Entries

WWE、日本直接侵攻 その4 「外国人はみんな映画の出演者に見える現象」について

 前回記事では、「プロレスはインチキ(真剣勝負でない)だと世間から思われているから、地上波テレビ局はそれをゴールデンタイムに放送しない/できない」――

 そしてスポンサーも付かない、と言うことを書いた。

 しかしサムライTVでCMLLなどメキシコのプロレス(ルチャ・リブレ)を見ている人は、その会場アレナ・メヒコの電光掲示板に日本企業の広告がよく映ることに気付いているだろう。

 確かに、canon(キヤノン)など日本を代表するような企業名が、そこには映し出されている。

(他の企業名もあったはずだが、すぐ思い出せない。MITUBISHIの名を見た覚えもあるのは記憶違いだろうか。)

 日本本国では決してプロレス番組のスポンサーにならないような企業が、メキシコでは確かにスポンサーになっている。

 これはなぜなのかと考えるに――

 私は何かの雑誌で、「メキシコ人にはルチャ・リブレを真剣勝負と思っている人が多い」との記事を読んだ覚えがある。

 これが本当だとすれば、ある企業がスポンサーになるかならないかの判断は便宜主義的なものであることがよくわかる。

 要するにその番組(コンテンツ)が社会的に受け入れられていさえすれば、その社会では広告を出すのである。

 たとえ日本では絶対と言っていいほどプロレスのスポンサーにならない企業でも、その同じ企業がメキシコでのプロレスのスポンサーにはなるのである。


 ただ、本記事で問題にしているのは、あくまで日本でのプロレスの全国地上波ゴールデンタイム中継――

 残念ながら日本では、プロレスは世間にそんなにも受け入れられているわけではない。


 しかし、WWEならばその可能性がある。

 なぜなら我々日本人に起こる、一つの不思議な現象を利用することができそうだからだ。

 その現象とは、「外国人は、みんな映画の出演者に見える」現象のことである。


 これは我ながら非常に不思議なのだが、私は外国人を見るといつもそんなことを感じてしまう。

 街中で見る外国人、ニュース番組でインタビューに答える外国人、彼らを見ると誰でもが「映画に出てきてもおかしくない」人に見えるのである。

 映画俳優とまでは言わないが、映画出演者には見えるのである。

 この現象、決して私に限った話ではないのではないか?

 そしてこの現象は、日本人にとっては「全く同じことをやっていても日本人がやると猿芝居に見えるが、外国人がやるとサマになる/しっくりくる」現象にも繋がっているのではないかと思われる。
 

 現WRESTLE-1が旗揚げした直後の大会では、リングアナが「バックステージで何か動きがあったようです」とアナウンスした後、会場モニターにレスラーたちのやりとりが映し出されていた。

(私が見たのは石川県産業展示館大会で、リングアナは今は新日本プロレスに移籍した阿部誠さんであった。)

 それは見ているこっちが恥ずかしくなるくらいの「お芝居」としか感じられず、何とも見ていられないようないたたまれないような気持ちになったものである。

 このことは他の人も同じだったらしく、映像が終わった後の会場からは「失笑・苦笑」の雰囲気が伝わってきたものだ。

 しかしながらその「お芝居」は、WWEやTNAがやっていることとほとんど変わらないものでもあった。


 実際、WRESTLE-1はそういう路線を――WWEやTNAのようなドラマ的展開のプロレスを模索していたのだろう。(ストレートに言うと、真似しようとした。)

 ただそれは遺憾ながら、日本人レスラーがやると日本人には猿芝居にしか見えないのである。

 しかしなぜかわからないが、外国人レスラーがやると何だか「そういうものだ」と納得的に受け入れることができるのである。



 NHKではよく外国のテレビドラマ、それもコメディ風の(観客の笑い声が入るような)ドラマを放送している。  

(代表的なのは『フルハウス』だろう。)

 ああいうのは日本人にも面白いと感じられるのだが、しかしもしそのキャストが全員日本人の日本の番組だったなら、とても見ていられない番組になるのはみなさん想像に難くないと思う。

 今の日本映画はつまらない、としばしば言われる。

 それを一番よく言っているのは当の日本人である。

 確かに内容自体がつまらないというのもあろうが、この「日本人がやると日本人は受け入れないが、外国人がやると何となく受け入れる」現象も大きな原因になっているのではないかと思わずにいられない。


  
 これはつまり、テレビで流す素材として――

 日本人のプロレスはダメだが、外国人のプロレスなら日本人に受け入れられる余地がある、ということを示唆しているのではないか?

 しかも、WWEが世界的に放送され人気を博しているのは事実である。

 この“外国で評価されている/人気がある”というのに日本人が極めて影響されやすいこと――

 と言うより“評判になっているからこそ、自分もそれを好きになる”傾向が強いことは、あなたもよく知っていることだろう。


(もっともこれは、日本人に限ったことではないかもしれないが。)


 以上のことを考えると――

 WWEの日本在地団体を作るまでもなく、WWEの番組をそのまま用いるだけでも、日本での全国地上波プロレス中継はけっこう実現可能のように思えてくる。

 しかしやはり、そこに日本人選手がいなくては日本人視聴者の「見てみようか」という気持ちを引き出せないのも事実に違いない。

 だからやっぱり、そこに幾人かの日本人選手を「混ぜる・まぶす」のである。


 思うに、日本人どうし・日本の団体のプロレスには「八百長だ」とクレーム電話を入れてくる人も、WWEのプロレスにはそうする気が起こらないのではなかろうか。

 また、スポンサーも付くのではないか。



 WWEは、こうした日本人の“外国人に対する特殊な感情・印象”を利用することができそうである。

 まずはその日本公演を日本のバラエティ系ニュース番組などに取り上げてもらい、新聞・ビジネス誌などに記事を書いてもらえれば――

 深夜放送をとっかかりに、もしかしたら全国地上波ゴールデンタイム放送への進出を果たせるかもしれない。

 どうも日本のプロレス団体(新日本プロレスも含む)よりは、その可能性が高いように思える。

このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://tairanaritoshi.blog.fc2.com/tb.php/282-42a695e6

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

FC2ランキング

FC2オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

FC2アクセスカウンター

日本ブログ村・人気ブログランキング アクセスランキング

ツイッターウィジェット

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR