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RIZIN 9.25短感 藤田和之引退、山本美優・所英男・サワー敗退

 9月25日のフジテレビ系地上波放送で、同日開催のRIZIN大会を見た。

 まず思うのは、夜7時から10時までの格闘技ゴールデンタイム3時間放送がけっこう簡単に?実現したことについてである。

 格闘技ファンにとっては嬉しいことに違いないが、最近のフジテレビは視聴率が好調とは言えないらしい。

 起死回生の切り札とまでは言わないまでも、持ち直しのコンテンツとしてRIZINという格闘技イベントが選ばれたということなのだろう。

(もちろん、あのPRIDEの流れを汲むからこそである。)

 では、まず試合結果から。


*******************************

第1試合
 ○ギャビ・ガルシア vs ×デスティニー・ヤーブロー
 5分3R(無差別級契約) 1R 2分42秒 一本(アームロック)
 地上波放送あり。


第2試合
 〇村田夏南子 vs ×キーラ・バタラ
 5分3R(52.2kg契約)   判定 3-0
 地上波放送あり。


第3試合
 ×木村“フィリップ”ミノル vs 〇チャールズ“クレイジー・ホース”ベネット
 3分3R(67kg契約)    1R 7秒 KO(右ストレート)
 地上波放送あり。


第4試合(無差別級トーナメント1回戦)
 ×テオドラス・オークストリス vs 〇シモン・バヨル
 5分2R(延長5分1R)   判定 3-0
 地上波放送なし。


第5試合(無差別級トーナメント1回戦)
 ×ジョアン・アルメイダ vs 〇アミール・アリアックバリ
 5分2R(延長5分1R)   1R 2分25秒 TKO(レフェリーストップ)
 地上波放送なし。


第6試合(無差別級トーナメント1回戦)
 ×カール・アルブレックソン vs 〇ワレンティン・モルダフスキー
 5分2R(延長5分1R)   判定 0-3
 地上波放送なし。


第7試合(無差別級トーナメント1回戦)
 〇イリー・プロハースカ vs ×マーク・タニオス
 5分2R(延長5分1R)   判定 0-3
 地上波放送なし。


第8試合
 ×才賀紀左衛門 vs 〇山本アーセン
 1R10分/2R5分(62kg契約)判定 1-2
 地上波放送あり。


第9試合
 ×アンディ・サワー vs 〇ダロン・クルックシャンク
 1R10分/2R5分(71kg契約) 1R 4分9秒 一本(リアネイキッドチョーク)
 地上波放送あり。


第10試合(無差別級トーナメント1回戦)
 ×藤田和之 vs 〇バルト
 5分2R(延長5分1R)    2R 判定 0-3
 地上波放送あり。


第11試合(無差別級トーナメント1回戦)
 〇ミルコ・クロコップ vs ×ミョン・ヒョンマン
 5分2R(延長5分1R)   1R 2分30秒 一本(肩固め)
 地上波放送あり。


第12試合
 〇RENA vs ×山本美憂
 5分3R(49kg契約)    1R 4分50秒 一本(アームトライアングルチョーク)
 地上波放送あり。


第13試合
 〇クロン・グレイシー vs ×所英男
 1分10分/2・3R5分(65.8kg契約) 1R 9分49秒 1本(リアネイキッドチョーク)
 地上波放送あり。


*******************************

 テオドラス・オークリストスもイリー・プロハースカも前回RIZINで名を売ったのではないかと思うが、今回は残念ながら地上波放送カットである。

 しかし確かに、日本の視聴者向けに放送するなら他に流すべき試合がたくさんあったので仕方ないか。

 では、これらを地上波放送順に組み直し、短く感想を書いていこう。

*******************************

(1)地上波放送第1試合
   ×木村“フィリップ”ミノル vs 〇チャールズ“クレイジー・ホース”ベネット
   1R 7秒 KO(右ストレート)

