4月1日の新日本プロレスSAKURA GENESIS2018両国国技館大会を、テレ朝チャンネル2の生中継で見た。
これは、
今年最高の神興行クラスの大会だったと思う。
特に最後の3試合は、これを見て面白いと感じなければもうプロレスファンをやめた方がいいくらいのものである。
そしてまた、なぜかイギリス人選手が席巻した大会でもあった。
●第7試合(IWGPジュニアヘビー級選手権試合)
ウィル・オスプレイ(王者)vs マーティ・スカル(挑戦者) 解説席のKUSHIDAによると、「何百回・何千回というレベルで何度も戦っている」イギリス人同士の二人、とのこと。
もはやオスプレイとスカルの試合に外れ無し、というのは新日本ファンの常識になっているが、今回もまたハイレベルの試合であった。
特にスカルの方の猛攻は凄まじく、オスプレイの頭をストンピングで踏みつけまくる一幕は、あれはもうMMAで言うパウンドの連打であって、ああなったらMMAならレフェリーストップになるのが普通だ。 しかしそれでも、オスプレイが勝って王座防衛。
そしてオスプレイはその場で直接KUSHIDAを次の挑戦者に指名した。
先日の記事でも書いたが、外国人選手主導の新日本ジュニア戦線において、日本人ことにKUSHIDAの影は非常に薄くなっている。
(海外ではともかく、日本本国ではそうだ。)
(⇒ 2018年3月21日記事:NJC2018優勝はザック・セイバーJr.-ジュニアがヘビーに普通に勝つ) もちろんKUSHIDAもまた名勝負製造機の一人なのだが、オスプレイとの試合が名勝負になるのは今からわかってはいるが――
それでもKUSHIDAは、(棚橋弘至のように)復権を目指す必要がある。
そしてオスプレイには、次は飯伏幸太やケニー・オメガと一騎打ちしてほしいものである。
たぶん今年中に、そういうカードが組まれるだろう。 ●第8試合(スペシャルタッグマッチ)
飯伏幸太 & ケニー・オメガ vs cody & ハングマン・ペイジ ゴールデン☆ラヴァーズ再始動の真の踏み台となるべき試合だったが、cody組が勝利。
この試合を見て最も印象に残ったのは、
codyとペイジの驚くほどの試合巧者ぶりではなかったろうか。
Codyはさすがダスティ・ローデスの息子と言うべきか――
リック・フレアーを頂点とする、
古き良き?「ジ・アメリカン悪党王者」そのもののやり口で観客を煽る。
観客もそれにノッてブーイングを送る。
しかしタッグプレーという点で、cody組はむしろゴールデン☆ラヴァーズを圧倒するほどの展開であった。
そしてcodyが流血すると、会場の雰囲気はなんだかcody組を悪党コンビと見るのではなくなっていくように感じられた。
これはつまり、codyとペイジは大器である、というのをファンも気づいたのではないかと思われる。 そうなるような試合にすると初めから目論まれていた――と言えばそうかもしれないが、
しかし確かに、codyは親の七光りではない。
確かにバレットクラブの総帥にふさわしい器量があると言うにとどまらず、名レスラーの素質ありと言っていいだろう。
それにしても、笑顔でリング内を観客とハイタッチしながら入場してくるオメガを見ると……
あのザ・クリーナーとしての悪のキャラは何だったのか、あれは一場の夢だったのかと思わざるを得ない。
やはりケニー・オメガ、悪役よりはベビーフェイスが似合う男である。(と言うことは、やはりバレットクラブのリーダーにはcodyの方が似合っているのか……)
●第9試合(IWGPヘビー級選手権試合)
オカダ・カズチカ(王者)vs ザック・セイバーjr.(挑戦者) 戦前の予想どおり
「関節技尽くし」の試合。
もう試合の9割がザックの関節技だったんじゃないかと思うほど、これでもかと関節技が披露される。
もちろん観客の9割以上は最後はオカダが勝つと思っていたはずだが、それでも「ひょっとしたら」と思わされるのは、これもまたプロレスの醍醐味の一種だろう。
(そしてザックもまた、イギリス人選手である。)
特にオカダのドロップキックを捉えて関節技に移行するシーンなど、録画したのを何度も見直すファンも多いと思われる。
思い切り誤解されるようなことを書くが、
ザックの関節技は「見て楽しい関節技」である。もっと言えば「エンタメ関節技」である。 「関節技なんてやっても客にはわからない、だから道場での裏技に留めておく」という時代から見れば、まさに隔世の感である。
UWFやリングス、総合格闘技を経て、関節技はついにここまで来た。
これは「興行格闘技は、結局プロレスに行き着く/プロレスになる」という証左なのかと思わないでもない。 それでもオカダは勝利し、参謀の
外道はリング上で「勝てないとわかってても、それでもオカダのV12を阻止したいヤツがいるかな?」と、わかりやすすぎる言い方で棚橋弘至を呼び出す。
そう、もちろんほぼ全てのファンが思っていたとおり、次の挑戦者は棚橋なのだ。
これは確かに、次の防衛戦に注目を集める意味づけをするには「これしかない」という人選である。
そして次もオカダが勝つのかどうか、ファンの予想は割れるだろう。
オカダが棚橋の記録を破って12回連続防衛するかどうか、もしかしたら、しないんじゃないか――
これもまた一種の「勝負論」である。
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