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kindle新刊『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ-人口7人・広島県呉市「情島」訪問記“失われる時を求めて”』

 少子化、人口減少、限界集落、地方消滅、空き家問題――

 これらが21世紀序盤の日本のキーワードであることは、もちろん常識である。


 少し前「消滅可能性都市」というのが日本創成会議から発表されて話題になったことがあったが、あなたの住む街もその中に入っている(それこそ)可能性も、かなり高いと私は思う。

 今すでに限界集落である地域は、あと20年もすれば本当に誰も住んでいない無人地帯になるだろう。

 かつて人が住み生活があり、人の記憶に残っていた(記憶自体を作っていた)土地は、廃屋だらけの無人境になる。

 それが日本中あちこちで“普通の光景”になるわけだ。


 
 そしてそれが「島」となると、もちろん無人島になることを意味する。

 これは陸地・山間のどこかの集落が無人化するより、(なぜか)ひときわ人の感慨を催す――

 と、あなたは思われないだろうか?


 いや、有人島が無人島化するって、これだけ地方の過疎化が言われ続けてきたのだから、そんなに珍しくないのではないか?

 と思うのが普通というものだが、実のところ1980年代以来、日本においてそれはほとんど起こっていないらしい。



 しかしここに――瀬戸内海は広島県呉市に、「情島(なさけじま)」という島がある。

 その人口は2017年の今現在、わずか7人である。(そして高齢化率は100%)


 私は「小さい島」というのが好きなので、いろいろ調べてみたのだが……

 どうもこの情島は1980年代以来、数十年ぶりに「純粋に過疎化によって無人島化する」日本初の島になるようだ。

 情島は、人口減少下の「縮小日本」において、その魁(さきがけ)となるかのように無人島化する――



 このことを知って以来、私はいつかこの島に(まだ1日3便の定期航路がある)行こうと思っていた。

 いずれ近いうち無人島化して行けなくなる前に、人が生活して“島が生きている”うちに、その光景を記録したいと思っていた。

 何だかおこがましいような言い方になるが、誰かがそれをしなければ誰もこんなことやらないだろうと思ったのである。

(あなたは、自分の住んでいる土地でさえ、後世に残すために写真を撮って回ったりしますか?)


 そして2017年8月26日(土)、ついに情島へ行くことができた。

 島へ渡る定期船(漁船の改造船である)の料金は、往復410円。

 “廃屋街”の路地を歩き、廃校の校庭にたたずみ、砂浜を歩き……

 情島に人が住んでいた最後の日々の一日となるだろう、2017年8月26日という日の光景を、文章と写真に記録することができた。

20171130情島・廃屋1

20171130情島・廃屋2


 それを電子書籍にまとめ、このたびアマゾンkindleで発売開始したのが

表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』ブログ記事用

『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ-人口7人・広島県呉市「情島」訪問記“失われる時を求めて”』

 である。

(最近プロレスを見れていなかったのは、これを書いていたからでもある。)


 我ながら思うが、滞在時間2時間半でよくも原稿用紙350枚超も書けたものだ。

 はたしてあの「軍艦島」と違って「情島」という島に、どれだけの人が関心を持っているかわからないが――

 もはや無人島化することが不可避である島が、まだ有人島であった頃の情景を、(自分の地元でもないのに)多くの人に見て記憶してほしいというのが本心である。

 その光景は、これから無人化する日本各地の膨大な数の集落の光景でもあるのだから……


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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙 表紙:『もうすぐ無人島になる瀬戸内の島へ』 ブログ販売欄掲載用

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