
週刊プロレスno.1789(5月6日号) 引退した森嶋猛(引退した以上「さん」か「氏」を付けるべきかもしれないが、ここでは付けない)が、フェイスブックに自分の心情と行動を詳しく書いているという。
「という」と書くのは、私がフェイスブックをやっていないので直接見れないからである。
しかしブログ『伊賀プロレス通信24時間 日常茶飯事』4月24日付けに掲載されていたので、読むことができた。
非常に興味深い内容なので、掲載されていた全文を転載させていただく。ただし、下線部は私が引いたものである。
(伊賀プロレス通信24時間様にお礼申し上げます。)
**********(引用開始)*******************
とりあえず!
自分が引退するのは決定しているから書きます。
会社に引退を報告した時に会社が欠場発表するとなりました。
いきなり辞めると言われたので混乱したのは考えればわかるけど!
自分の決意は変わらないのでもう少し自分にフォローが欲しかった。
その後に社長に電話しても繋がりませんでした!
自宅でぼーとしていると会社でタッグリーグの会見前の選手達に自分の引退を報告したことがわかる。
めちゃめちゃ悲しくなりました。
選手には引退の報告は自分でしたかった!
全国の知り合いから欠場大丈夫か?と聞かれても本当は引退なのに嘘をつく自分が辛かったです。
そこからは会社に不信感しかなかった!こうなったら自分でプロレス業界関係者に連絡しようと思いました。
会社が引退のプレスリリースをしたらに飛び乗りました。
向かった先は奈良の天理!
駅に着いたらパートナーの力さんが迎えにきてくれた。
力さんはプロレスの前に相撲で自分と同じような経験を
していたからだ!
力さんの自宅に初めて行った!
何も悪い事をしたわけでもないのにまるで逃亡者のように逃げてきた自分を迎えてくれた力さんには感謝しかない!
業界を辞めてラーメン屋をやっているのに業界の事を話して申し訳ないと思いました。
そこから自分のプロレスの振り返りが始まりました。いろいろな事があったしプロレスしかやったことがない自分は気持ちが一気に下がりました。 翌日に引退のマスコミ発表がありました。
大阪スポーツの裏に自分が掲載されていた。
十三で知り合いの福田先生と井口さんがやっている鉄板焼で乾杯しました。
しこたま飲んだ!
途中から記憶がないほどに!
コスプレの格好して何とか楽しませようとしてくれました。
因みに自分もコスプレしたらしいが記憶がない!
写真があるらしいが(--;)
気がつくとサウナに来ていた。
仮眠室で寝ていたら隣の人のイビキで寝れないのでサウナを出ました。
でも行く場所がない!
街を歩くと個室ビデオがあり初めて入りました。
個室ビデオでも携帯電話が鳴りっぱなしだがマナーモードにしてタッチ芸人を観賞してました。
ちょっとリラックスできました。
その後は大阪の街を徘徊しました。
プロレスの世界は大混乱かもしれないが街を歩いても声をかけられたのは1人でした!プロレスの世界にいる人達は気づかないが一般の社会では俺はあまり知られていない事を確認しました。その日は力さんの所に戻りました。
力さんも休日だったから寿司屋に行きました。
力さんの自宅に戻り庭で話してました。
引退をすると決めてまだ予定が決まらないとテンションが一気に落ちる。
朝型まで寝れないので携帯電話に依存していた。
力さんと朝型に喧嘩になりそうになった。
そこまでテンションが下がっている自分に付き合ってくれたのは力さんも同じ経験をしていたからだ!
携帯電話は鳴りっぱなし!
もうこれは日本にいれないと思った。海外逃亡者までになるしかないと思ってしまいました。逃亡者のように東京から出てきた自分は薬がなくなってしまった!力さんの奥さんと病院に行き現在の状態のチェックと薬をもらいました。
力さんの奥さんも力さんと一緒に同じ経験をしているから自分の事をよく理解してくれました。
そして奈良の母になりました。
奈良の母に駅まで送ってもらって駅で電車の確認をしたが東京と違いあまり電車が来ない!
現在の自分の精神状態は逃げたいばかりだった!タクシーで大阪に向かう事を決意した。
桜井駅のタクシー運転手の小田さんに大阪の帝国ホテルに行く事を頼むとビックリしていた。
桜井から大阪に行くなんて大丈夫かと聞かれる。
無職ですがお金はありますと伝える。
タクシーの中で自分の事を伝える。
こんなことは二度とないと喜んでくれた。
大阪に着くと週刊プロレスが表紙だから小田さんにサインをして渡そうと思ってコンビニを
徘徊しました。
全然売ってないので住所を聞いて後で送る事にした。
帝国ホテルで小田さんと握手して別れる。
電車だったら絶対にない経験!
これも非日常の世界でした!
帝国ホテルの和食の個室で1人待っている。
高層階でぼーと待っている。
マイナスの事しか考えていない!
円さんがやって来た。
円広志さんには大変お世話になっています。
円さんと話していて自分は不満や愚痴しか言っていない事に気づかされる
ここまでやってきた自分を応援してくれたファンを置き去りにしてはいけないと感じた!
田上社長に自分がやれることは全部やって辞める事を電話で伝える。
付き人もやって長年お世話になった社長には感謝しかない!
副社長にも伝える。
これで全部終わりました。
リングに上がる前に伝えたかったので書きました。
自分はリングに上がると試合に集中して回りが見えないタイプなので試合はしないがマイクは苦手だ!
現在の心境はこんな感じです。
俺は試合はできないが俺の事をとやかく言うなら覚悟したほうがいい!俺はこの業界に残ることはないのだから!プロレスリングノアで自分がやれることはやりきって引退します。
今回の事で思ったのは
取締役である自分でさえこうなるのだから現在リングで闘っている仲間にはしっかりと会社はしなければならない!
身体を張って頑張っているプロレスリングノアの選手頑張って下さい!
自分は応援されてきたから応援団として頑張ります。
ファンの皆さま本当にありがとうございました。
後は会場に行くだけです。
◇
(追記)
後で知った事だがタッグリーグの前に選手に話していたのは欠場する事と自分の肝臓の数値が高いという事でした!
いきなり引退を言ったので役員達がビックリしてしまい
コミュニケーション不足による話の行き違いがありました。 浅子さんとトレーナー室で糖質管理の本を読み糖尿病でも試合ができるように頑張っていました。
しかし鈴木軍と試合をやると思って身体をデカクしたら脂肪肝で肝機能でドクターストップになりました。
それに加え怪我が多かったので満身創痍なので引退を決意しました。
肝機能と怪我と糖尿!
手の痺れや肩は痛くて寝れないのでやむ無しです。
一概に糖尿だけではないですがコミュニケーション不足でこのような結果になりました。
糖尿は誰もがなりますし自分は遺伝です。
なので!
五ヶ月前から浅子さんとトレーナー室で糖質の勉強していました。
ビールは糖質ありますが焼酎とウィスキーは問題ないです。
蒸留酒は大丈夫です。
糖尿でもデカクて動けるレスラーでいたかった!
糖尿だから小さいレスラーでは俺ではない!
ビックリさせるつもりではなかったのですが!
現役と引退する人間の温度差は違うし辞めた人間が残っているのが社長と浅子さんしかいない!
レスラーが引退する時は決意は変わらないし会社の人間はしっかりと発表と日にちを決めたほうがいいと思います。
これからのノアは変わるでしょう!
何故なら自分が全部捧げたプロレスリングノアだから!
現在リングで闘っているプロレスリングノアの仲間をよろしくお願いいたします。
現在は血糖値も緩やかに落ちている。
レスラーの連日の営業をやめれば全然大丈夫です。
それよりも肩なんだけど!
満身創痍で悔いはない!
いつもあんなに飲んで仲がいいのにきつく言われた事は忘れません!
仲間だからこそなのは理解しています。
今はコミュニケーションがとれたから横浜で会うのを楽しみにしています。
どうぞ!
これからのプロレスリングノアをよろしくお願いいたします。
自分の本音を本当に書きましたが伝わりましたか?