 ビッグマウスにはリスクがある。木村は試合開始からわずか7秒で、跳び蹴りをパンチで迎撃されて敗れた。

 まるであの、2ラウンド目開始直後に青木真也がタックルに行って長島“自演乙”雄一郎の膝蹴りに迎撃された、超有名試合の再現であった。

 しかし格闘技ファンも、「あんなデカい口を叩いて、たった7秒で負けたのか」とバカにすることはもうしないだろう。

 どうも格闘技の煽りVというのは、お互いがそうしなければならないかのようにビッグマウスになるのが恒例だからである。

(あれ、「オレはこんなこと言いたくないんだけどな」と思いながらやっている人も多いんじゃなかろうか。)


 ところでベネットはリアル生活でも「刑務所とリングを行ったり来たり」しているそうだが――

 そういう人をリングに上げること、地上波放送で言ってしまうことには、フジテレビのコンプライアンス的に問題はないのだろうか?

 いや、たぶん問題ないのだろう。日本人は日本人がやると許せないことでも、外国人なら「まあいいか」「そんなもんか」とスルーするものである。

 なんだか、アメリカのサーバー経由でエロ画像を日本に配信すればお咎めなし、などという話を思い出してしまった。
 



(2)地上波放送第2試合
   〇村田夏南子 vs ×キーラ・バタラ
   5分3R(52.2kg契約) 判定 3-0

 村田が終始リードする完勝であった。

 しかしプロレスファンなら必ず思うに違いないが、村田を見ているとセンダイガールズの橋本千紘のことを思い出さずにいられない。

 レスリング出身というところも体型も、ホントにそっくりである。

 もし橋本千紘がRIZIN参戦ということになれば、私も(今回は買わなかったが)RIZINのPPVを買うことだろう。



(3)地上波放送第3試合
   ○ギャビ・ガルシア vs ×デスティニー・ヤーブロー
   1R 2分42秒 一本(アームロック)

 まず、プロレスラー以外にガルシアの相手の女子選手を見つけてくるのが大変だろうなと思ってしまう。

 しかし世界は広く、ヤーブローという女子アメフト出身のファイターがいるのである。

 それでも身長差は歴然で、寝かせてしまえばガルシアのものであった。

 しかしやはり、次の相手はどこから見つけてくるのだろうということが気になる。



(4)地上波放送第4試合
   ×アンディ・サワー vs 〇ダロン・クルックシャンク
   1R 4分9秒 一本(リアネイキッドチョーク)

 格闘技を全然知らない女性でさえ知っている人がまだ多いだろうサワーだが、戦歴からしてMMAではまだ初心者段階にある。

 だからバリバリのMMAファイターであるクルックシャンクが勝つのは順当なところだろう。

 

(5)地上波放送第5試合
   ×才賀紀左衛門 vs 〇山本アーセン
   判定 1-2

 アーセンってこんなに強かったっけと思うような好勝負であった。

 しかし、才賀はロープ外に逃れるのを多用したことでイエローカード1枚を食らい、ミソを付けた。

(ハイキックのキレはさすがだが、当たらなかった。)

 そして才賀の試合と言えば妻・あびる優の絶叫金切り声応援だが、今回も(前回ほどには感じなかったが)健在だった。

 試合前のナレーションでも「試合よりあびる優の声がお茶の間の注目を浴びた」というようなことを言っていたが――

 もう逆に、RIZINの大会にはあれがないと物足りないと私は思うようになってしまった。 




(6)地上波放送第6試合(無差別級トーナメント1回戦)
   ×藤田和之 vs 〇バルト
   2R 判定 0-3

 はっきり言って、面白くない試合である。

 しかしそれも無理はない――誰がバルトの巨体相手に、そんなに面白い試合ができるだろうか?

 バルトは身長198センチ、体重182キロ。

 対する藤田は身長183センチ、体重112.6キロ。(かつ45歳)

 バルトと対すればまるでプロレスのジュニアヘビー級であり、バルトに体重任せに突進されてコーナーに押し込まれればどうしようもない。

 正直、バルトの相手にこそボブ・サップとか曙とかがふさわしいのではないかと思う。

 そして試合後、藤田は涙を流しながら会見し、総合格闘技からの引退を発表した。(プロレスも引退する雰囲気だそうだ。)

 これを伝えるデイリースポーツの記事(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160925-00000116-dal-fight)では、

