DDT3.25両国国技館大会を、サムライTVの生中継で見た。(後半部だけ)
予定されていた「両国国技館全体を使った路上プロレス」は日本相撲協会からの申し入れによりたった1週間前に中止と決まった――
というケチが付いてしまったのだが、普通ならこれは損害賠償ものである。 相撲協会もいったんOKしておいたのにわずか1週間前に中止させるのだから、こういうところにも杜撰な組織体質が現れていると言っていいかもしれない。
さて今大会では、(こういう言い方もどうかと思うが)
シリアス系のタイトルマッチで、メイン以外は挑戦者チームが王座を奪取する結果となった。
KO-D6人タッグ選手権では、梅田公太ら若き3人が坂口征夫・高梨将弘・KUDOの酒呑童子を下して新王者に。
KO-Dタッグ選手権では、関本大介&樋口和貞の「関口組」が丸藤正道&HARASHIMAの「ハラシマルフジ」を下して新王者に。
プロレスファンなら誰でも思うと思うが、NOAHだったらとてもこうはいかない結果である。
また、注目の「ドラマティック・ドリームマッチ」グレート・ムタ&佐々木大輔&遠藤哲哉 vs 男色ディーノ&石井慧介&大家健では――
ディーノが肛門に毒霧を喰らい、それをさらに(小型の空気ポンプで?)水鉄砲のように噴射し返すという新展開があった。
そしてむろん、ムタ即ち武藤敬司の正真正銘最後のムーンサルトもあった。
武藤最後のムーンサルトを受けたのは、石井慧介である――
これは熱心なプロレスマニアで知られる石井にとって、一生の思い出ではなかろうか。 またメインのKO-D無差別級選手権は、日本体育大学を卒業したばかりの王者・竹下幸之介(22歳)が、挑戦者・石川修司(42歳)を下して王座防衛した。
しかし、御覧になった人は誰でも感じることだろうが、この試合は徹頭徹尾石川のもののようであった。
おそらくほぼ全員が、王者竹下の強さよりずっとはるかに石川の強さを感じたはずである。 石川は今、確かに全盛期というかノリにノっていると言うべきか、日本プロレス界で最強ランクにあると思う。
たぶんオカダ・カズチカと戦っても全く遜色がないし、まるでかつてのジャンボ鶴田いやジャイアント馬場のような存在感さえ覚えてしまいそうだ。
(彼は、今の新日本の主力陣を説得力を持って総ナメにできる、数少ない選手である。
もう一人言ってみろと言われれば、今なら誰でも鈴木秀樹の名を挙げるだろう。) 42歳の石川の強さに比べれば、勝利したはずの竹下の影が薄くなるのもやむを得ない――
しかし考えてみれば彼はまだ22歳でキャリア5年そこそこなのだから、それでいて1年も(業界でたぶん2番手の)団体の王者でいるのだから、オカダを凌ぐレスラーと言ってもおかしくはない。
(くどいようだが、NOAHでは絶対にないような話である。
清宮海斗がそんな地位に就くなんてことは、熱烈な清宮ファンでも思わないだろう。)
ただ、こうやって書いていって思うのは、「若い選手がどこまで行くか」の基準が、もはやオカダ・カズチカ基準であることである。
オカダはそういう意味で、プロレス界を――プロレスファンの見方を――変えた。 ところでメインイベントの後には(海外遠征中という触れ込みだった)入江茂弘がリングに上がり、竹下への挑戦を表明した。
これに対して彰人が
「アイツはバカなふりしてるだけ。DDTが好きだと言ってるけど、本当に考えてるのは自分のことだけ。あんな奴にベルトに挑戦させてほしくない」
と涙ながらの熱弁を振るい、結局は(まずは)彰人vs入江のシングルマッチが行われる運びとなったようだ。
そして誰もが思うように、その試合では入江が勝ち、竹下に挑戦するのだと思われる。
「海外遠征から帰ってきた」選手が変貌を遂げている、少なくとも一つや二つの新必殺技を備えるようになっている、というのはプロレス界の定番というかオキテのようなものなので、それに期待したい。
大変申し訳ないことを言うが、入江は容姿的に団体のエースを張れるタイプではない。
(「強い伊橋剛太」のタイプ、と言ってしまえばわかりやすいかもしれない。)
まさに、「永遠のチャレンジャー」という役回りが適任――というか、自然にそんな流れになると思う。
(これが少年漫画の世界であれば、きっとそうなるのは皆さん納得できるだろう。) そして容姿的なことを言えば、梅田公太は確かに未来のエース候補である。
私は女性でないので確かなことは言えないが、あの顔立ちと表情は、女性人気をグッと摑みそうに見えるのである。
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