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死せるアリ、プロレスを地上波ゴールデンタイム放送させる

 ついさっき、テレビ朝日の特番で「猪木vsアリ戦」(1976年6月26日)をノーカットで見た。

 日本のプロレスファンとボクシングファンでこの番組を見なかった人はいないと思えるが――

 しかし一般の視聴者にとっては、セコンドや実況の音声字幕がなかったとすれば見るに堪えないワンパターンな番組だっただろう。

 プロレスファンにとって今回の放送の意義はむろん、プロレスが全国地上波テレビで日曜午後9時から11時というゴールデンタイムに放送されたことである。

 猪木vsアリ戦がテレビでノーカット放送されるのは40年ぶりのことだが、プロレスがこんな時間に全国地上波放送されるのもそれこそ40年後のことかもしれない。 


 もし一般の視聴者がこの番組を最後まで見たとすれば、それはいかに試合内容が退屈であろうと、「モハメド・アリ」と「アントニオ猪木」というビッグネームが対戦しているゆえに違いない。

 他のボクサーやレスラーだったら間違いなく途中でチャンネルを変えている。

 アリの葬儀は6月10日に行われたが、まさに「死せるアリ、プロレスを地上波テレビゴールデンタイム放送させる」である。

 なおここで猪木vsアリ戦を「プロレス」と言っているのは、「プロレスのリングで行われるものは全てプロレス」というジャイアント馬場の言葉を適用したものだ。

(この言葉は、まさに猪木vsアリ戦の直後に馬場が言ったことである。)



 おそらく、次にプロレスが地上波ゴールデンタイム放送されるのは、アントニオ猪木が死去したときだろう。

 そしてその後は……

 もう二度と、そんなことはないかもしれない。

 いやいや、それでも世の中には何が起こるかわからない。

 再びプロレスが地上波の深夜以外の時間に流される可能性は、私が思っているよりひょっとしたら高いのかもしれない。

たとえば、日曜早朝の「スーパーヒーロータイム」とかに……)


 ちなみに不勉強で申し訳ないが今回の放送で驚いたのは、当時通訳を務めていた「ケン田島」氏がまだ生きておられたことである。

 日本プロレス史上最強のフロントマンである「新間寿(しんま ひさし」氏(当時、新日本プロレス営業部長)が存命なのは知っていたが、当時でさえ45歳だった田島氏がまだ壮健であったとは――

 そして新間氏もさすがに老いは隠せないものの、あのレスラー以上のド迫力の面構えがまだ残っていることに、嬉しい気持ちを覚えた。

 アリは死し、田島氏も新間氏も猪木もいずれこの世を去る。

 しかし彼らの残した「作品」は永遠であり、唯一でもある。

 たぶん人類が西暦5000年を迎えたとしても、現役ボクシング世界ヘビー級チャンピオンとプロレスラーが戦うことはないままだろう。

 仮にあったとしても、それは戦う二人が猪木vsアリ戦に触発されたものであることは疑いない。


 「キンシャサの奇跡」を現実のものとしたアリの死を改めて悼むとともに、「東京の奇跡」を見せてくれた猪木、アリ、新間氏らに大いなる感慨を抱かずにいられない。

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コメント

[C67]

私も猪木VSアリ戦の特別番組見ました。

地上波ゴールデンタイムでプロレスの試合が流れるなんて、本当に何年ぶりでしょうか。

橋本真也VS小川直也、「橋本真也、負けたら即引退スペシャル」以来のような気がします。

さて、新日本プロレスの木谷オーナーが、東京経済のインタビューに答え、近い将来の新日本プロレスの一部上場を本気で考えていると、発言しました。

カミングアウトについては「企業秘密」の扱いにするつもりだそうです。
http://toyokeizai.net/articles/-/117931
 
新日本プロレスが一部上場し、このまま成長を続けた暁には、地上波ゴールデンタイムの復活も、ありえるかもしれません。

その日は、意外と近いかもしれませんね。

[C68] Re: タイトルなし

ムームー様

> さて、新日本プロレスの木谷オーナーが、東京経済のインタビューに答え、近い将来の新日本プロレスの一部上場を本気で考えていると、発言しました。
> カミングアウトについては「企業秘密」の扱いにするつもりだそうです。

 この件、このブログでも記事を書こうと思っています。
 非常に想像の膨らむインタビューでしたね。
 
  • 2016-06-15 05:47
  • 平 成敏
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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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