7月10日の長州力プロデュース興行「Power Hall 2018」 のメインイベントは、
長州力&関本大介&ヨシタツ vs 秋山準&黒潮“イケメン”二郎&橋本大地
の6人タッグマッチだった。
サムライTVの生中継で見た人の誰もが感じたとおり、この試合の主役は徹頭徹尾イケメンであった。
本当にもう、彼の一挙手一投足に観客の注目と期待が集まるのだから、まったくたいした男である。
これは決して、「賑やかしのお祭り男」「盛り上げ担当」などと笑って(軽く見て)済ませて良い話ではない。
これは純然たる、プロレスラーの力量に関する話である。 長州と秋山はともかくとして、他の参加選手は一種の敗北感を覚えたのではないか。
いや、「長州と秋山の初対決」というインパクトさえも、完全に忘れられていた観があったのだが…… しかしこの陽気な太陽の輝きとは正反対に、秋山に敗れてバックステージに引き揚げた長州のコメントは、まるでお通夜のような――いや、お通夜の方がずっと話が弾んでいる――、そして老人の諦観にも似た、悄然たるものであった。
もう長州はリングに上がるのが(数年前から)怖くなり、体調も良くなく、このままやってたら大変なことが起こりかねないため――
来年のスケジュールに入っている数試合を終えたら、靴を脱ごうと(引退しようと)思っている、と笑顔なく訥々と語ったのである。
その姿を見て「革命戦士」というフレーズを思い浮かべるのは、極めて困難なことだろう。(⇒ スポーツ報知 2018年7月10日記事:長州力、来年中の引退を宣言…「リングに上がるのが怖い。靴はもう脱ごうと思っている」) とはいえ長州力も今はもう66歳、こういうことを感じるのはごく正常な感覚である。 そもそも長州は1998年1月に引退、2000年7月に大仁田厚との電流爆破戦で復帰したのだから、それからすでに18年も経つ。
次の「二度目の引退」は、普通の感覚では遅すぎるほど遅すぎるのだ。
だいたい長州の全盛期にファンであった人で、長州が2019年・67歳までプロレスラーをやるなんて思っていた人は、一人もいなかったに違いない。
明るすぎるほど明るいイケメンと、老境の悲しみを凝縮して体現したかのような長州。
それはまるで、昇る太陽と沈む太陽のはっきり過ぎるコントラストのようであった。
しかし長州の「やってみたいこともあるし」という「やってみたいこと」とは、何なのだろう。
それはやっぱり、飲食系でなければ俳優業なのだろうか。
(大河ドラマにもリキラリアットをやる役で出たことだし……)
あんな風にコメントで言ってしまっては、これから引退までの長州の試合は「心ここにあらず」と思われてしまっても、仕方ないと思えるのだが……
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