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山本“KID”徳郁死去-日本格闘技絶頂期の代表者を悼む

 9月18日、山本“KID”徳郁(のりふみ)が死去した。享年41歳。

 8月26日に自身のインスタグラムで癌であることを公表してから、わずか1ヶ月未満での死である。残念でならない。

(⇒ 2018年8月27日記事:亜利弥、山本“KID”徳郁、さくらももこ…吹き荒れる癌の猛威)


 山本KIDは、日本の総合格闘技の絶頂期の立役者の一人である。

 むろんその最高位には桜庭和志がおり、世間的知名度で言えば魔裟斗がトップだろうが――

 しかし山本KIDもまた、少なくとも名前だけなら、たいていの人(40代以下?)が聞き覚えがあるはずだ。

(もっとも、「徳郁」が読める人/憶えている人となるとガクッと少なくなる。)


 プロレスファンは特にだが、大病や大怪我を患ったレスラーが復帰してくるのに慣れている。

 小橋建太は癌を克服したし、垣原賢人もリング上で試合をするまでに回復している。

 だから山本KIDもまた、何となくだが、何年後かに癌を克服して現役復帰するかもしれない――という想像を描きやすかった。

 しかし当たり前だが、誰もが小橋建太や垣原賢人ではない。

 それらはやっぱりレアケースであって、大多数の場合は死に至ることになる。

 山本KIDはそのことを身をもって、改めてファンに教えてくれたことになるかもしれない。

 おそらく格闘技ファンは、そして選手の方も、やっぱり定期検診は受けなきゃいけないと(もう何度目かもしれないが)思い知ったことになるだろう。


 それにしてもKIDの死は、あまりに急転直下であった。

 「太く短く生きる」というのは、こんな場合に使う言葉なのだろうか。

 たとえ短くても一度は世間に大きく輝くか、一度も輝かずに長く生きるか……

 どちらがいいのか、どちらを取りたいかというのは、

 不死が実現する時代(たぶん22世紀はそうなっている)まで、人類にとって最大級の難題だろう。


 しかし山本KIDには、今この時代、もう一度輝くことがあってほしかった。

 再度、残念である。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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