7月21日の新日本プロレス後楽園ホール大会(G1第3戦)を、サムライTVの生中継で見た。
この大会の公式戦はどれも見応えのある試合ばかりで、新日本のクオリティの高さ(とバラエティの豊かさ)を改めて感じるものであった。
SANADA vs ザック・セイバーjr.は「技の応酬」で観客をどよめかせ、
(しかしこの試合、例のリコシェvsウィル・オスプレイの「曲芸プロレス」に通じるところがありありだと思う……) メインの後藤洋央紀vs石井智宏は、予想どおりとはいえ激し過ぎる一戦だった。
だが最も「面白かった」試合と言えば、やはり矢野通vs飯伏幸太ではなかったろうか。
矢野通は日本大学レスリング部の出身で、今回のG1のテーマは“フェアプレー日大”とのこと。
しかしこのたびの試合では飯伏幸太の両手をテープでグルグル巻きにしたあげく、
最後の決め技は例の「後方からの危険タックル」だった。
そういうジャンルがあるのかは知らないが、これははっきり「時事ネタ試合」と言ってよいものである。(⇒ 2018年5月14日記事:日本大学アメフト殺人タックルで関西学院大学クォーターバックが大怪我-なぜそんなに勝ちたいのか、スポーツや部活に意味はあるのか?) さすが矢野通、「G1で結果をついぞ出したことがないのに連続出場を続けている」選手だけはある。 たぶん新日本ファンの優勝予想でも、矢野通を本気で上げる人はごくごくわずか――
今となっては矢野通ファンですらそんなことは思っていなさそうなのに、それでも矢野が人気レスラーであり続けられるのは、こういうセンスがあるからなのだろう。
(むろん、両手を縛られているのにその場跳びムーンサルトとかを決める飯伏幸太もスゴいのだが)
しかしもう一つ思うのは――
やっぱり
プロレスは、今の日本で「公然と不謹慎ネタをやれる最後の解放区」だということだ。
たとえ人気のお笑い芸人がやったとしても、「後方からのタックル」をネタにしてしまえば、不謹慎と叩かれるのが目に見えているのが今の日本である。
たぶんプロレスまでも不謹慎と叩かれるようになったときが、日本が民衆リンチの抑圧社会にすっかりなりきってしまうときなのだろう。 にしても矢野通、もはや「面白レスラー」の役割が骨がらみに定着してしまった観があるのだが、もう二度とG1優勝やIWGPヘビー級戴冠の候補に挙げられる時は来ないのだろうか……?
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