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本間朋晃、頸椎損傷により欠場へ-“繋ぎ技”にも潜む危険

 好事魔多し。

 隆盛を続ける新日本プロレスにあっても人気の高い(ただし、立場的にはフリー選手だが)レスラー、本間朋晃が――

 新日本3月3日・沖縄武道館大会の「真壁刀義&本間&マイケル・エルガン vs 矢野通&石井智宏&邪道」のタッグマッチにおいて、邪道の変形DDT(グリーンキラー)を受け頸椎損傷を負った。

 本間は全く動けなくなり、邪道が本間をフォールして試合を終わらせ、リングドクターやトレーナーが入って会場は騒然としたという。

 救急隊が到着したのは試合終了から10分以上経過した後、観客からの本間コールが起こる中で救急車で病院へ搬送された。

 この試合、メンツからしてコミカル色の半分くらい入った「楽しい試合」になるはずだったと思うが、しかし思わぬ暗転となった。

 私は試合映像は見ていないが、報道記事だけ読んでいると、嫌でもあのこと――

 2009年の三沢光晴のリング禍を思い出さずにはいられない。

 きっと会場で本間コールを送った観客のうちの多くも、同じことを考えただろう。


 本間は今年でデビュー20周年。“何を言っているのかわからない”ハスキーボイスで世間的にも比較的名を知られるようになり、いま最も運気上昇中のさなかにこんな出来事に見舞われてしまった。

 しかし変形とは言えDDTとは、今の日本のプロレス界ではなはだしく氾濫している技の一つだ。

 DDTが一度も見られない大会はほとんどなく、それはすなわち誰もフィニッシュホールドに使っていないことを意味する。

 はっきり言って観客も、誰もDDTで勝負が決まるとは思っていない――

 ジャーマンスープレックス(ホールド)はしばしば「昔は決め技だったのに、今はただの繋ぎ技になってしまった」と言われるが、それでも今でもフィニッシュホールドになることはよく見られる。

 これに比べても、DDTの「繋ぎ技ぶり」は際だっている。

(断言はできないが、昔からDDTで勝敗が決まったことはなかったのではないだろうか?) 
 
 しかしそんな技ですら、頸椎に重傷を負わせることはできるのだ。



 プロレス技は、「わざと受ける」ことで成立していると言われる。

 なるほど特に場外ダイブ系の技は、喰らう方がわざと待っていなければ――自分の体をクッションにしようとしなければ、決して成立しない技であることは子どもにでもわかる。

(あれを避けるというのは、むしろ非人道的だと見なされるだろう。)


 しかしたとえわざとでも、やっぱりリスクはあるのである。

 しかもそのリスクは、たとえば総合格闘技で「本物のパンチ・キック」を喰らわされるよりはるかに高いのかもしれない。

(何と言っても、レフェリーが止めてくれる。)


 残念ながらプロレスというものが続く限り、負傷はおろかいつか必ず半身不随化ないし死亡事故が起きることは避けられそうもない。

 そりゃあんなことを連日多くのレスラーが続けていれば、起こらない方が不思議なのだ。

(これは交通事故にも似ている――これだけ多くの車が毎日毎日走っていれば、重大事故が起こらないはずがない。)  


 やっぱりレスラーにとっては、必ずしもプロレスファンに“危険技”と認知されている技だけが危険なのではない。

 DDTという“何でもないような技”にさえ危険は充満しているのであり、「わざと受けている」のだから「プロレスラーは(本物の格闘家と比べて)気楽なもんだ」というものでもない。

 
 本間の欠場により、真壁刀義が自らの20周年大会で言っていた「自分が休養に入る前に、本間とのタッグでIWGPタッグ王者になる」構想は消えてしまった。

(3月6日の大田区体育館大会(旗揚げ記念日大会)でタッグ王座戦に挑むのは、テンコジ組に変更された。)

 真壁にとっても無念極まることには違いない。

 今はただ、本間の回復を願うばかりである。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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