の後藤と全く同じだったとしたら、その人は「石井の名勝負がまた一つ」と感じたに違いない。 続くメインイベントでは、ジェイ・ホワイトが内藤哲也を破ってIWGPインターコンチネンタル王座を奪取。
それにしても今回も内藤は、何ともエグい攻撃をひたすら受け続けていた感がある。
それでもあれだけ動けるという点、いや単にあれほどまでに「受け」ているという点が――
たとえ内藤が(オカダのように)無敵というような強さではなくても、けっこう負けていようとも、ファンの支持が下がらない要因なのだろうと思う。
が、それよりいささかオドロキなのは、その勝者ジェイ・ホワイトへの次の挑戦者として名乗りを上げたのが、後藤洋央紀だということだった。
普通の感覚では、いくら激闘だからと言って、ヘビー級転向第1戦の男を撃破したからといって、王座挑戦権などないものである。
もっとも後藤は、ジェイの天敵と言えないこともない。(そういうイメージは、ファンにもあまり浸透していないと思うが……)
後藤はリング上で、「俺はアイツに負ける気がしない」とマイクした。
これを「いつもの後藤の大言壮語」と受け止めるファンが多いだろうことは、容易に推測できる。
今まで後藤は何度も何度も王座挑戦して敗退してきたが、その戦前にはいつもこういう大言壮語をしてきたからである。
だが、あえて予想すると、今度こそ後藤はジェイを破って王座獲得するのではないかと思う。 さすがにまたも王座取りに失敗すると、もういいかげん彼の商品価値がなくなってしまうからである。
反面ジェイは、負けて王座を落としたって、たいして商品価値は下がらないからである。
こう言っては何だが、IWGPでもヘビーはともかく、「インターコンチぐらいなら」後藤が巻くことがあっていい――
と、新日本の中の人も含め、多くの人が思っているのではないか。
そしてまた、さすがに後藤洋央紀という選手、もう二度とインターコンチも巻かないで引退する選手ではないのではなかろうか……?
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