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北尾光司55歳で死去-「プロレスファンは優しい」の例外だった人

 日本プロレス史上最大の嫌われ者かつ嘲笑対象であった元横綱の北尾光司、四股名は双羽黒が、2月10日には亡くなっていたという。

 死因は慢性腎不全、享年55歳。

 まさかと思うような若すぎる死である。

(⇒ 東スポWeb 2019年3月29日記事:元横綱、格闘家の北尾光司さん 55歳で死去)

(⇒ イーファイト 2019年3月29日記事:【訃報】元横綱・双羽黒の北尾光司が死去、PRIDEやUFCにも出場)


 ところでしばしば、「プロレスファンは優しい」と言われる。

 確かに、レスラーがリング上で何を言おうと(その英語がみんなわかっているとは思えなくても)、とにかく拍手をするという傾向がプロレスファンにはあるように思う。

 しかしその中でほとんど唯一と言っていいような例外が、北尾光司であった。


 プロレスファンであるみなさんも、必ずや思ったことがあるだろう――

 どうもこの北尾というのは全プロレスラーの中で唯一、「とにかくバカにして嘲笑の的にしてよい人」らしい、と。

 いや、そうするのが「プロレスファンたるもののほとんど良識」なのだ、と。

 それほどまでに「北尾をバカにするのが当然、いやそうするのが良識ある人間」という風潮は、日本のプロレスファン界に広まり根付いてきたのである。

(⇒ 2017年11月15日記事:高須院長、日馬富士のプロレス転向を勧める-プロレスはいつまで“掃きだめ”なのか、いつまで「北尾」が思い出されるのか)


 しかし、北尾がそれほどまでのダメレスラーだったというのは、本当に事実だったのだろうか。

 YouTubeなどで過去の試合映像(少ないが)を見ても、そこまでヒドいという印象を受けない私は、見る目が全然ないのだろうか。

 今のレスラーにだって、同じくらいかよりレベルの低そうなレスラーは、いくらもいるように思えるのだが……

 
 思えば北尾は、それこそ唯一無二と呼ぶにふさわしい経歴の持ち主であった。

 特に相撲廃業からプロレス転向に至るまでの間に名乗った「スポーツ冒険家」という肩書きは、まさに今に至るも誰も受け継ぐことがない唯一無二の響きがある。

(にもかかわらず、ちょっとでも深いプロレスファンの間では、知らぬ者がない名称である。

 こういう肩書きを名乗りたい、という人は、今でもけっこういそうではないか。)


 そして彼は、1992年10月23日のUインター日本武道館大会で、あの伝説の高田延彦のハイキック一発で敗れたことにより、確かにプロレスの歴史を作った。

 さらに(これもちょっとでも深いプロレスファンには有名な話だが)彼は、

 「武輝道場」(これで「ぶこうどうじょう」と読むのも唯一無二かもしれない)

 という格闘技道場を設立し、その弟子には現ドラゴンゲートの元社長である岡村隆志、現役レスラーである望月成晃がいる。

 つまり彼は、現ドラゴンゲートの(ウルティモ・ドラゴンの闘龍門と並ぶ)一方のルーツとも言えるのだ。

 プロレス界でよくある言い方に従えば、「ドラゴンゲートには北尾の遺伝子が流れている」


 UWFを中心として、世には「往年のプロレス」回顧録やドキュメントの本が多く発刊されているが――

 いつの日か、「北尾から見たプロレス界」を綴った本でも出てほしいものだ。

 そして「北尾だけはどれだけバカにして叩いてもいい」風潮も、いつの日か潮目が変わるときが来るのかもしれない。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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