アントニオ猪木とIGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)の抗争は、どうやら“プロレスの話題作り”ではなく本物のようである。
猪木がツイッターで代理人弁護士の資料を公開すれば、

IGFは公式サイトで6月14日の株主総会通知書を公開する。


特にIGFの株主総会通知の最後の1枚に書かれていることは痛烈極まる猪木批判であり、こんな通知が届くなら私もIGFの株主になってりゃ良かったと思うほどである。(しかし、IGFの株ってネットで買えるのだろうか……)
また、週刊ポスト誌上では、いまや新たな“IGFの象徴”であるサイモン・ケリー・猪木氏のインタビューが掲載されているのだが――
(⇒ niftyニュース 2017年6月22日記事:アントニオ猪木氏と、娘婿のサイモン・ケリー猪木氏との間に“お家騒動”) これによると猪木は、娘婿のサイモン氏どころか実の娘とも断絶状態にあるようなのだ。
それにしても、イノキ・ゲノム・フェデレーション(直訳すると「猪木遺伝子集団」)という名の会社が猪木と争い、創業者とその娘・娘婿が断絶ないしリアル抗争状態にあるというのは――
いくらIGFといえどもカオス中のカオスであり、
いくら猪木といえどもハプニング中のハプニングである。 ところで今のプロレスファンのうち、プロレス史に多少とも興味があって本を読んだ人の大半は、アントニオ猪木というのは「老害」だと感じていると思われる。
プロレスラーとしては確かに最高だが、人間としては最低。 それが猪木に対する(愛憎半ばする、と言えば言える)ストレートな感覚・評価・イメージではなかろうか。
しかも身内中の身内たるサイモン氏(を始めとするIGF取締役たち)からさえも「金銭のだらしなさ」「責任感の欠如」を公然と批判されているのだから、その印象はたぶん正確なのだろう。
しかし、そういう人間だからこそ現役時代のモハメド・アリと異種格闘技戦で対戦するなどという空前絶後の「偉業」(もちろん“まっとうな”スポーツファンにとっては「恥ずべき茶番」だが――)が達成できたのだろうし、
もし猪木が「平気で人を裏切る」人間でなかったら、あのUWFも誕生してはいなかった……(UWFは、新日本プロレスのトップであった猪木が、テレビ中継してくれていたテレビ朝日との交渉を有利にする目的で「フジテレビに移るぞ」とのカードを得るために分離独立させた団体である、というのが定説である。
前田日明は「先に行ってこい、オレも後から行く」と猪木に言われてUWFに行ったらしいが、結局猪木は来なかった。)
そう考えると、今回の猪木vsINOKI騒動も、もしかしたら新しい団体を――
それこそ“新生IGF”という、後世に大きな影響を及ぼすかもしれない団体を生む可能性だってある。
(ただそうなれば、さすがに“イノキのI”を含む団体名ではいられないはずだ。
やっぱり新団体名は今の「NEW」をそのまま用いるのだろうか?)
しかし現代はUWF誕生時と違い、プロレスが世間に拡大する時期に当たるとは言いがたい。
(新日本プロレスのV字回復があっても、なおそうである。)
そうなるとIGF改めNEWの猪木との絶縁・独立は、単にまたまたインディー団体ができたに過ぎないことになりかねない。
しかしまあ、
つい最近「はぐれIGF軍団」というのがプロレス界で活動していたが、まさかIGF自体が猪木とはぐれ、「これがホントのはぐれIGF」になってしまうとは…… まったくプロレス界は一寸先は闇、一寸先はハプニングである。
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