6月3日の新日本・代々木国立競技場第二体育館大会において、KUSHIDAがウィル・オスプレイを破りベスト・オブ・スーパージュニアで2度目の優勝を飾った。
私も2015年には「Super Jr.はKUSHIDAが優勝――新日本ジュニアの「新しいステージ」とは」という記事を書いているので、同じタイトルで記事を書くのは今回が2度目になるわけだ。
(⇒ 2015年6月7日記事:Super Jr.はKUSHIDAが優勝――新日本ジュニアの「新しいステージ」とは) ところで今回のKUSHIDAの優勝は、新日本ファンにとっても意外な結果ではなかったかと思う。
KUSHIDAはつい先日高橋ヒロムに秒殺負けし、今大会でも開幕2連敗するなど、絶不調のイメージがこびりついていたからである。 しかし終わってみれば、また“騙されていた”ことに気づく――
このように騙されるのが「嬉しい」のか「説得力がない」とみなすのか、それは個人個人の個性による。 とはいえ考えてみれば、
KUSHIDAは5月14日(日本時間では15日)、アメリカはフィラデルフィアでROHの世界TV王座を奪取している。しかもあの、今スーパージュニア大会で大人気を博したマーティー・スカルを破ってである。
(ちなみのこの「TV王座」というもの、日本ではまず採用されない王座名である。
おそらく100人中100人が「テレビ王座?」と何とも言えないおかしみを覚えてしまうからだ。) 確かにKUSHIDAは今大会でもROHテレビ王座のベルトを着けて入場してきていたが、彼が高橋ヒロムと同じく現役王者として参加しているのだと意識したファンがどれだけいただろうか?
これは、外国の王座というのが日本ではどの程度の(ファンからの)扱いなのか、如実に示している。
やっぱり人間、普段見てもない外国の団体のベルトにはあまり印象を受けないのである。
(WWEのベルトなら別として……)
よってKUSHIDAは、別に絶不調であったわけでもない。
れっきとした優勝候補の一角と見なされるべきだった。
しかしそれはそれとして――
ますます株を上げたというか、さらに地位を確固たるものにしたのは、やはり準優勝者・オスプレイである。
私としては何となく、オスプレイはかつてのプリンス・デヴィット(現フィン・ベイラー)の後釜に見える。
そしてその行く末も、デヴィットの後を追うのではないか――WWEからスカウトが来るのではないかと思える。
「世界のどこか ⇒ 新日本 ⇒ WWE」というのが、もはや確立しつつあるパイプラインのように見えるのである。 なお6月3日の大会では、負傷欠場中の棚橋弘至がリングに上がって内藤哲也と対峙し――
一部ファンのブーイングに対して「何て? はっきり言え、この野郎!」と静かながらも悪態をついたのも印象的であった。 そしてまた、このようなことがあるからこそ、6月11日・大阪城ホール大会での2人の対決に興味が増すというものだ。
プロレスファンは(全員が全員ではないが)、騙され・煽られるのが基本的には好きである。
それが自分たちの予想範囲内を超えると、嬉しさは例えようもない。
“落日のエース”と見なされている棚橋が、人気・支持絶頂の内藤に対し、どんなサプライズを見せてくれるのか―― 対戦カードのマンネリ化という批判をひっくり返すような、ワンダフルな試合を期待したいものである。
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