Entries

週刊プロレスの若手育成論に異議 その4 外国のレスラーはどうなのか?

 前の記事では、「若手には“溜め”が大事」との論に対し、「だったら女子プロレスはどうなのか?」との疑問を提示した。

 もう一つ提示する疑問は、「だったら外国人レスラーはどうなのか?」というものである。

 基本的に、外国のプロレスに日本式の(団体内の)道場はない。

 そのことは日本のプロレスファンにも広く知られているのだが――

 実のところ日本のプロレスファンは、それでどうやってレスラーが成長していくのか理解できないでいるのではないだろうか?

 たぶん自費でジムにでも通って練習しているのだろうとは思うが、しかしそれで本当にモノになるのか半信半疑でいる――

 それが日本のプロレスファンの一般的な意識だと思う。



 どうも我々は、日本式道場での練習で選手が成長していく、というストーリーをあまりに聞かされてきたため、それ以外の成長方式があるということがイメージできなくなっているのではないかと思われる。

 新日本では若手が第一試合で派手な技を使うと、先輩や鬼軍曹が飛んできて制裁を受けた。

 第一試合では技なんか使わず気持ちを見せることが大事。

 そういう話を「美談」「教訓話」として聞き伝えているうちに、そうでないやり方は悪い・誤ったものであるばかりか、「存在し得ない」ものとまで思うようになったのではないか?


 これはどこか、「印鑑を押さなけりゃ契約じゃない/決裁じゃない」とか、「保育園なしでどうやって子どもを育てるのか」と日本人が考えることにも似ている。

 しかしもちろん日本の外の世界は、印鑑も保育園もなしで充分回っているのである。

 特に印鑑に至っては、そういうものを日常生活や仕事で使っているのは日本ただ一国のみ。



 おそらく外国のプロレス団体には、若手選手に“溜め”を与えようなどと言う意識はないのだろう。

 派手な技は使わないでくれと“依頼”や“注文”はするかもしれないが、使うなと命じることはないのだろう。

 また選手の側も、「何でそんなこと言われるんだ? オレにとってはもちろんのこと、呼んだ団体の方にとってもオレがパフォーマンスを存分に発揮した方がいいに決まってるだろう?」と不思議・不可解に思うに違いない。

 しかしそれだから外国人プロレスラーはダメなのか、芯が通っていないのか、“本物の”プロレスラーとは呼べないのか――

 いやいや、そんなことは誰にも言えないはずである。


 そんなことを言うのは、

「印鑑を押さない契約書(条約)なんて、本当は契約書(条約書)じゃないんだ」とか、

「保育園に預けなくて、子育てなんてできるわけがない/まともな子が育つわけがない」とかいうことを、

“世界に向けて”訴えるのと同じくらい愚かしいことである。


このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://tairanaritoshi.blog.fc2.com/tb.php/291-bf89bd87

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

FC2ランキング

FC2オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

FC2アクセスカウンター

日本ブログ村・人気ブログランキング アクセスランキング

ツイッターウィジェット

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR