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2016チャンカーは関本大介が優勝…昇る大日本の象徴

 本日サムライTVで、全日本プロレス・チャンピオンカーニバル2016決勝戦を見た。

 決勝カードは、ゼウス(全日本)VS 関本大介(大日本)。

 この文字を見ただけで「肉弾戦」という言葉が浮かぶが、勝ったのは関本大介であった。

 それにしても関本大介という選手、あらゆる団体に出まくっている。

 いやしくも地方巡業をする日本のプロレス団体で、彼が出場したことのない団体を探す方が難しい。

 そのレベルはもう、彼がエントリーされれば新鮮味がないなぁと反射的に感じてしまうほどに達している。

 間違いなく彼はインディー界を代表する選手であり、それどころか日本を代表するプロレスラーの一人となった。


 関本の存在感、とりわけ特徴的なその体型は、日本プロレス界に他に比肩するものがない。

 初めて彼を見る人は、まるでものすごい美人を見たときのように思わず二度見してしまうだろう。


 関本はZERO-1の火祭りを制し、このたび全日本のチャンピオンカーニバルも制した。

 おそらく彼は鈴木秀樹と並び、いま最も「新日本プロレスへの参戦」が嘱望されるインディー選手に違いない。

(もっとも、今の半鎖国状態の新日本には、他団体の誰が出てもある程度は盛り上がるはずだが……)


 ひるがえって当の全日本だが、これはどうしても「外敵天国」「土下座外交」と揶揄された2000年代前半の新日本を連想させずにはいない。

 なるほど今の全日本の陣容を見れば、どの選手が優勝しても「悪い意味での順当感」または「無理のある展開」になりそうではある。


 よって、関本のような格のある/説得力のある外敵を導入し、それを基(もと)にストーリーを展開していく――強大な関本に次々と所属選手が挑んでいくというような――のは、やむを得ない仕儀とも言える。

 しかし象徴的意味においては、やはり全日本は大日本の「下」になったことがはっきりした――

 そう感じた人も多かったのではないかと思う。

(⇒ 2015年11月15日記事:藤田vs諏訪魔は大日本の勝利――闘魂と王道の敗北)
  

 もっとも大日本プロレスは、考えてみればグレート小鹿が創立し、今も率いている団体である。

 もし「力道山の直接の弟子」が作った団体、及びそこから枝分かれした団体が「メジャー団体」だと定義するならば、大日本はもちろんメジャー団体の一つとなる。


(力道山の直接の弟子で、今も生きてプロレス界にいると言えるのは、アントニオ猪木とグレート小鹿だけである。

 猪木はそうは言えないとすれば、グレート小鹿ただ一人である。)


 すなわち日本におけるメジャー団体とは、本当は「新日本」「全日本」「NOAH」「大日本」の四つだったことになる。

 しかしもちろん、大日本がそう見なされることは絶えてなかった。 

 キワモノのデスマッチなどにウツツを抜かす、FMWやW☆INGと同列の(いや、下手をすればそれより劣る)まぎれもないインディーであった。

 それがプロレス界での地位をここまで上げてくるとは、創立当時の誰が予想しただろう。

 いま大日本は、日本のプロレス界において新日本に次ぐ地位をDDTと競っている。

 それはまるで、王家の血統であったが辺境で流浪していた王族が、勢力と名望を得て「正統なる地位」を回復しつつあるようにも見える。

(いわゆる“貴種流離譚”である。大日本そしてグレート小鹿を見て抱くイメージとはだいぶ違うが。)


 『史記』とかが好きな人には、晋の文公(重耳)のことも思い出すかもしれない。

(重耳は王の息子だったが内乱で逃亡。19年間も諸国を放浪した後、晋に帰国して“春秋五覇”の筆頭格となった。

 ただし、これもグレート小鹿を見て容易にイメージできることではない。)



 チャンピオンカーニバルの記事なのに大日本のことばかり書いてしまったが、ここはぜひ全日本の巻き返しも期待したいところである。

 確かに多くの人やメディアが言うように、試合内容自体はそんなに悪くはない(と思う)のだから……

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[C55] 関本選手は日本プロレス界の至宝

私はこれまで関本選手の試合を見る機会が無かったのですが、昨年11月15日「天龍源一郎引退試合」のライブビューイングで、やっと見ることができました。

ほれぼれするような肉体と無骨なファイトスタイルは、期待以上のものでした。

その関本選手が、船木誠勝選手を破ってリアルジャパンプロレスの王者になり、火祭り制覇に続いて、チャンピオン・カーニバル制覇は、納得の結果ですね。

一方の全日本プロレスですが、関本選手のチャンピオン・カーニバル制覇は、宮原健斗を筆頭に、若手の奮戦で世代交代に成功したものの、諏訪魔、ジョー・ドーリングと相次ぐベテラン主力選手の負傷欠場が続き、団体自らではカードに行き詰まった結果とも言えるでしょう。

これで5月の後楽園大会は、宮原健斗 vs 関本大介の三冠戦が確定しましたが、ここは宮原に防衛してもらわないと、W-1の二の舞になりそうで心配です。

W-1は若手が充実しているという印象がありましたが、彼らは集客力を付けることができず、結局、現在のW-1はヘビー級王者が火野裕士、クルーザー王者が鈴木鼓太郎と団体外に王者を求め、彼らにW-1選手が挑戦するという相変わらずの「土下座外交」です。

しかも後楽園など主要大会では、武藤敬司の試合が今だにセミファイナルで組まれていて、世代交代はどこへやら。

やはり真田聖也が抜けたのは大きかったです。
新日本プロレスは、良い「拾い物」をしました。

全日本プロレスも、ここで宮原がすんなりと関本に三冠王座を明け渡すようでは、せっかくの世代交代が台無しになってしまいますね。

[C56] 相互リンクのお願い

先日より、私も自分のブログで、本格的に情報発信を始めました。
こちらのサイトにはまだまだ及びませんが、頑張って更新していきますので、よろしければ、相互リンクをお願いします。

ブログタイトル「mu mu 360のプロレス&格闘技ライフ」
URL : http://ameblo.jp/mu-mu-360/

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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