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勝敗テロップ過早、YOSHI-HASHI転倒流血、外道裏切り-新日本9.23は大波乱興行に

 新日本プロレス9月23日・神戸ワールド記念ホール大会を、新日本プロレスワールドの生放送で見た。

 これはCSでもやってなくワールドのみの中継だったので、御覧になった方は同意されると思うが……

 2018年9月23日のこの大会は、新日本プロレスが世に送る久々の大問題・大波乱興行であり、プロレスの深淵を見せるような大会であった。

 そのメインイベントは棚橋弘至vsオカダ・カズチカの、IWGPヘビー級選手権試合挑戦権利証の争奪戦だったのだが――

 そのメインイベントだけで、三つの大事件が起きたのである。


事件①「棚橋弘至防衛!」の勝敗テロップが試合序盤に写る

 これは、プロレス中継史上最大の放送事故かもしれない。

 これを見た全視聴者は「?????!!!!!オイオイオイオイオイ」という思いになったはずである。

 そして、試合の結末もまた予めわかってしまったはずである。

 実際、試合は棚橋が勝利して権利証を防衛した。

 この件、「棚橋防衛!」と「オカダ権利証奪取!」の2パターンのテロップが用意されていて、たまたま2分の1の確率で前者が――実際の結末どおりの――誤って出てしまったのだ、と考えることもできる。

 だとしたら、はなはだ運の悪いことである。

 もちろんそうだったとしたら、機転が利き、さらに度胸のあるスタッフであれば、「オカダ権利証奪取!」のテロップもわざと誤って出すこともできたろう。

 そうであれば視聴者も、「ああ、やっぱり2種類用意してるんだ」という “信頼感” を抱くことができたろう。


(しかしこれは、「言うは易し」の典型である。)


 新日本プロレスワールドの中継は新日本プロレス自身がやっているのか、委託業者がやっているのかはわからないが――

 これはもう間違いなく、ひどい叱責を受けるものと思われる。

 そしてこれはまた、ネット中継の恐ろしいところを垣間見せてもいる。

 今まで何十年の地上波テレビ中継のうち、こんなことがあったことはなかったと思うが、それはやはりプロのテレビ局がやっているからというのが大きい(と思う)。

 ネット中継は確かに安い経費で制作できるのかもしれないが、しかしそのスタッフはやっぱりテレビ局ほどはプロじゃないのだろう。

 これはネット中継にとって、恐ろしい懸念材料である……


事件② YOSHI-HASHIが走ってコケて大流血

 棚橋vsオカダの試合後、前々から不穏な動きを見せていたジェイ・ホワイトがリングに上がって(グッタリした)両者を攻撃。

 それを救出しようと、YOSHI-HASHIが花道の奥から矢のように走る。

 しかしYOSHI-HASHIは花道の最末端でコケてしまい、(たぶん)リングの角に頭をまっすぐぶつけて大流血する。

 それでもYOSHI-HASHIはリングに上がるのだが、ジェイの椅子攻撃をモロに受けて倒れる。

 その後YOSHI-HASHIは、救急車で搬送?されたとの話もある。

 このときの観客席のどよめきようは、何とも言えないものであった。


 ああ、しかし後出しジャンケンになってしまうが、こんなことがいつか起きるんじゃないかと思っていたのである。

 特にヤングライオンなど若手選手は入場の途端、矢のように走ってリングに駆け上がるのが仕来りのようになっているが、あんなことしてたらコケる可能性が非常に高いのは当然のことだ。

 しかも神戸ワールド記念ホール大会の花道というもの、確かにかなりの急角度の下り坂なのだ。

 もちろんYOSHI-HASHIは、この花道を駆け下りる練習なんてしていなかったに違いない。


 しかしその代償が、今回の事件である。

 それにしても、YOSHI-HASHIのケガの具合ももちろんだが、そのメンタルを思うといたたまれない気持ちになる。

 不慮の事故とは言え、これは大失態である。

 会場で生観戦した観客は、当然ながら事件①は見ていないので――

 大会からの帰り道は、YOSHI-HASHIの転倒の話題で持ちきりになったのは想像に難くない。

 たぶん、棚橋とオカダの激闘を振り返る人は、一人もいないくらいではないだろうか。


 YOSHI-HASHIが助けに行こうとしたのが、このところ溝ができていたオカダなのか、「こっちに来いよ」と誘いをかけていた棚橋なのか、それとも両方なのか……

 その答えももしかしたらあの場で出るはずだったのかもしれないが、それもわからなくなった。

 YOSHI-HASHIの言葉を借りれば、「物事は、偶然の出来事で、一瞬で変わる」ということだろうか……


事件③ 外道、オカダを裏切りジェイ・ホワイトと結託

 これは事件①②と比べれば、ずっと穏やかな事件である。

 YOSHI-HASHIが撃退された後、次は外道がリングに上がる。

 そして椅子を持ちジェイに立ち向かうかと思いきや、背後からオカダの背中を強打したのだ。

 外道はマイクを持つと棚橋・オカダの二人ともを「負け犬」呼ばわりし、これからは新しいジェイ・ホワイトの時代が始まると宣言。

 まさに絵に描いたような外道の所業、オカダとも完全決裂である。
  
 
 しかしこれ、心ある多くの人は、いずれこういうことがある――ジェイとの結託はともかく、オカダとはいつか敵対するだろう、と予想していたのではなかろうか。

 それは、それでこそプロレスであるからである。

 また、そろそろCHAOSは再編成される頃合だ、と思う人が多いからである。

 実際CHAOSは、いまやヒールユニットとしてはほとんど存在意義を失っている。

 そもそも新しいファンにとっては、CHAOSがヒール(悪者)だということさえ信じられない/感じ取れないのではないか。

 言っては悪いが、もうCHAOSは「寄せ集め」みたいなユニットになってしまっている。

 それはほとんど、かのSWSが「寄せ集め」と回想されているのと変わらないくらいのレベルである。

 これに比べれば、鈴木軍やロス・インゴの方が何倍も毛色がはっきりしているだろう。


 そう、CHAOSは分裂解体・再編成される頃合であった。

 そしてそれがどう行われるのが一番インパクトがあるかとなれば、やっぱり「あのレインテイカー」外道が、こともあろうにオカダを襲撃することである。


 もっとも、いくら最近「円満離婚」したとはいえ、あれほど長きにわたりオカダを褒め上げ・尽くしてきた外道が――

 こんなにあからさまにドギツくオカダを裏切るというのは、さすがに現実世界ではあまりない。

 その意味では、いかにもプロレス的そしてプロレスならでは、の裏切りの形である。

 
 ともあれ今回の2018.9.23の新日本プロレス大会、久々の伝説興行になりそうである。

 猪木時代の暴動がなくなったかと思えば、またこんな新しい形の波乱がある……

 まるで新日本という団体自体に、ある種の「発信力」が生まれつき備わっているかのような感覚を覚えてしまう。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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