新日本3月6日・大田区体育館大会を、テレ朝2チャンネルの生放送で見た。
主要3試合(上の3試合)の感想を書く。
●内藤哲也 vs タイチ(スペシャルシングルマッチ) タイチが「体重100キロ」
(本人いわく155キロ)で臨む、ヘビー級転向後の初試合。
内藤も認めているように、タイチはただの小ズルいレスラーではない。
何と言っても、元GHCジュニアヘビー級王者である。
そしてこの試合、非常に作りが素晴らしかった。
タイチが正々堂々と見せかけてやっぱりレフェリーを排除して金的攻撃をやるのはいつものことであるが――
それを逆用した内藤が全く同じやり方で反撃し、しかもタイチのマイクスタンドを使ってタイチの頭を(マイク取り付け部が飛んでしまうほど)殴りつけてディスティーノで勝利。
これこそストーリーのある、短編推理小説のようなプロレスである。 結果タイチは負けはしたが、これからヘビー級でやっていくのに充分な説得力を見せることができただろう。
●鈴木みのる vs 真壁刀義(IWGPインターコンチネンタル王座戦) みのるが勝って王座防衛。
これはもう、鈴木みのるが強すぎるとしか言いようがない。
もうすぐ(6月には)50歳になるとは思えないような動きとハードヒット(やる方も、受ける方も)ぶりである。
特にドロップキックは強烈で、オカダと充分タメを張れそうだ。
49歳であんなのを放てるのだから、年齢差を考えればオカダより上かもしれない。 ところで真壁刀義だが、いつも気になることがある――
必殺技のキングコングニードロップなのだが、あれはもう見るからに自らの膝にダメージを与えそうなのだ。
しかもこの技、非常にしばしば失敗(自爆)しているように見えるのである。
武藤敬司がムーンサルトで膝を壊したというなら、真壁刀義はそれよりもっとキングコングニードロップで膝を壊してしまうのが理屈に思える。(⇒ 2018年2月20日記事:武藤敬司、両膝人工関節手術を決断-引退の空に舞う最後のムーンサルト) 真壁刀義の膝が悪い、というのはあまり言われないことではあるが……
その膝へのダメージの蓄積は、相当すごいものがあるのではないかと気になってくるのである。
●オカダ・カズチカ vs ウィル・オスプレイ(スペシャルシングルマッチ) IWGPのヘビー級王者とジュニアヘビー級王者の“夢対決”。
この試合が決まったときに書いているが、もちろんこの試合、結果はわかりきっている。 オカダが勝つに決まっているが、しかしこの試合は勝負論でなく内容を――何を見せてくれるかをこそ、見るべきものだ。
会場に行って観戦した人たちも、当然そういう思いだったろう。
(⇒ 2018年2月11日記事:オカダV10、SANADAを下す-勝敗でなく内容を競うのは、プロレスの進化か堕落か) そしてまた
「オカダvsオスプレイ」が素晴らしい内容を見せてくれるだろうことも、「わかりきった」話である。
一般論で言えば、ジュニアヘビー級の王者がヘビー級の王者に勝つというのは、実力的にもプロレスの枠組みとしてもまずあり得ない。
ファンも団体も「そうなってもいい/おかしくない」と考えるのは、そのジュニアヘビー級王者が初代タイガーマスクである場合くらいだろうか。 しかしオスプレイは、確かにその存在感は初代タイガーマスクには及ばないものの、
――というか、初代タイガーマスクを超えるジュニア選手というのもこの先いないかもしれないが――
やってることは初代タイガーマスクと全然遜色ないか、むしろ超えている。
あのコーナーの上に後ろ向きに立ってから飛ぶ「リバース450°スプラッシュ」なんて、一体どうやってやるのだろうか。 勝利したオカダは、オスプレイを手放しで絶賛した。
オスプレイ(と自分)がいれば、新日本は当分安泰だとも言った。
しかし誰もが思っているように、いずれオスプレイもWWEに行く(行きたがる)だろう。
これはファンのみならず、団体だって選手たちだって、やっぱりそう思っているはずである。
それでもオカダはこんなこと言うのだから、少なくともここ数年はオスプレイがWWEに行かない確信があるのだろうか。 オスプレイを新日本にスカウトしたのはオカダであり、「レスラーとしても“弟”としても好き」とまで公言するのだから、兄弟の絆や義理というものがオスプレイを新日本に引き留めるのだろうか。
何にせよ、新日本の旗揚げ記念日大会は大団円であった。
本当に今の新日本プロレスには、「事件はいらない」ようである。
しかしまた、事件が必要になる(待ち望まれる)日が、必ず巡ってくるのだろう……
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