 「いつまでも濁してだらだらやっているバカがいるけど…おれから言わせれば…」とか、

 「いちいち(引退や現役復帰を)言って商売するやつがいて、それはそれでいいけど。自分はそういうんじゃないから。」とか、

 涙ながらではあるが相当トゲのあることを言っている。


 最近は総合格闘技で全然勝てなかった“野獣”だが、心性は最後まで“野獣”の名を辱めぬまま保った、というところだろうか。



(7)地上波放送第7試合(無差別級トーナメント1回戦)
   〇ミルコ・クロコップ vs ×ミョン・ヒョンマン
   1R 2分30秒 一本(肩固め)

 ミルコは戦慄の右ハイキックを出すこともなく、寝技でヒョンマンを仕留めた。

 決してそんなことはないはずなのだが、ヒョンマンがまるでデクの坊に見える一戦であった。

 そして試合後、あのヴァンダレイ・シウバがリングに上がり、高田延彦統括本部長の裁断でトーナメント2回戦のカード「ミルコ vs シウバ」が決まった。

 よくわからないのだが、シウバはシード選手だとその場で決まった、という理解でいいのだろうか。



(8)地上波放送第8試合
   〇クロン・グレイシー vs ×所英男
   1R 9分49秒 1本(リアネイキッドチョーク)

 さすがグレイシー、というか、勝ち方が本当に父・ヒクソンにそっくりである。

(グレイシー柔術とは背後から首をチョークすることである、というイメージが私にはある。)


 クロンもまた、MMA戦歴はこれが3戦目の「初心者段階」に過ぎない――はずなのだが、やはり他のファイターとは環境が違うのだろう。

 とはいえ私には少し疑念があって――

 それは父・ヒクソンが、「彼が相手なら息子にも勝てる」と選んだ相手が対戦相手になっているのではないか、という疑念である。

 これもイメージに過ぎないのだが、何となくグレイシー一族にはそんなことをする伝統があるようにも感じるのだ。

(PRIDEでホイス・グレイシーが桜庭和志と戦うとき、ルール変更だのなんだのを盛んに申し入れたことをいつまでも引きずるな、と言われそうだが。) 


 ただ、たとえそうだとしても、所英男と言えば今の日本のMMAを代表する堂々たる選手の一人である。

 もし叶うものなら、「青木真也 vs クロン・グレイシー」のカードを見てみたいものだ。



(9)地上波放送第9試合
   〇RENA vs ×山本美憂
    1R 4分50秒 一本(アームトライアングルチョーク)

 グレイシー一族の試合ではなく、これが地上波テレビ放送におけるメインイベントである。

 むろん山本美優のネームバリュー(と、現代日本女子レスリングの隆盛)によるものだろうが、しかし試合自体も相当面白かったので文句はない。

 実況でも言われていたが、これは総合格闘技ではなく立ち技シュートボクシングとレスリングの異種格闘技戦である。

 そしてやはり、同じMMA選手どうしの戦いより、違う競技の選手どうしの方がどうしても面白いのである。

(ライオンとライオン、あるいはライオンとトラの戦いより、ライオンとワニの戦いの方がはるかに興味深く見られる。)

(⇒ 2015年3月11日記事:『巌流島』検証大会 雑感④ 「異種格闘技戦」の復活)

 山本のタックルは期待を(たぶん)上回る見事さであり、両選手のコントラストをはっきりさせる効果があった。

 そしてRENAは前回の「飛びつき腕ひしぎ十字固め」に続き、チョークで勝つという(シュートボクシング出身というイメージをよい意味で裏切る)インパクトを残すことができた。

 もちろん競技者のレベルとしては、女子格闘技より男子格闘技の方が全体的にはるかに上なのだろう。

 RENAも山本も、男子MMA選手に比べれば総合格闘技での技量は到底及ばないのだろう。

 しかし「面白さ」と「アピール度」では、彼女たちの方が男子選手を上回っている。

 RIZINはUFCではなく、また「日本のUFC」を目指せば地上波放送を失うだろう。

 今後もRIZINには、異種格闘技性に富んだカードを一つか二つ入れ続けてもらいたいものである。


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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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