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世Ⅳ虎vs悪斗③ スターダム最大のミステイク

 風香GMは謝罪会見で、「実力差のありすぎるマッチメイクを行ったこと」を今回の事件の原因・反省点に挙げていた。
 私はこれこそ、今回スターダムが事後処理で犯した最大のミステイクだと思う。

 この試合、世Ⅳ虎は赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)の王者として、白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)の王者でもある挑戦者・悪斗を迎え撃つ形だった。つまりこれは、王者対決だったのである。

 一つの団体にいくつもシングル王座がある、というのはプロレス界によくある話だ。
 業界最大手の新日本プロレスにさえ現在3つのシングル王座(IWGPヘビー、IWGPインターコンチネンタル、NEVER)がある。(ジュニアヘビー級は除く)
 門外漢にとってはこれからして不思議に思えるだろう。
 ただしある程度見ていれば、どの王座がどんな位置づけでどんな序列にあるのかはだいたいわかってくるものではある。

 スターダム自身は、赤いベルトは「女子プロレス界全体の最強王座」、白いベルトは「スターダム団体内での最強王座」と位置づけている。
 これはどうやっても前者が格上としか解せないが、しかし私を含む観客側のイメージとしては、前者は「強さを感じさせる人の王座」、後者は「アイドル系・ビジュアル系レスラーのための王座」となっているのではないかと思う。
 とは言えあくまで公式の位置づけによれば、悪斗は(赤いベルトの王者を除き)団体内で一番強い選手のはずなのである。 その実力は赤いベルトの王者と互角とは言えないにしても、かなり伯仲したものであって然るべきなのだ。

 それがGM自身、「実力差がありすぎる」などと言ってしまった。
 これは悪斗の王座戴冠というのが、会社に作られたものだと自白したも同然である。
 「二人の仲が険悪なのを知っててこんなカードを組んでしまったのが原因」だったとだけ言えばいいのに、それだけでも説得力はあったのに、つくづく余計なことを口にしたものである。

 世Ⅳ虎と悪斗の実力差がそれほどのものだったとすれば、今まで悪斗に負けたことのある選手はどれほど弱いことになるのだろう。
 そういう選手が勝つこともあるというのは、やっぱりプロレスの勝敗自体が作りものであるということにならないか?
 
 しかし救いと言えば皮肉になるが、ファンたちも悪斗が強い選手だとは元から思っていない。
 ネットでの書き込みでも、(もちろん私が見た限りではあるが)「強いはずの悪斗がどうしてあんなことに……」などというものは一件もなかった。

 そしてさらに言えば、観客は、プロレスの勝敗が本当に純粋な争闘の結果決まるものだとは思っていない。
 そこにはやっぱり会社の意向とか今後の展開上の都合とか何らかの要素があって「決められている」ものだと、確信は持っていないにしても思ってはいるのである。

 たぶん、今の時代に新規のプロレスファンになる人も、ほとんど全員がそう思っている。
 「プロレスは八百長」というのが世間の一般常識である以上、思わないわけがないのである。

 それでもプロレスを見に行ったりレスラーに声援を送ったりするファンのことを、世間はこれまた不思議に思っていよう。
 いったいプロレスファンは、なぜプロレスのファンなのか。
 なぜ勝敗が決められたものだと薄々わかっていながら、わかってはいないにしてもある程度の疑いを持っていながら、どうして心から選手を応援するようなことができるのだろう。
 どうしてカネを払って試合を見たり本を買ったりTシャツを買ったりするのだろう。

 これについて論じ始めるとあまりにも長くなるので、ブログの別記事あるいは本に書くこととしたい。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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