Entries

ジェイ・ホワイト戴冠、バレットクラブ分裂、ゴールデン☆ラヴァーズ復活-新日本「冬の札幌で何かが起こる」という伝統

 スカパーのテレ朝チャンネル2で、1月28日・新日本北海きたえーる大会2日目を生中継で見た。

(と言っても都合により、後半だけだが……)

 前日の鈴木みのる戦で右膝を攻められまくった棚橋弘至は、やはり欠場。しかも長期にわたる可能性がある。

 そして2日目大会の目玉はやはりメインイベント「ケニー・オメガ vs ジェイ・ホワイト」のIWGP-USヘビー級王座戦で――

 挑戦者ジェイ・ホワイトが王者オメガを破り、第2代王者となった。



 このこと自体は、かなり多くのプロレスファンが予想していたのではないかと思う。

 何と言ってもホワイトは1月4日のIWGPインターコンチネンタル王座戦で、棚橋弘至に敗れたばかり。

 ここで王座戦2連敗してしまうと、その“スイッチブレード”なる格好いいキャラクターや――

 実況解説陣がやたら褒めまくるその素材・期待感というのが、全く確立できなくなってしまう。


 だから私もホワイトが勝つんだろうなと思いながら見ていたのだが、確かに試合内容は1月4日の棚橋戦よりはるかに良質のものだった。

 これは不吉なことでもあって、つまり今現在の棚橋には――

 もうかつてのような、「相手の力を存分に引き出して、その上で自分が上回って勝つ」という芸当が、できなくなっているのではないだろうか?


 そして代わりにそれができるのは、やはりケニー・オメガだということになるのだろう。

 精彩を欠く棚橋のプロレス力の不調が、たまたま現在満身創痍だからという理由なら良いのだが……


 さてホワイトについて言えば、その得意技は「(連続)低空バックドロップ」と、必殺技の「ブレードランナー」と言っていいのだろう。

 しかしそれを除けば、相当地味なレスラーのように思えてしまう。


 試合途中にはアントニオ猪木を思わせる「インディアンデスロックからの鎌固め」も繰り出していたのだが……

 その体の反り具合は非常にカタく、同じ技を女子レスラーが素晴らしいブリッジでやるのを見慣れた目からすれば、何とも見栄えのしない光景としか言えなかった。

 どうも彼、自分から能動的に攻めかかるタイプではなく――

 相手の技を受けまくってそれでも死なず、むしろ不気味に笑って反撃してくるという、「イケメンゾンビ系」レスラーのようである。

 これは案外、今まであんまりいなかったタイプではなかろうか。


 
 一方ケニー・オメガの方は、試合後にバレットクラブの面々と揉め――

 結局は全員に裏切られ、リーダーでありながらバレットクラブ追放という形になった。

 今後はたぶん、Codyが第3代リーダーとしてバレットクラブを率いていくのだろう。

 この“ケニーがバレットクラブ追放”というのもまた、プロレスファンなら遅かれ早かれいつかは起こると思ってきたことである。

 ケニーがバレットクラブを追放される時というのは、次の3パターンしかないはずだった。

(1) ケニーがWWEに行く

(2) 飯伏とのゴールデン☆ラヴァーズが復活する

(3) その他


 である。

 (3)を選択肢に入れるのはともかく、(1)または(2)がいつかは起こるだろうとプロレスファンは思ってきた。

 しかし(2)がこんなに早く――ケニーが1月4日にクリス・ジェリコに勝ったばかりなのに――その日が来るとは、予想よりずっと早かったろう。


 Codyらにボコボコにされるケニーを救うため、飯伏がリングに駆け上がる。

 飯伏はケニーに手を差し出し、ケニーは涙を流して逡巡したようだったが、どちらともなくガッシリと抱擁し合う。

 リングの四隅から赤い紙テープが噴射され、舞い落ちるテープの中で抱き合う二人。

 確かにこれは、感慨深い光景である。

 しかしプロレスファンにはそうだとしても、プロレスを斜(はす)に見る人にとっては――

 「なんで紙テープ噴射が用意されてるのか、こういう展開になると初めから決められていた証拠じゃないか」と、たちどころに思い当たるのが当然である。

 つまり今回ケニーが負けるのも、

 Codyらにボコボコにされるのも、

 飯伏が猛然と助けに来るのも、

 ゴールデン☆ラヴァーズが劇的再結成をするのも――

 全て最初からそう決まっていたシナリオで、要するに作りごとじゃないか、(茶番)劇じゃないかと感じるのが普通なのである。


 もちろんプロレスファンにとってはこんなツッコミ、「うっせぇな、そんなことわかってんだよ」と感じるようなウザいものではあるのだが……

 しかしどうも最近の新日本、ますますこういうツッコミに無頓着になってきたようである。

 堂々と世間に向けて“演劇”を見せるようになってきたようである。


(⇒ 2017年10月9日記事:新日本10.9両国国技館大会短感-「演劇系プロレス」の時代)


 「新日本の冬の札幌では何かが起こる」という例の嚆矢は、もちろん“藤原喜明による、長州力襲撃事件”なのだが――

 あの時代には、そんなことがあったからって藤原や長州のテーマ曲をそれに被せて流す、なんて発想は誰にもなかったはずである。

 しかし今では、「それをやっちゃあ、劇だとわかっちゃうでしょう」と誰でも思う案でも、新日本の内部では簡単に通っているようである。

 いや、そもそも、「新日本の冬の札幌では何かが起こる」という伝統・期待に応えるため、人工的に何かを起こすことが企画されているのだと思う。


 やはり新日本は、ますますDDTに接近してきている。

 21世紀前半のプロレスの主流とは、やはり演劇系プロレスなのだろうか……

このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://tairanaritoshi.blog.fc2.com/tb.php/421-bf7fe0ee

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

FC2ランキング

FC2オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

FC2アクセスカウンター

日本ブログ村・人気ブログランキング アクセスランキング

ツイッターウィジェット

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR