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新日本2017G1決勝前の小総括3点

 新日本プロレス・G1クライマックスは8月11日~13日の両国3連戦で終了するが、13日のみを残す今の段階で、ちょっとした総括を行ってみたい。

 なお、決勝戦のカードは「内藤哲也 vs ケニー・オメガ」。

 個人的な予想では、内藤が勝って2018年1月4日の東京ドームで王者オカダ・カズチカと対戦するのではなかろうか。


 これだけの「コス・インゴ旋風」を巻き起こしてカリスマに成り上がった内藤にとって、この上求める目標は(ずっと前から自分で「最高の目標」だと言ってきたIWGPヘビー級王座しかないからである。

 また観る側にとっても、「オカダvsケニー」のカードはさすがに新鮮感がない。

 2017年1月4日、6月の大阪DOMINION、そしてつい8月12日(G1準決勝)と1年のうちにすでに3回見せられていては、百人中百人が「オカダvsケニー」より「オカダvs内藤」を選ぶだろう。


(そして内藤哲也は、ナンボ何でもIWGPヘビー級を戴冠すると思う。)

 それはさておき、2017年のG1小総括を――


(1) 第三世代の半退場が決定的に

 いわゆる「第三世代」に属する永田裕志と小島聡は、ともに1勝8敗という戦績で終わった。

 まさかこの2人が優勝戦線に絡んでくると予想した人は(熱烈なファンですら)いなかったろうが、これほどの低成績もまた予想できなかったろう。

 特に永田裕志は「最後のG1出場」を掲げて出場したのに、あまりと言えばあまりな結果である。

 首の怪我により通常の大会にすら出場機会の少なくなった中西学に続き、ついに満天下のプロレスファンに向け、「第三世代はもう新日本の中心軸から引退する」という明確なメッセージが発せられた格好だ。

 しかし11日の永田最後のG1戦、バッドラック・ファレ――永田の率いた「青義軍」所属時代はキング・ファレ――との対戦では、今大会随一の感動的な光景が現出した。

 永田の入場時、大勢の(ほとんど全員にすら見える)観客が「永田 G1 LAST MATCH」の紙を掲げ、この時点で永田は涙ぐんでいた。

 そしてバッドラック・フォールで永田を下したファレは、永田に小さく一礼する。

 これはたぶん、他のスポーツでは現出させることがかなり難しい胸熱な光景、美しい光景である。
 

(2) 棚橋弘至もまた中心軸から外れつつある/インターコンチベルトの価値はますます迷走

 6月11日の大阪DOMINIONで、棚橋弘至は内藤哲也を破りIWGPインターコンチネンタル王座を奪取した。

 しかし、それによって彼が「エース復権」した印象が全くないのはどういうことか?


 それに比べて内藤哲也は、ベルトなんかなくったって依然新日本の中心軸にいる。

 今G1で棚橋は、その内藤に準決勝で敗北した。

 最近の棚橋の試合内容で気になるのは、ドラゴンスクリューを非常に多用する傾向にあることだ。

 これは偏見なのだろうが、どうもドラゴンスクリューとは「衰えたレスラーが多用する技」とのイメージが強い。


 いや、もしかしたら棚橋が原因でそんなイメージが付きそうな恐れさえある。

 そしてやっぱり棚橋は衰えていると、多くのファンは感じているはずである。

 40歳になった棚橋もまた、第三世代のように「外れる準備」がなされつつある……そういう印象を持っていないファンを探す方が、実は難しいかもしれない。

 しかしこれより問題なのは、そんな彼がインターコンチネンタル王者であることだろう。

 正直言って新日本は、「ベルトの差別化」というものに完全に失敗していると思う。

(それが言い過ぎなら「迷走」である。)


 いったい、IWGPインターコンチとはなんなのか。NEVER無差別級とは何なのか。

 この疑問を説明できる人は、当の新日本のフロント陣(営業・マーケティング陣)にもいないような気がするのは気のせいか?

 これならまだ、DDTのアイアンマン王座やエクストリーム王座、スターダムのハイスピード王座の方が、はるかに「特色ある王座」と言えるのではないか?

 そしてやっぱり、全日本のように「新しいベルトを増やさない」という選択肢は正しいのではないか。 



 ベルトを増やせばタイトルマッチが多くでき、営業的には有利かもしれない。

 しかしやっぱり、増やせば増やすほどベルトの価値や特色が下落していくのは当たり前の現象である。

(その点、「インターコンチの価値を上げた」中邑真輔は、やはり非凡なレスラーである。

 いや、「ベルトに価値があるのではなく、ベルトを持つ選手によって価値が決まる」という一般論の現れか?)


 なんだか新日本がベルトを増やしてきたのは、営業的な理由でなければ――

「適当なポストがないと人事の処遇に困るから」

 という、日本のどこにでもある会社・組織の悪弊のようにさえ思えてくるのだ。


 そういえばIWGPタッグ王座すらも、ファンの中ではNEVER王座と似たり寄ったりの価値しかなくなっているように思う。

 ベルトの価値をどうするのかという問題は、好調の続く新日本においてアキレス腱とは言わないまでも、大きな課題だと感じるのだが……


(3) ジュース・ロビンソンの躍進

 なんとジュース、ケニー・オメガだけでなくマイケル・エルガンをも破ってしまった。

 G1開幕前なら、ジュースがこの2人に勝つなど思いもよらなかったろう。

 永田と小島の「1勝8敗」というのは、まさにジュースが収めそうな成績だと予想していた人が多かったはずである。

 ジュースについては先日も少し記事を書いたのだが――

(⇒ 2017年8月6日記事:G1後半戦-EVILがオカダに、ジュースがケニーに激勝! “レスラーは35歳までが岐路”説と「ジュース」「ヘナーレ」の名前について)

 しかし正直、これから新日本がジュースをどういう風に位置づけするのか、予想することは難しい。

 外れるのを承知で言うと、「エルガンと組んでタッグ戦線に打って出る」といったところだろうか……

 ともあれ一躍ガイジン勢の注目株となった彼、今後の動向に注目したい。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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