プロレスリングノアでやれて本当に良かったです。
仲間達に熱い応援よろしくお願いいたします。
プロレスリングノア応援団
団長 森嶋猛
**********(引用終わり)*******************
(注)「円広志さん」(まどか ひろし)とは、森嶋と親交のある歌手のこと。
これを読んで、「末期症状」という言葉を思い浮かべないのは難しい。 森嶋も書いているとおり、彼は一レスラーでなく株式会社プロレスリング・ノアという企業の取締役でもある。
その「取締役である自分でさえこうなる」。まるで夜逃げのような逃亡劇を演じてしまう。
役員がこんなことをする会社を、誰がまともだと思うだろう。
どこの銀行も、こんな会社に融資しようとはしないだろう。 だいたいプロレス団体の社長とプロレスラーというのは、一般の職場よりはるかに身近な関係にあるように思える。
しかもこの場合、社長の田上明は元所属レスラーであり、森嶋はその付き人でもあった。
それでもコミュニケーションが取れないというのは、いったいどういうことなのだろう。
それにしても「俺は試合はできないが俺の事をとやかく言うなら覚悟したほうがいい! 俺はこの業界に残ることはないのだから!」というのは強烈である。
彼の身近に(NOAHの中に)「とやかく言う」人がいて、どうせ自分はプロレス界に残らない(その中での立場を考えなくていい)のだから、それならそれで内情を洗いざらいぶちまけてやるぞ、との覚悟が感じられる。
最後はNOAHを応援するというスタンスで締めているが、まあそれはそうだろう。
腹に一物あり恨みを抱いて退職する社員も、やはり送別会では「ありがとうございました」と言うだろうからだ。
もっとも、こうした内部対立とか水面下での好き嫌いが存在すること自体は、NOAHやスターダムやプロレス団体全部に限った話ではない。
どこの会社でも役所でも、およそあらゆる団体・組織に普通にある話である。(友人どうしの中にさえある)
とはいえ、取締役が会社に不信感を持ったあまり逃避行の挙に出る、というのも、確かにザラにある話ではない。
森嶋引退だけでもNOAHにとっては大問題だが、こうした経緯が明るみに出たことで(しかも本人がフェイスブックに書く形で)、さらにミソを付けた感がある。
何にせよ森嶋の引退は、改めて
2015年のプロレス界の中心が新日本でもDDTでもなくNOAHであることを強く思わせる出来事である。
むろんこの場合の「中心」とは、イラクやシリアが国際政治の焦点であると言うのと似た意味である。 NOAHが破綻国家であるかどうか、そうなるかどうかは、今年中に明らかになる気がしてならない。
【蛇足】
森嶋のフェイスブックでもう一つ印象的なのは、大阪の街をさまよっていたとき声をかけてきたのが一人だけだったというくだりである。
「プロレス界にいる人たちは気づかないが、一般の社会では自分はあまり知られていないことを確認した」と書いている。
思うに、仮に百人が気づいていても、実際に声をかけてくるのは十人にも満たなかったろう。
東京のプロレスファンは街でプロレスラーを見かけることが結構あると思うが、だからといっていちいち声はかけないと思う。
たいていの人間は「声をかけたら迷惑だろう、失礼だろう」としばしば遠慮するものである。
しかし、森嶋の知名度が低いのは事実だろう。
「森嶋猛」の名前を出され、それが誰だかわかる人が、あなたの身近にいったい何人いるだろう?
問題なのは、森嶋がNOAHはおろか日本のプロレス界全体でもトップクラスの選手だということだ。
(異論のある人もいようが、しかし公にはそう見なされている。だからこそ引退の件で週刊プロレスの表紙にもなった。)
現役中核世代のプロレスラーにとって、それ以上にプロレスラー以外の格闘家にとって、知名度のなさは深刻な問題である。 これについては後日、別記事に書こうと思っている。
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三沢光晴さんの事故以降、NOAH には、どうしてこう悪い事が続くのでしょうか。
本当に呪われているとしか思えません。
この負の連鎖を止める手立ては、無いのでしょうか?
KENTA の凱旋まで、会社が持ちこたえれるのでしょうか。