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CMパンクのMMA完敗デビューと日米プロレス観

 9月11日(現地時間では10日)、米国オハイオ州クリーブランドで「UFC203」が開催され――

 ついにようやく、元WWEスーパースターであるCMパンク(37歳)が総合格闘技デビュー戦を行なった。

 相手はミッキー・ガル(24歳)。イーファイトの記事によると、プロになってたった一戦しかしていないのにUFC代表デイナ・ホワイトに才能を見いだされ、今年2月にUFC初参戦(1ラウンド45秒で勝利)した期待の新鋭とのこと。

(こういう抜擢は、いかにも非日本的だ。)

 パンクがWWEと喧嘩別れで退団しUFCと契約したのは2014年12月だが、練習中の怪我などによりここまでMMAデビューが遅れてしまった。

 しかしUFCファン・MMAファンはもとより、WWEファン(WWEユニバース)及びプロレスファン(日本のプロレスファンを含む)も、彼が初戦を勝利で飾るとはほとんど思っていなかったろう。

 現代の我々は、プロレスラーは総合格闘技に「出ると負け」が当たり前だと思っている。

 たとえ負けるにしても、ラリアットを喰らわすとかフライングクロスチョップやボストンクラブを決めるとか、そんなことさえ全然期待してはいない。


(こんなのを期待するプロレスファンとは、よほどウブかニワカである。)


 よってパンクの敗戦は順当な結果と言えるだろうが、しかし報道記事を見ると(私は試合を映像で見てはいない)、その敗戦ぶりは完敗・惨敗と言っていいものだったようだ。

(1ラウンド2分14秒、チョークスリーパーでタップアウト=ギブアップ)

 イーファイト2016年9月11日記事では「何も出来なかったCMパンクは呆然と立ち尽くした」と書かれ、スポーツナビ同日記事では「パンクに何もさせないままタップを奪い勝利した」と書かれている。

 このスポーツナビの記事によるパンクの敗戦の弁は、次のとおり。


「生きていれば大きなことをやりたいと思うし、どんなチャンスも活かしたいと思う。

 今回は結果が伴わなかったけど、ここで辞めるわけじゃない。

 応援してくれたみんな、そして相手に感謝したい。必ず戻ってくる。

 これは初めての真剣勝負だった。妻(元WWEディーバのAJリー)と結婚したのに次いでの真剣勝負だった。

 また必ず立ち上がる。そして戻ってくる」



 まるで日本のプロレスラーが――特に新人レスラーが――言いそうな言葉だが、やはりこれは実感と言うべきだろう。
 
 そして何よりも気になるのは、「これは初めての真剣勝負だった」という部分である。

 ウィキペディアによるとCMパンクは「プロレス業界に嫌気が差している」らしいので、こういうことも平気で、というより「あえて・わざと」言えるのだろうと思うが――

 しかし今年5月にやはりWWEを喧嘩別れで退団したライバック(現ビッグ・ガイ)は、

「勝敗はあらかじめ決められている。勝者と敗者、リング上で何を言うかも全て事前に用意されている。これは選手ならみんな知っている」

と公言し、にもかかわらず賃金格差があるのは納得できなかった、と言っている。

 むろんライバックはプロレス自体を引退する気はなく、すでにインディー団体に参戦もし、これからフルタイムの計画があると言っているにもかかわらず、だ。

 もし日本のプロレスラーがこんなことを言えば、もう仕事はなくなるはずである。

 そしてファンの声援を受けることも(何も知らないでただ観戦に行くだけの人を別にすれば)、たぶんなくなるはずである。

 やはりアメリカのプロレスはよく言えばオープンで、悪く言えば「割り切られて」いるのだろう。



 また、ライバックは新日本プロレスに参戦するのではないかとも言われているが……

 しかしながら、こんなことを公言するレスラーを新日本が採用することもないのではないかと思う。

(いや、こんなことを言われれば、ライバック一人に留まらず元WWEのレスラー全てを使えなくなってしまいかねない。)


 それでもWWEは世界最大のプロレス団体であり、UFCと規模を争い、世界中のプロレスラー・プロレスファン・プロレスメディアから「世界最高峰」と認められている。

 プロレスとは、つくづく不思議で複雑怪奇な世界である。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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