Entries

後藤vsオメガ、G1決勝戦と後藤のゆくえ

 新日本プロレス・G1クライマックスの決勝戦は、後藤洋央紀とケニー・オメガで争われることになった。

 後藤は12日のAブロック公式戦で棚橋弘至vsオカダ・カズチカが30分時間切れドローになったことで、

 オメガは13日のBブロック公式戦で内藤哲也に直接勝利して、決勝戦進出を決めたのである。

 このうち内藤vsオメガの試合は、何とも凄まじい激戦であった。

 やはり新日本が日本最大最高峰のプロレス団体と目されていることは、単に勢いに乗っているという故ではない。

 その前のマイケル・エルガンvs中嶋勝彦にしてもだが、あんな試合を1大会でいくつもコンスタントに量産できるというのは、他の団体には滅多に見られないことである。


 はっきり言って中嶋などは、本拠のNOAHでああいう試合を滅多にできていないと思う。

(私も最近はNOAHの大会自体を滅多に見ていないのだが……)


 さて、オメガの相手である後藤の決勝進出についてだが――

 これは「予想もされなかった」という以上に、これもまたはっきり言って、「期待も望みもされていなかった」結果ではないだろうか?


 後藤の決勝進出が決まった瞬間、「これがG1決勝戦のカードなのか」「これじゃ集客は厳しいだろう」などというネットへの書き込みや内心の声が、さぞ大きくなっただろう。

 なるほど、決勝戦には内藤や棚橋、オカダが上がった方が面白かったかもしれない。

 特に内藤哲也は、最も「期待され、望まれていた」選手だったろう。

 しかし言うまでもないことだが、もしプロレスが本当に事前に決めておかないで勝敗を争う競技であるなら、この決勝カードに文句を言う筋合いはない。

 そして「後藤vsオメガ」のカードは、地方や後楽園ホールの第4試合で“スペシャルシングルマッチ”と銘打たれて行なわれる程度のものと言われればそうかもしれないが――

 しかしやはり、いつまでも何度も内藤、オカダ、棚橋という「現在の主力商品」を看板に使うわけにはいかないのである。


 景気がよく、冒険ができるときこそ「次の商品」に投資しておく。「今は二線級の商品」のブランド力を高めておく。

 これは企業戦略として、全然間違ったことではない。

 それどころかどんなビジネス書にも書いてありそうな、実にまっとうなやり方である。



 何を隠そう、私が新日本を見始めた頃、「(パッと見)この人が一番強いだろう」と思ったのは、後藤洋央紀であった。

 しかしなぜか、その後何年も何年も彼は一線級の商品になることができなかった。

 かろうじて広く浸透している称号と言えば、春の祭典・ニュージャパンカップを制する“春男”くらいのものだろうか。

 今の彼は、新日本はおろか日本プロレス界の中でも最も芽が出ず、もがき苦しんでいる――直球で言えば、「迷走している」レスラーの一人に数えられているのだろう。

 これに比べれば、同じ新日本のキャプテン・ニュージャパンもWRESTLE-1のKAIも、はるかに陽性で一貫しているかのようだ。


 ひょっとしたら後藤のことを、「新日本のマイバッハ谷口」と感じている人も多いかもしれない。

 それは「万年平社員」ならぬ「万年覚醒男」として――

 覚醒する/覚醒したらスゴいと言われ続けながら、いつまでも覚醒もブレイクスルーもできていない、という点でである。



 今回のG1決勝戦は、オメガにとってより後藤にとっての方がずっと重いプレッシャーがかかっているはずだ。

 いや、たとえ後藤が優勝したとしても、ファンの反応はさほど芳しいものでないことは、プロレスファンなら誰でも予測できるだろう。

(「あんなしょっぱいのを優勝させるなんて……」などという書き込みが、目に見えるようではないか?)

 それでも後藤にとっては、G1優勝は(最後の、とまでは言わないが)数少ない残されたチャンスである。

 ブーイングや揶揄から大逆転を成した棚橋弘至や内藤哲也は、同じ団体の年齢も近い存在であり先駆者である。

 私は後藤は、技の豊富さ(しかもスリーカウントを取れる説得力のある決め技の数)の点では、棚橋も内藤もはるかに及ばないほどずば抜けていると思っている。

 G1決勝戦そしてG1後の後藤は、密かな注目株である――と、全財産を賭けないでもいいが先物買いしておく価値はあるだろう。

このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://tairanaritoshi.blog.fc2.com/tb.php/307-96cddf70

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

FC2ランキング

FC2オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

FC2アクセスカウンター

日本ブログ村・人気ブログランキング アクセスランキング

ツイッターウィジェット

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR