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IGF=NEWの混乱劇- “子殺し”猪木はいまだ健在

 IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)が、混乱というか存亡の危機に陥っているようである。

 5月25日、アントニオ猪木(74歳、参議院議員)は新格闘イベント「ISM(イズム)」の開催を発表。

(7月24日に後楽園ホールで開催。この会見には藤原喜明、西村修、木戸修、鈴木みのるも出席した。)

 その場で猪木はIGFについて、「会社の整理という形で考えていて」と発言した。

 これを受けて6月2日のNEW(エヌ・イー・ダブリュー。IGFの新ブランド名)後楽園ホール大会では、大会冒頭でIGF取締役のサイモン猪木がマイクを持ち、

「猪木さんが言ったことで、みんなビックリしているのが正直なところです」

 と挨拶。

 そして会場入口ではサイモン猪木自ら先頭に立ち、存続を願うファンの署名活動を始めたそうだ。

 なお、NEWは旗揚げ第2シリーズに入っているが、そのサブタイトルも「整理されるのか、続行できるのか」に急遽変更した。


 ……さて、サイモン猪木とはアントニオ猪木の娘婿である。

 シリーズのサブタイトルを「整理されるのか、続行できるのか」に変えたというが、そういう変更はむしろ「客寄せの話題造りじゃないか」と疑われても仕方ない。

 プロレスファンはまたも、「これは本当の出来事なのか、それとも演出なのか」という難しい解釈を押しつけられているのだろうか?

 なお猪木は、6月2日大会の4時間前に自分の公式ツイッターで呟き、


「今のIGFには理念が無い。

 カネが絡むと、どうして人間はこうなってしまうのか。

 IGFからは、とっくに手をひいている。

 俺の名前を勝手に語るな。NEWは勝手にやればいい」



と、完全決別宣言としか言いようのない台詞を吐いている。

 それにしてもこの台詞、古くからのプロレスファンには懐かしくもお馴染みのものである。

 カネ云々はともかくとして、猪木はかつて新日本プロレスに対してもこういうことを言っていた。

 「団体を作っては壊す」というのは猪木のお家芸であり、まさに「破壊なくして創造なし」というZERO-1のスローガンを現実に地で行っている。

 さすが“子殺し”の猪木である。(『子殺し』はGK金沢克彦氏の代表作だが、何と素敵なタイトルだろうか。)


 最近発行されたプロレス史の本では、IGFのことを「猪木最後の団体」と表記する例もよくあったが――

 なんと74歳にして、なお猪木は団体を壊し・旗揚げしようとしているのだ。

 こんなことはプロレス誌の編集部やプロレスジャーナリストにも予測できなかったろう。

 そしてコアな猪木ファンは、「これでこそ猪木!」と却って意を強くしたのではないかと思う。

 
 また、この6月2日の試合、メインイベントもメチャクチャだったようである。

 「村上会 vs IGF」と銘打たれたタッグマッチは「村上和成 & 佐藤耕平(ZERO-1)vs 鈴川真一 & 奥田啓介」だったのだが……

●先制攻撃を仕掛けた奥田が逆にボコボコにされ、

●鈴川は一度も試合の権利を受けず(奥田のタッチを受けられず)に試合敗北、

●マイクで吠える鈴川に青木真也(もうすっかりプロレスラーである)が「おまえがショッパイからこんなことになってんだよ」と言い、

●さらに藤原喜明が鈴川を平手打ちし、村上と握手してから手紙を渡し、

●それは何かと訊いた佐藤に村上は「天からの手紙だよ。今度紹介してやる」と答える

 という、またしても劇なのかどうなのかわからないような展開だったらしい。



 しかしまあ、思い出すのは、2010年3月20日のNOAH後楽園ホール大会メインイベント――

 「村上和成(当時はビッグ村上) & 臼田勝美 vs 力皇猛 & モハメド・ヨネ」
である。

 あのときの村上は場外乱闘でヨネをひたすらボコボコ、結局無効試合になって「観客が暴動寸前」になったとまで報道された。
 
 つくづく村上は、「試合を壊す」男である。

 いや、そういう役回りのためによく起用される男である。

 大会場主義のIGFから分離して“普通のプロレス団体”として地方巡業も始めたばかりのNEWだが――

 良くも悪くも注目を集めているのは確かなので、せめてプロレス界のワイルドジョーカーとしての地位は確立してほしいものだ。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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