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JWPの突然死-これは女子版UWF分裂劇か?

 2月8日、JWPの所属全7選手が会見を開き、代表のコマンドボリショイから――

 全選手がJWPから離脱し、新団体を旗揚げするとの発表が行われた。


 JWPの名で大会を行うのは4月2日後楽園ホールでのJWP25周年大会が最後で、当面は「ドリーム女子プロレス」として興業を継続し、8月11日後楽園ホールで新団体として旗揚げ戦を行うとのこと。

 なお2月5日のラゾーナ川崎プラザソル大会では試合終了後、ボリショイがリング上から「JWPも25周年。これから30年40年とずっとJWPとしてやっていきたかったです」とマイクで述べ、JWPの終焉を匂わせていた。

 さらに遡れば今年1月8日、JWP選手らはJWP運営会社である「JWPプロデュース」から独立して「ピュアドリーム(株)」を設立。

 1月11日には新道場・亀アリーナ(東京都の亀有駅付近)のこけら落としイベントに際し、その設立発表が行われている。

 設立発表の挨拶をしたボリショイは「新会社を選手一丸となって運営していきます」と言っているので、その時から新団体設立はもう決まっていたはずだ。

 いや、デイリースポーツの記事によると、昨年11月にはすでにボリショイを代表取締役とするピュアドリーム(株)は商業登記されていたそうなので、最低でもそのあたりから決まっていたことになる。

 この新会社設立の件、私もそれに関する記事だけは読んでいたはずなのだが、心理的にはベタ記事扱いであった。

 まさかこれがJWP消滅につながる話だなどと、全く思いもしなかった。


 しかし今になって振り返れば――

 運営会社が現にあるのに、わざわざ選手代表を代表取締役とする新会社を設立するということ自体、「何でそんなことするんだ」と思うべきだったろう。

 そして、なぜそんなことをするのかといえば、もちろん独立するために決まっている。

 なお、同じくデイリースポーツの記事によると、「JWPという団体名」及び「JWP無差別級王座・タッグ王座・ジュニア王座」はJWPプロデュースに残り――

 「デイリースポーツ認定女子タッグ王座」と「POP王座」はボリショイの新団体が管理するそうである。


 
 さて今回の件、NOAHの場合とは違い、別に現団体の債務超過が原因で新団体を設立する、というわけではないようだ。 

 では何が原因かと言われれば(事情通でもない私には)見当も付かないのだが――

 ボリショイらが守りたくてたまらなかったろう「JWP」の名をJWPプロデュース側が譲り渡さなかったことを考えてみれば、運営会社(フロント陣)と選手らの間に、何か抜き差しならない対立構図があったに違いない。

 思えば中島安里紗がJWP無差別級王者でありながら(そして一度JWPを退団し出戻った身でありながら)ベルトを返上し、JWPを退団したのが昨年12月28日だった。

 もしかすると中島は、こういう「フロントvs選手」の対立に嫌気がさしたから辞めたのではないか、と勘ぐりたくもなろうものだ。


 
 そしておそらく、昔からのプロレスファンなら、本件について思い出さずにいられないことがある――

 それはもちろんあの、「第二次UWFの解散・分裂劇」である。

 1990年12月、第二次UWFの社長・神新二は、前田日明をはじめとする所属全選手を解雇するという空前絶後の処分を下した。

 これは今から見ても、「こんなことがあるのかよ」と感じざるを得ないインパクトがある。

(むろん神社長は、これ以上UWFという会社でプロレス興行をやっていく気がなくなったのに決まっている。) 



 前田ら解雇されたUWF選手らは、一丸となって新団体を設立し「Uの闘い」を持続させるはずだったが――

 それから1ヶ月も経たない1991年1月、前田日明の自宅における選手間の話し合いがこじれ、第三次UWFは発足前から空中分解。

 UWFはUWFインターナショナル(高田延彦ら)、リングス(前田1人だけ)、藤原組(藤原喜明ら)に分裂し、藤原組からはさらにパンクラス(鈴木みのる、船木誠勝)が独立する。

 現在その命脈を保っているのは、総合格闘技団体に衣替えしたパンクラスのみ。

(藤原組は藤原喜明が生きている限り存続していることになる、と言えば言えるが……)


 ただUWFと今回のJWP離脱組が違う点は、JWPの選手たちはボリショイを中心に団結し、分裂する気配がほとんど見えないところだ。

 しかし気になるのはむしろボリショイらの新団体より、全選手が抜けたJWP(プロデュース)の方である。

 「JWPという団体名」と「JWP無差別級王座・タッグ王座・ジュニア王座」のベルトがJWPプロデュースに残るのなら――

 当然ながらJWPプロデュースは、選手さえ揃えればJWPという名でJWPのプロレスを再興(継続)することができる。

 しかしこの場合、そのJWPとボリショイらの新団体のどちらを「新生JWP」と呼ぶべきか、非常にファンを迷わせることになるだろう。


 果たしてJWPプロデュースはプロレス事業から撤退するのか、それとも新選手を集めてプロレス事業を続けるのか?

 後者の場合、またしても女子新団体が一つ増えることになる。


 もういい加減、女子団体は増えすぎだと誰もが思っているはずだが……

 あの女子プロレス対抗戦時代の華であった老舗団体「JWP」の名は、完全に消えるのだろうか。

 それとも所属選手が完全に入れ替わるという、正真正銘の「新生JWP」として、思いもよらぬ選手が入団することになるのか――

 なんだか女子プロレス界、今年は急にざわめきだしたようである。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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