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入江茂弘はDDT「美少女化」路線には反対しないのか?

 6月24日のDDT後楽園ホール大会(What are you doing 2018)のメインイベントでは、入江茂弘が樋口和貞を破ってKO-D王座を防衛した。

 さて、入江茂弘と言えば「体制批判」である。

 試合後のリング上では、エクストリーム級王座を防衛したHARASHIMAが次の挑戦者に名乗りを上げた。

 しかし、KO-Dとエクストリームのダブルタイトル戦にすることは拒否し、観客と入江がブーイングを上げる。

 そして入江は、バックステージでのコメントも合わせると――


「いつでもどこでも挑戦権」がなくたって(HARASHIMAとその他のレスラーも)挑戦してきたっていいじゃないか、

 それがプロレスラーだろ、

 DDTは窮屈にルールに縛られるようになってるんじゃないか、

 そんなにSNSが大事なのか、

 同じ時間に同じ告知を更新して、みんな同じだったら意味ないじゃないか、

 特にプロデューサーの男色ディーノ(男色P)、オマエは何もわかってない、オマエがプロデューサーになって何が変わった、気に入らないから潰す


  
 と、団体批判・体制批判を繰り広げた。

(⇒ 東スポweb 2018年6月25日記事:【DDT】KO-D王座V2の入江茂弘が団体批判「今のDDTは窮屈」)

(⇒ DDT公式サイト 試合結果)

 これに会場からは歓声と拍手が上がったのだが……

 会場のプロレスファンというのは、レスラーがリング上で何を言おうととりあえず拍手するという習性が多分にあるので、何も大勢が入江を支持して大勢が男色Pに反対しているというわけでもないだろう。 

 いつでもどこでも挑戦権について、それがあまりにも数が多くなりすぎてインフレ(価値下落)を起こしている、という意味なら、私も入江に賛成である。

 ああいうのはやはり、1つ・1名に限るからこそ面白いのではないか。

 しかし反面、そんな挑戦権さえなくたって挑戦してきていいというなら、それはそれで全員がいつどこ挑戦権を持っているのと同じことである。

 そして入江にしても、本当に誰でもKO-D王座に挑戦してきていいというわけでもないはずだ。

 たとえばヨシヒコが挑戦してくれば、今の入江の立場からすれば困ったことになるはずである。



 それにしても、リング上でそんな体制批判をする入江の目の前で、こともあろうにHARASHIMAは――

 次のエクストリーム級王座戦の相手にアントーニオ本多を指名し、試合形式は「目隠し乳隠しデスマッチ」(ブラジャー剥ぎマッチ。2013年11月17日の再戦である)にする、と宣言した。

 これについては入江は何も言わなかったのだが、これこそ批判しなくてよかったのかと思わないでもない。
 
 入江は確かに「コメディは否定しないし、嫌いでもない」と言っているが――

 しかし、今の当人のコミカルさを削ぎ落としたファイトスタイルや言動からは、明らかにコメディを入れる余地はないように思われる。

 それでもコメディは否定しないというのなら、じゃあ入江の目指すDDTというのはどんなものなのか、というのが見えてこない/届いてこないのも当然だろう。



 入江はこのたび、男色ディーノを否定した。

 ではヨシヒコ(セックスドール)はどうなのか、

 アントーニオ本多はどうか、「ごんぎつね」なんて唾棄すべきものだと思っているのか、

 DDT前半定番の面白試合についてはどう考えるのか。

 やっぱりそれらも「否定しないし、嫌いでもない」とすれば、本当に入江の目指すDDT像とは何なのか……



 そしてもう一つかねがね思っていたのは、今の入江(に限った話ではないが――)はDDTの「美少女化計画」についてどう思っているのだろう、ということだ。

(⇒ DDT美少女化計画)



 もしDDTのレスラーが、DDTのやっていることに対して「ついていけない」「やってられない」と感じることがあるとすれば、これこそがその筆頭だろうと思う。

(レスラーに限らず、ファンもである。)

 坂口征夫とか、自身が美少女化されることについてどう思っているのか、ちょっとインタビューを聞きたいものだ。

(もっとも東京女子プロレスには「ユキオ・サンローラン」としてたまに参戦することがあるので、そんなにたいして思うことはないかもしれない。)


 入江茂弘もまた美少女化されている一人だが、今の入江はああいうことに対してどう思っているのだろう。

 むろん、もし入江がリング上で「何が美少女化だ、やってられるか!」なんて叫ぼうものなら、今度こそ歓声や拍手が起こるのではなく、会場が静まりかえるような予感はする。

 それはまさに「事件」である。

 そしてこれこそが、真の体制批判である。 


 しかし入江は、たぶんこんなことまでは言わない。

 しかしなぜ言わないかと言えば、それは「本物の体制批判になるから/事件になってしまうから」という理由なのであれば、もう何をか言わんやである。


 
 入江の体制批判は本物なのか、それともよくあるちょっとしたアングルなのか――

 これはどうも、本人が思っているよりも深刻な意味を孕んでいると思うのだが…… 

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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